J-POPって何?日本のポップスの特徴や歴史について解説

公開日:2023/05/01  最終更新日:2023/04/05


音楽ジャンルといえばJ-POPや洋楽、HIPHOP、ロックンロール、R&Bなどのさまざまな種類があります。なかでもJ-POPは日本で生まれたポップスを指すジャンルであり、国内では高い人気を誇っています。今回はJ-POPについて、歴史や起源、代表曲に加え、世界からの評価や今後の展望についても詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。

J-POPはいつ確立されたのか?J-POPの起源を解説!

まずは、J-POPの歴史と発展について解説します。

️J-POPとは

そもそも「J-POP」という言葉は、FMラジオ局である「J-WAVE」から生まれた用語です。J-WAVEはもともと、洋楽をメインに流していたラジオ局でしたが、洋楽とあわせて流してもクオリティとして遜色ない日本の楽曲を表す呼び名として、「ジャパンポップス」または「ジャパニーズポップス」という意味をもたせて「J-POP」を使うようになりました。

J-POPの発展

J-POPという言葉はJ-WAVEでのみ使用されていたため、すぐに一般で使われる言葉として定着したわけではありませんでした。しかし、次第にさまざまなシーンで利用されるようになり、1995年頃には世間に普及するようになりました。

実際、1995年に渋谷のタワーレコードが移転した際には、フロアの一部にJ-POPコーナーがつくられました。そのあとは、アニメやドラマ、CMなどに使われたタイアップ楽曲がJ-POPの中心として広がっていくようになりました。

J-POPの特徴は?

J-POPの曲調に見られる特徴や共通点について解説します。

J-POPはテンポやメロディーに特徴がある

J-POPといえば、BPM(BeatsParMiinute/テンポ数 )の速さや、どこか洋楽の雰囲気を感じさせるリズムやメロディーが特徴です。また、日本でいう和音を音楽用語では「コード」と呼びますが、J-POPでは基本となるコード進行にある程度パターンがあります。

J-POPの構造

J-POPの一般的な構造は、イントロ・Aメロ・Bメロ・サビ・間奏・Aメロ・Bメロ・サビ・間奏・Cメロ・大サビ・アウトロといった流れです。

ただし、近年ではJ-POPの構造も多様化が進んでおり、間奏がほとんどない楽曲やBメロをカットした楽曲、Cメロや大サビがない楽曲など、さまざまなパターンがあります。どの楽曲にも共通しているのは、Aメロとサビがある点です。

世代を超えて愛されるJ-POPの名楽曲

J-POPのなかでも名楽曲と呼ばれるヒット作は、世代を超えてさまざまな年齢層のファンから支持を得ています。また、時代を追うごとにヒット楽曲の特徴やトレンドも変わっていくため、楽曲を聞けば当時の記憶や街の風景が鮮明に思い出されるのも愛されるポイントのひとつです。

ここでは、1990年代・2000年代・2010年代にわけて、誰でも一度は耳にしたことがあるJ-POPの名楽曲を詳しく解説します。

1990年代

J-POPという概念が生まれた1990年代は、わかりやすくキャッチーな楽曲が好まれる傾向にあり、約30年経つ現在でも知らない人はいないといえるほど、若者層を含むどの世代にも時代を超えて愛され続けているのが特徴です。一部を紹介すると、宇多田ヒカルの「First Love」、スピッツの「チェリー」、ゆずの「夏色」、JUDY AND MARYの「そばかす」などが代表楽曲として挙げられます。

2000年代

女性アーティストや男性グループが流行した2000年代は、定番のJ-POPとは異なる新しい形の楽曲が増えており、1990年代の楽曲と比較するとリズムや構造などの多様化が進んでいるといえるでしょう。SMAPの「世界に一つだけの花」、一青窈の「ハナミズキ」、EXILEの「Choo ChooTRAIN」、ORANGE RANGEの「花」などが、代表楽曲として挙げられます

2010年代

J-POPのなかでも、比較的新しいラインナップとなる2010年代は、ヒットした楽曲の大半は、キャッチーな振り付けで覚えやすいものが多い傾向です。代表楽曲として、星野源の「恋」、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」、ゴールデンボンバーの「女々しくて」、三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEの「R.Y.U.S.E.I.」などが挙げられます。

J-POPは孤立している?海外の人々の目にJ-POPはどう映るのか

世界から見たJ-POPの立ち位置とこれからについて解説します。

日本の音楽は世界から独立して発展を遂げている

J-POPが孤立しているといわれる理由は、日本人のなかでJ-POP以外を好んで聞く人が非常に少ない傾向にあるからです。日本は島国であり、物理的な意味でも孤立しています。音楽だけでなくアニメやお笑い、漫画にも共通していますが、島国であるが故に、日本独自の文化だけが発達しているのです。

国ごとに独自の文化が大きくなっていくこと自体はよいことですが、日本の場合はJ-POP以外のジャンルを受け入れる体勢が整っておらず、ガラパゴス化による悪い面が目立ってしまっているのが現状です。実際に、日本の音楽チャートにランクインしているのは約90%がJ-POPとなっています。

️J-POPは世界から評価されていない

先述したとおり、日本ではJ-POP以外のジャンルを広く受け入れているとはいえない状況です。反対に、世界的に見て、J-POPが高く評価されている国はごく少数です。J-POPは世界なかでヒットしている楽曲と比較すると、メロディーラインが典型的であり、トラックの音数も多い傾向です。

また、シンガーの歌唱力が磨ききれておらず、リズムが複雑であることからダンスも踊りにくいといわれています。

J-POPは「日本で売れること」を目的として作られている楽曲が非常に多いため、世界のヒット曲を分析して世界的なヒットを目指すパターンはほとんどありません。日本でヒットする曲を作って日本でのみ売れる、というサイクルが繰り返されており、日本の音楽は世界から見て成功しているとはいえない状況となっています。

外国では音楽で成功している事例も

音楽マーケットにおいて世界的に成功している国といえば、スウェーデンや韓国が挙げられます。スウェーデンは小さな国であることから、日本のように自国のみをターゲットとした音楽ではなく、世界的なヒットを生むためにアメリカやヨーロッパ全体をターゲットとした楽曲を中心に生み出してきました。

スウェーデンは音楽の教育にも力を入れており、国をあげて取り組んでいるのも成功につながった要因であるといえるでしょう。K-POPが世界中から注目を集める韓国もまた、スウェーデンのように国が音楽産業に対して力を入れてる国のひとつです。

韓国を代表する大人気グループであるBTSは、これまで何度も全米チャート首位を獲得してきました。スウェーデンや韓国に比べると、日本は人口が多いです。そのため、日本で流行ることだけを考えた楽曲をリリースして日本でのみ売れた場合でも、それなりの収益を上げられることが、ガラパゴス化をさらに加速させる要因であったと考えられます。

J-POPはこれからどうなっていくのか

J-POPのヒット基準の変化や、今後の展望について詳しく解説します。

J-POPのヒット基準は時代とともに変化している

楽曲が売れているかどうかの判断基準は、1990年当時と今で大きく変わっているのが特徴です。1990年代はCDの売り上げ枚数が主な判断基準となっていましたが、その後はダウンロード、ストリーミングへと移り変わってきました。

近年では、楽曲をダウンロードして自分のものとして聞くのではなく、サブスクリプション型のストリーミングで楽しむ人の方が圧倒的に多いです。「売り上げ」ではなく「聴かれた数」が新たな指標となりつつあり、2010年代のヒット曲はストリーミング再生で1億回を超えるものも増えています。

今後はSNSやストリーミングを中心にJ-POPが世界に広がる可能性も

近年では世界で多くの人にSNSが利用されています。なかでもTikTokのショート動画やYouTube動画などで、多くの人からの支持・共感を集めた楽曲が一大ブームとなるケースが多いです。

その結果、SNSを通してJ-POPが海外の人の目にも留まるようになり、評価されることも増えてきました。今後はSNSやストリーミングをうまく使うことで、さらにJ-POPが世界中の注目を集められるでしょう。

まとめ

今回は、J-POPの起源や歴史、年代ごとの代表曲に加え、海外からの評価や今後の展望についても詳しく解説しました。J-POPはFMラジオ局「J-WAVE」にて使われたことで広まった用語です。J-POPのヒット曲は世代を超えて愛されている楽曲ばかりであり、1990年代にリリースされた初期のJ-POPヒット曲は、今もなお若者を含む多くの世代に愛されています。J-POPは島国ならではのガラパゴス化が進行したことにより、世界的な評価はあまり高くありません。しかし、今後はSNSやストリーミングで海外の人にもJ-POPを身近に感じてもらうことで、世界的に愛される楽曲が増えていくでしょう。

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