店舗BGMにダウンロードした楽曲を使っても問題ない?

公開日:2022/11/15  最終更新日:2022/09/27


買い物をしているとき、ふとした瞬間に店舗BGMを耳にすることがあると思います。店舗の雰囲気や売っているものに合わせたBGMを選ぶことで、購買意欲やその場にいる人の集中力が高まるのです。その際、楽曲をダウンロードして流す方法を思い付いた方もいるのではないでしょうか。今回は、ダウンロードした音楽の使用について解説します。

ダウンロード購入した楽曲は店舗BGMに使用できる?

現在は、店舗でCDを購入するよりも音楽サイトから携帯などにダウンロードして聞いている方のほうが多いのではないでしょうか。物が増えず気軽にどこでも聞くことができるのでとても便利ですよね。会社経営をしていたり、お店で販売などをしたりしている方にとって音楽を流すことは集中力や購買意欲を高めるよい方法であるといえます。そこで、音楽サイトからダウンロードした音楽を使用してもよいのか悩むかもしれません。

まず大前提として、音楽は歌詞と曲で構成されており、想いや感情をもとに新たに作り出したものなので、著作物にあたり著作権が発生します。著作権とは、簡単にいえば作曲家と作詞家が制作した音楽を、使いたい人に対して使用許可を出したり使用条件を出したりできる権利です。そして、対価として使用料も受け取ることができます。

今回の、ダウンロード購入した楽曲を店舗BGMに使用できるかどうかは、著作権や演奏権などが関係します。演奏権とは、著作権の中に含まれる権利の中の一つです。多くの人に対して聞かせることを目的として著作物を演奏する権利を有することです。ダウンロードした音楽は、基本的に私的利用や非商用目的の場合のみとなっていて、個人で楽しむ分には問題ありません。

しかし、店舗やオフィスでは多くの不特定多数の人に聞かせることになります。このように公衆に対して聞かせる場合には権利者への使用承諾をとり使用料を支払わなくてはいけません。使用料は、店舗面積によって金額に違いが出てきます。たとえば、1回に1曲の使用で5分以内の楽曲であれば数円から数十円になります。しかし、年額の使用料になると数千円から数万円と店舗面積によって違いが出てきます。また、再生制限や楽曲を流すパターンによっても金額が変わってくるためその都度金額は変わってきます。

そして、著作権管理事業者に申請してから承諾が降りるまで約2週間前後かかる場合があります。承諾を取る場合は前もって早めに申請するようにしましょう。また、万が一承諾を取らずにダウンロードした楽曲を店舗BGMとして使用した場合は、次の罰則や罰金があります。民事上の請求の場合は、侵害行ための差止請求・損害賠償・名誉回復措置などがあります。また、刑事上の罰則の場合は、5年から10年以下の懲役か500万円から1,000万円以下の罰金もしくはその両方が課せられる場合があります。

購入したCDと購入してダウンロードした楽曲の違い

まず大前提として、どちらにも著作権が発生します。作詞家や作曲者への著作権、実演家(アーティスト)への著作隣接権、レコード制作会社への著作隣接権の3つがあります。しかし日本の場合、著作権の大多数をレコード会社に譲渡しています。

さらに、レコード会社からJASRACのような著作権管理事業者に信託譲渡されている場合がほとんどです。著作権管理事業者とは、著作権者や著作隣接権者との契約に基づいてあらかじめ定められた使用料規程に従い、自らの判断で利用者に対し著作物や実演の利用を許可し、使用料を徴収しながら権利者に分配する事業者のことをいいます。

では、購入したCDと購入してダウンロードした楽曲の違いはなんなのでしょうか。ほとんどの場合は著作権や著作隣接権と同じですが、購入したCDには原盤権があります。原盤権とは、簡単にいえば音楽を録音や編集した人が他者に対して勝手に使用するのを拒否できる権利です。著作権は作曲家や作詞家が有する権利ですが、原盤権は録音した人の権利になります。

原盤権はどこかに登録したりする必要はなく、楽曲を録音した人に自動的に発生する権利となります。そのため、購入したCDを使用したければ著作権者や著作隣接権者だけでなく、原盤権を有する人にも許可を取らなくてはいけません。そして、もうひとつは演奏権です。不特定多数の人、つまり公衆にCDを流して音楽を聴かせるのは演奏行為にあたり、著作権法22条の上演権・演奏権の侵害になります。

ダウンロードした楽曲を利用しても問題ないケース

基本的には、ダウンロードした楽曲を使用するには著作権者や著作権管理事業者の許可が必要になります。著作権法1条で、著作物並びに実演、レコード、放送および有線放送に関し著作者の権利およびこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与することを目的とするとなっています。簡単にいうと、一定の範囲の行為に独占的利用を保護することを目的とした法律となっているのですが、著作権法1条の内容に反しない場合のみ使用承諾が不要となります。

1つ目は、私的使用のための複製です。著作権法の中に複製権という物があります。ダウンロードした楽曲やCDなどを印刷したり録音・録画そのほかの方法で別の媒体に再製したりする権利をいいます。ダウンロードした楽曲を個人使用目的で複製したり家庭内での利用したりするのみであれば、著作権者や著作権管理事業者の承諾は不要となります。家庭内や個人的な利用であれば、公衆に対して聴かせるということはなく、著作者などの経済的損害が低いため承諾不要となるのです。しかし、複製したものを他人に配布したりする場合はこの限りではありません。あくまでも私的利用が基準となっているため、他人への配布は著作権者への許可が必要です。

2つ目は、営利を目的としない上演です。著作権法38条に、公表された著作物は営利を目的とせず公衆または観衆から料金を受けない場合には、公に上演し演奏し上映し又は口述できる。ただし、当該上演、演奏、上映または口述について実演家又は口述を行うものに対して報酬が支払われる場合はこの限りではないとあります。今回の営利を目的としない上演とは、公表していること、非営利目的であること、料金を受けないこと、演奏する人に報酬を支払わないことなどを満たしていれば著作権者から承諾を得る必要はありません。

ただし、前述の条件に合っていればすべてのパターンが承諾の必要がないといえばそうではありません。間接的にでも収益につながっていれば条件を満たさないため、承諾が必要になります。今回のダウンロードした楽曲を店舗BGMとして使用するパターンは、お客さんから音楽を聴くことへの料金をもらっておらず実演家が存在しなくても、音楽を流すことによって購買意欲が上がりお店の収益につながる可能性があると判断されるため、使用の承諾を得る必要があります。

ダウンロード購入した楽曲を店舗BGMとして利用する方法

著作権のある楽曲を使用するには、さまざまな確認事項と注意する点があります。

1つ目は、日本国内で保護されている楽曲かを確認することです。国内の著作物、国内で一番最初に発行された著作物、条約によって日本が保護する義務のある著作物の3つに当てはまらない場合、国内では許可が必要なく使用できます。楽曲を使用したい場合はまず、国内で保護されているかどうか調べましょう。

2つ目は、保護期間に当てはまるかどうかです。国内で保護されている楽曲だった場合、次はその楽曲の保護期間を調べましょう。著作権は永久に保護されるものではありません。一定の期間が過ぎると消滅してしまいます。そのため、保護期間が過ぎている楽曲は自由に使用可能です。保護期間は、創作のときから始まり著作者の死後50年継続するという原則があります。しかし、著作者が不明な場合や会社名や団体名で発表された著作物に関しては公表してから50年の保護期間と定められています。

このように、著作権のある楽曲を使用する場合は多くの確認事項を経て承認を取らなくてはいけません。しかし、大手の有名な音楽配信サービスの大半は、音楽の使用範囲を私的利用に定めているところが大多数です。そのため、店舗BGMとして使用したり複製したりすることは著作権の侵害になり利用規約に違反してしまうことから、著作権管理事業者へ使用料を払っても使用できないことがほとんどです。

そこでおすすめなのが、商用を目的とした音楽配信サービスです。有料の商用音楽配信サービスは、本来著作権管理事業者へ支払うはずの使用料が最初から含まれているため、あらためて自分で承諾を取る必要がないというメリットがあります。そして、この楽曲はどこに承諾申請を取ればよいのか分からないといった手間と時間を省けます。

利用する商用の音楽配信サービスによっては、流したい雰囲気に合わせた楽曲を提供してくれるところもあるのでとても便利です。無料の音楽配信サービスでは、著作権フリーやフリーの音楽素材をダウンロードするなどして使用できます。著作権フリーとなっているため著作権料を支払う必要もなく使用できます。ただ、無料の音楽配信サービスは著作権を完全に放棄しているわけではありません。著作権がフリーの音楽配信サービスを使用して、店舗BGMとして使用してもよいかは各サイトの利用規約を確認してみてください。

まとめ

音楽には必ずといってよいほど著作権が関わってきます。何も知らずに楽曲を勝手に使用してしまった場合、損害賠償請求されてしまったり訴えられたりしてしまいます。そして、単純に作詞家や作曲者への承諾を得ればよいというわけでもありません。著作権管理事業者に登録していればそこに承諾を取ればよいですが、そうでなければ自分で問い合わせ先を探して承諾を取るという手間暇のかかる作業をしなくてはいけません。そんな面倒な作業を省き安全に店舗BGMとして使用できる商用の音楽配信業者があります。オフィスや店舗で有益な効果を期待できる商用の音楽配信業者をぜひ利用してみてください。

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