気づかずに著作権侵害しているかも!?実際の事例と罰則について解説!

公開日:2022/11/01  最終更新日:2022/09/27


飲食店やカフェ、美容室やネイルサロン、スポーツジムから病院まで、さまざまな施設で魅力的なBGMが流れています。しかし、BGMとして音楽を使用するのに著作権の利用許可が必要なことをご存じでしょうか。今回は著作権侵害について、実際に起こった事例や罰則なども含めて解説します。店舗や施設でBGMを使う方はぜひ参考にしてください。

実際にあったBGMに関する著作権侵害の事例

使用料を支払わずにBGMを流してしまうと、故意がなかったとしても罰則を科せられることがあります。ここでは、実際に著作権侵害として法的措置がとられたケースを3件紹介します。著作権に関する知識がないと、気づかないうちに同様の違反を犯してしまいがちなので、BGMを流す際は充分に注意しましょう。

購入したCDをかけるケース

1件目は、ある喫茶店で経営者が自分で購入したCDをBGMとして音楽プレーヤーで流していたところ、著作権管理事業者から使用料の催促通知が届いたというケースです。購入したCDを自分で楽しむという目的ではなく、喫茶店のBGMとして使用する場合には著作権使用料の支払いが必要です。ところがこの喫茶店では申請や支払いを怠ったため、著作権侵害とみなされてしまいました。

ピアノやカラオケなどで演奏するケース

2件目は、とあるスナックでBGMの一環としてピアノの生演奏を行っていたところ、著作権法違反とみなされて刑事告訴されてしまったというケースです。実は音楽CDなどの音源だけでなく、楽器での生演奏やカラオケ、ライブなどにも著作権使用料を支払う必要があるのです。生演奏を行うスナックやバーは多くありますが、このスナックでは支払いを怠ったために法的措置へと発展してしまいました。

インターネットでダウンロードした音楽を流すケース

3件目は、音楽CDやインターネットでダウンロードした音源をBGMとして流していた全国の喫茶店や美容室など250施設以上がJASRACに民事調停を申し立てられたというケースです。CDだけでなく、インターネットでダウンロードした音楽も著作権があることに変わりはなく、著作権のある音楽をBGMとして使用するには著作権管理事業者への申請と使用料の支払いが必要なのです。JASRACは著作権侵害への取り締まりを強化しているともいわれており、無断使用に警鐘を鳴らすためにも多くの施設が罰則の対象となった事例です。

そもそも著作権侵害とは

そもそも著作権侵害とはどのような行為を指すのでしょうか。著作権法では、以下の4つの要件を満たすと著作権侵害が成立するとされています。

著作物である

著作物とは、思想又は感情を創作的に表現した著作権の保護対象となるものであり、映画や漫画、小説、美術、コンピュータープログラム、もちろん音楽も該当します。

著作権が存在している

著作物であっても著作権が存在しないものもあり、憲法や法律をはじめ裁判の判決などには著作権がないとされています。また、著作権には存続期間が定められており、その期間を経過すれば著作権は消滅します。音楽の場合、作曲家や作詞家などその音楽を作った人が亡くなってから70年が経過すると著作権は消滅するとされているため、ベートーヴェンやモーツァルトのクラシック音楽をBGMとして店舗で流しても著作権侵害には当たりません。

著作権の効力がおよぶ範囲で利用されている

著作権は保護されるべき大切な権利ではありますが、表現の自由などほかの権利と衝突した場合は、著作権の効力が制限される場合があります。また著作物の利用促進などへの配慮からも著作権の効力は制限され、音楽を個人で楽しむための私的複製や、営利目的ではない演奏などは著作権侵害には当たらないとされています。

著作物利用について正当な権原を有していない

著作権者は著作物を利用したい人に利用許諾を与えられ、利用者はその範囲内で著作物を利用できると定められています。つまり、著作権のある音楽をBGMとして使用したい場合は、利用許諾を申請すれば著作権侵害にならずに利用できるというわけです。逆に、利用許諾を受けずに勝手に使用してしまうと著作権侵害に該当します。

著作権侵害とみなされた場合の罰則

では、もし著作権を侵害してしまった場合はどうなるのでしょうか。たとえ知らなかったとしても著作権侵害とみなされてしまうと、次のような罰則の対象となる場合があります。

損害賠償を請求される

著作権を侵害してしまうと、著作物を無断で使用したことに対する損害賠償を請求されます。著作権侵害によってどの程度の損害が発生したのかを算定するのは難しいものですが、著作権法では次の3つの根拠で賠償額が算定されています。

・侵害者が譲渡等した複製物の数量×著作権者が得られたはずの単位数量あたりの利益の額
・侵害者が侵害行為によって得られた利益の額
・著作権者が得られるはずだった利益の額

名誉回復等の措置を請求される

損害賠償のほかにも、名誉回復等の措置を請求される場合があります。著作権の侵害により、世間が侵害者を著作者であるかのように誤解したり、まるで本来の著作者が侵害者であるかのように誤解してしまったりと著作者の名誉は大きく傷つけられることになります。

そうした場合に、侵害者は著作者から名誉もしくは声望を回復するために適当な措置を請求されます。この名誉回復等の措置請求は損害賠償請求とは別に行われ、具体的には謝罪広告の掲載などが求められます。

刑事責任を問われる

損害賠償や名誉回復措置の請求は民事上の責任ですが、これとは別にさらに刑事責任を問われることもあります。著作権侵害には、10年以下の懲役か1,000万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。また、法人の代表者が著作権を侵害した場合は、法人にも3億円以下の罰金が科されるおそれがあります。

BGMとして楽曲を無断で使用してもよいケース

BGMとして楽曲を使用する場合、利用許諾を受けずに無断で使用できるケースは存在するのでしょうか。さきほどにも少し触れましたが、個人で楽しむための私的利用には著作権の効力が及ばないため、自宅で勉強や仕事、食事をする際のBGMとして音楽を利用する分にはまったく問題はありません。また、営利目的でない利用も著作権侵害には当たらないため、料金の発生しない発表会や演奏会では無断で楽曲を使用できます。

しかし、カフェや美容院などの店舗でBGMとして利用することは営利目的であるため、適切な申請をしなければ著作権侵害とみなされてしまいます。こうした営利目的の店舗でBGMとして利用する場合に、著作権管理事業者への申請をすることなく楽曲を使用できる方法として、次の2つを紹介します。

著作権フリーの音源を使う

まずは、著作権フリーの音楽素材をダウンロードして利用する方法です。インターネット上には、個人や企業のクリエイターが制作した音楽素材を無料で公開しているサイトがいくつもあり、中には著作権フリーとして商用利用が可能な楽曲も多くあります。こうしたサイトから店舗や施設でBGMとして流したい音源をダウンロードして利用できます。

しかし、ひとくちに「フリー音楽素材」といっても、料金が無料であることを意味しているだけで商用利用はできない、サイト全体だけでなくクリエイターごとに利用条件が異なるなど、サイトによって利用条件はさまざまです。利用前に商用利用の可否や加工の可否などについて細かく確認しておきましょう。フリー音楽素材のサイトやアプリ上にある楽曲も完全に著作権を放棄しているわけではないので、二次利用や販売を行うと著作権侵害に該当するおそれがあります。細心の注意を払い、適切な利用を心がけましょう。

商用の音楽配信サイトやアプリを使う

もうひとつ、商用の音楽配信サイトを使うという方法があります。音楽配信サービスといえば、有名なものにApple MusicやAmazon Prime Musicなどがありますが、これらは個人用で、利用範囲を個人で楽しむ私的使用に限る旨が利用規約にも定められているため、店舗や施設のBGMとして利用することはできません。

一方、店舗などでBGMとして利用することを目的に作られた商用の音楽配信サイトやアプリというものも存在するのです。商用の音楽配信サービスでは、すでに著作権管理事業者から利用許諾を受けた音楽を扱っており、利用者が自分で申請をしなくてもBGMとして流せます。商用音楽配信サービスの利用料には、JASRACなどの著作権管理事業者に支払うはずだった著作権使用料が含まれているため、別途費用を支払う必要もありません。商用音楽配信サービスを利用すれば、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末1台で手軽に店舗のBGMを流せます。

また、豊富なラインナップから、店舗や施設の雰囲気づくりにより効果的なBGMを選べるのもメリットのひとつだといえるでしょう。何よりも「知らなかった」では済まされない著作権侵害を防ぐためのツールとして、非常に安心感があるのではないでしょうか。月額使用料は発生しますが、店舗にとって欠かせないBGMの質を上げられること、著作権の知識に乏しいスタッフが知らずに著作権を侵害してしまうリスクを防げることを考慮すれば、決して高い出費ではないといえるでしょう。

まとめ

カフェをはじめ、ファッション店や美容院などさまざまな店舗において、おしゃれなBGMはそのままお店の世界観につながる大切な役割を担います。より魅力的なBGMを求めているうちに、ダウンロードした音源を許可なく流してしまうなどの著作権侵害に発展するケースが後を絶ちません。その多くが、著作権法について把握していないまま、知らず知らずのうちに法律違反を犯してしまっているのです。「知らなかった」では済まされず、実際多くの店舗や施設が法的措置を取られています。まずはスタッフ全員で著作権について勉強し、適切なBGM利用について理解する必要があるでしょう。著作権侵害を防ぐためには、すでに著作権処理が済んでいる商用音楽配信サービスを利用するのもおすすめです。

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