オフィスBGMの流し方に決まりはある?シーンに合わせた使い方を学ぼう!

公開日:2022/06/01   最終更新日:2022/07/12

シーンに合わせた

オフィスBGMを流す際、BGMが人に与える影響が大きいことを理解する必要があります。聞く人の気分や状態で、BGMの効果がよくも悪くも作用してしまうからです。BGMの効果をきちんと発揮するためにも、目的・時間・場所によってBGMを使い分けましょう。どんなときにどのようなBGMが適しているかを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

オフィスにBGMを導入する意味

オフィスにBGMを導入するメリットや目的は、さまざまです。従業員に影響を与えるだけでなく、来客に対しても影響を与えることも可能です。実際に、オフィスにBGMを導入している企業で行われた「BGMに対するアンケート」では、多くの従業員から好評だという結果がでています。なぜ好評であるのかという理由と、オフィスにBGMを導入する意味をご紹介します。

タイムマネジメントに役立つ

オフィスにBGMを流すことで、タイムマネジメントの向上が期待できます。BGMが、学校のチャイムと似た働きをしてくれると考えるとわかりやすいでしょう。特定の時間で特定の音楽を流すことで、時計やアナウンスなしで時間を伝えることが可能です。

たとえば、昼休憩終わりにBGMを流すことで、休憩が終わったと従業員全員に伝えることができ、休憩時間と仕事のメリハリをつけさせることが期待できます。

また、定時前にBGMを流すことで「定時で帰ろう」という意識が芽生えて、テキパキと業務を片付けることもできるでしょう。このように、BGMはタイムマネジメントとしても役に立ち、結果として業務の効率化を高めることにつながります。

会話しやすい環境をつくる

オフィスでBGMを流すことにより、2つの観点から会話しやすい環境をつくることができます。ひとつは、穏やかなBGMを流すことにより緊張感を緩和させ、従業員同士が気軽に話せる雰囲気になることです。わからないことを質問しやすくなり、会話する回数の増加も期待できます。ふたつは、BGMによってほかの人に会話が聞こえにくくなるということです。

たとえば、図書館のように静まり返った空間では会話するのも億劫に感じます。BGMを流すことで会話しやすい環境となり、コミュニケーションが多いオフィスになるでしょう。

集中力を高めて業務効率を上げる

BGMには、オフィスを穏やかな空間にするだけでなく、集中しやすい空間にすることも可能です。なぜなら、パソコンの操作音・書類をめくる音・電話の話し声といった、集中力をそらしやすいノイズが耳に入らなくなる効果が期待できるからです。

これは「マスキング効果」と呼ばれており、同じ周波数の音が相殺しあうことで、ノイズが聞こえにくくなるという現象です。不要なノイズが耳に入りにくくなることで、集中して業務に取り組むことができるでしょう。また、アップテンポの曲は単純作業の効率を上げるともいわれています。

企業イメージの向上

音楽は、人にさまざまな感情を抱かせることができるといわれています。たとえば、オフィスで穏やかなクラシック音楽を流しておくことで、上品で上質な空間を演出することが可能です。

このように、BGMは従業員だけでなく来客者にもよい影響を与えられるといえるでしょう。また、商談があった場合、BGMによって緊張がやわらぎ、なごやかな雰囲気で進められることが期待できます。

オフィスBGMの目的別の使い分け方

オフィスでBGMを流す際は、目的によって使い分けることがおすすめです。目的別にどのようなBGMが適しているかを紹介します。

集中力を高めたいとき

自然と聞き流せるような、クラシックやジャズがおすすめです。クラシックやジャズは万人受けする音楽でもあるため、BGMとして導入しやすいともいえます。もしくは、ふたつ以上の音があわさる協和音の音楽もよいでしょう。

理由として、多少の雑音がある状況下と無音の状況下では、前者の方が集中できるとされているからです。先に述べたように、BGMによって集中を反らすキーボードの音・時計の音・話し声といったノイズが聞こえにくくなります。したがって、自身の業務に集中しやすくなるようです。

また、協和音であるモーツァルトの音楽を聞きながら行った「脳の認識機能テスト」においても、無音状態よりも高い成績が見受けられた結果があります。集中して仕事をこなしたい場合は、協和音であるクラシックやジャズを導入するとよいでしょう。

リラックスしたいとき

穏やかなクラッシックには「1/fゆらぎ」という、川や風などの自然音や小鳥のさえずりと同じリズムが含まれています。「1/fゆらぎ」には人をリラックスさせる効果があるため、張り詰めたオフィスの雰囲気を和ませるのにおすすめです。

また、チルアウトという音楽にもリラックス効果が期待できます。スローテンポで落ち着いた曲調であり、ボーカルのないインストルメンタル(楽器だけの曲)も多いです。チルアウトはリラックスする目的に生み出された音楽であるため、ゆったりとしたいときに最適であるといえます。

テンションを上げたいとき

テンションを上げたいときや、スピーディーに作業を進めたいときは、アップテンポのBGMがおすすめです。気持ちが明るくなり、曲の軽快なリズムに合わせるように、テンポよく作業が進むことが期待できます。アップテンポと聞くと、ロックやポップスのイメージが強い傾向にありますが、ダンス・ミュージックが人気です。

ボーカルが入っていない曲や明るい曲が多いため、曲に意識が集中してしまうことも防げます。とはいえ、ダンス・ミュージックのなかにも、ディスコ・ハウス・テクノなどさまざまな種類があるため、一度聞いてみるとよいでしょう。

オフィスBGMの時間帯ごとの使い分け方

重要なのは、時間帯ごとの気分とテンションを考え、どんな音楽を流せばよいか考えることです。眠気が強い時間帯や、疲れを感じやすい時間帯など、自身の経験やまわりの意見を参考にBGMを選曲するとよいでしょう。はじめてオフィスにBGMを導入する場合でも、比較的選曲しやすいといえます。

「眠気が残っていてエンジンがかかりにくい」朝の時間帯

朝は眠気が残っていることや、通勤によって体と心が疲れていることも少なくありません。始業時間になっても、スムーズに業務に取り組めないということも。このような状況下では、爽やかな気分にさせる音楽BGMに選曲することをおすすめします。注意すべきは、穏やかな曲調では眠気を誘ってしまい、アップテンポすぎる曲調では疲れた体と心に刺激的すぎるということです。

朝からやる気を出してほしいという目的でアップテンポの曲調を選ぶ理由はわかりますが、実際は苛立ちを感じる人も多いそう。難しい朝のBGM選びで人気なのが、ジャズやボサノバです。

ジャズは、一般的な音楽が刻むビートの半分である4ビートで曲が流れていくため、早い曲調でもゆっくりと聞こえる特徴があります。ボサノバは、ジャズのようなさまざまなジャンルの音楽要素を取り入れながらも、陽気すぎない優しい和音が特徴です。

「集中力をあげて業務を片付けたい」昼明けの時間帯

昼食を食べたあとは、眠気の波におそわれやすいものです。朝と異なるのは、脳が目覚めて自律神経が回復しているということ。そのため、アップテンポの曲調で眠気を飛ばし、集中しやすい環境をつくるとよいでしょう。

ただし、つい口ずさんでしまいそうになるポップスなどは避けることをおすすめします。聞き馴染みのある曲は、ボーカルがない場合や曲調を変えていた場合でも、意識がBGMに向いてしまう可能性が高いからです。

「集中力がきれやすい」夕方の時間帯

夕方は業務のラストスパートでもあり、集中力がきれやすくなる時間帯です。昼と同じようなアップテンポの曲調で集中力をあげるのもよいですが、少し落ち着いた曲調をおすすめします。疲れによって集中力が維持しにくく、アップテンポすぎる曲調ではBGMに意識がそれてしまいやすくなるようです。

リズム感はありつつナチュラルなBGMを選曲することで、明るい気分で業務を進められるでしょう。明るい曲調のクラシックなどがよいでしょう。

オフィスBGMを流す場所ごとの使い分け方

オフィスBGMの効果は従業員だけでなく、来客にも作用します。場所によって適切なBGMを流すことで、企業の印象をよくすることも可能です。紹介してきたBGMと同様に、歌詞がない曲を選ぶことや、適切な音量に設定するように注意しましょう。

来客が多い受付やラウンジ

受付やラウンジは無音であることが多いです。しかし、受付やラウンジは来客がはじめて目にする場所であり、企業の第一印象を左右する場所であるといっても過言ではありません。落ち着いた曲調のBGMを流すことで、上品・上質な企業だという印象を与えることができます。

一方でアップテンポの曲調であれば、急かされているような気持ちにさせてしまう恐れも。できる限りゆったりとしたBGMを選ぶようにしましょう。

また、上述したとおり、受付やラウンジは無音であることが一般的です。従って、通常のBGMよりもやや抑えた音量に設定することをおすすめします。

来客や従業員が使用する会議室

無音の会議室では、静かすぎることで発言が億劫になることも多いようです。小さくBGMを流すことで、発言しやすい場をつくることが可能になります。

また、社外秘を含めた重要な会話を行う場合は、外部に話し声が聞こえなくなる効果も期待できるでしょう。会議に使用するBGMは曲調のあるものではなく、川のせせらぎなどをはじめとする自然音がおすすめです。

また、真剣な会議の場にはBGMは必要ないという考えをもつ人も、一定数いるということも忘れないようにしましょう。BGMの目的を説明して賛同を得るか、相談してから導入するとトラブルや認識の違いを避けることができるといえます。

 

目的・時間・場所ごとに適したBGMを紹介しました。音楽にもさまざまな種類があり、聞く人の気分やテンションもそのときによって異なります。適切なBGMを効果的なタイミングで流すことが重要だといえるでしょう。とはいえ、ひとりでBGM選曲をすると、意見が偏ってしまう恐れがあります。BGMを選曲する際は、ほかの人の意見を参考にすることや、定期的な見直しを行うことがおすすめです。BGMを使い分けて、過ごしやすいオフィスをつくってください。

 

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