オフィスBGMの導入方法ごとのメリット・デメリットとは?

公開日:2022/04/01   最終更新日:2022/04/21

企業によっては社内でBGMを流しているところも少なくありません。しかし、実際に音楽を流すことはメリットがあるのか疑問に思われている方も多いでしょう。また、逆にデメリットにつながるかもしれないと導入を躊躇している場合もあるかもしれません。そこで、本記事では職場で音楽を流すメリットやデメリットについて紹介していきます。

オフィスにBGMを流すことで得られる利点

そもそもBGMというのはbackgroundmusicの略称であり、日本語に直訳するなら「背景音楽」です。メインの音楽ではないものの、背景で自然に流れている音をイメージするとわかりやすいかもしれません。

なんとなく耳に残る音楽や意識はしていないものの、自然に耳に入ってくる音楽が背景音楽なのです。作業スペースで音楽を流すことはでさまざまな利点があります。

仕事の効率化につながる

職場で音楽を流すことは仕事の効率化につながることが期待されています。実際、すでに導入している企業の中では仕事の効率があがったという声がたくさんでています。

リラクゼーション効果

BGMによってリラクゼーション効果を期待できるでしょう。もちろん、流す音楽によって効果に差があるかもしれません。しかし、音楽を流すことで心理的ストレスを軽減させるという研究データがあり、リラクゼーション効果が証明されているのです。

とくにデスクワークが多い職種では、単調な作業になりやすく、気づかない間にストレスを抱えていることも少なくないでしょう。そのため、社内で音楽を流す企業が増えつつあります。

マスキング効果

マスキング効果というのは雑音を消す効果のことをいいます。作業スペースではキーボードの音やマウスのクリック音、話し声や電話の音など、さまざまな音があります。ただ、人によっては他の音が気になり、作業に集中できないということも少なくありません。また、雑音がストレスにつながる場合もあり、できるだけ早い段階で改善したほうがよいでしょう。

そこで、おすすめなのがBGMです。背景で音楽が流れることによって、マスキング効果によって雑音を消すことができます。たとえば、レストランやカフェなどの飲食店では必ずといっていいほど、音楽が流れていますよね。それは、食器の音や他のお客さんの会話などを消すために流しているのです。オフィスでも同様に音楽を流せば、雑音に感じている音を消すことができ、作業効率を高めることができるでしょう。

実際にオフィスBGMを導入した企業の事例

BGMにはさまざまな効果がありますが、実際に導入している企業の事例を紹介していきます。

アマゾンジャパン合同会社

アマゾンジャパンではオフィス内の騒音によって仕事に集中できないという声がたくさん上がっていました。そこで、BGMを導入したところ、今までストレスのもとになっていた騒音がかき消され仕事に集中できるようになったという事例があります。

三菱重工業株式会社

三菱重工業では事業所の移転の際にBGMを採用しました。まだ試行錯誤の段階だったということもあり、カフェテリアスペースのみで開始したところ、導入前よりも社員間でのコミュニケーションが増えたという効果がありました。

無音の場合は他社員の会話が気になり、コミュニケーションを取るのが難しいでしょう。しかし、BGMを流したところ、他社員を気にすることなく会話できるので、社員同士の会話が増えたのです。

日本ハムビジネスエキスパート株式会社

日本ハムビジネスエキスパートではマスキング効果とリラクゼーション効果を目指してBGMの導入に至りました。とくにデスクワークが多い部署ではキーボードの音や電話応対の音、コピー機の音など、さまざまな音が作業効率を悪化させる原因となっていました。

そこで、社内で音楽を流したところ、キーボードの音などの騒音がかき消され、社員の仕事効率が高まったという事例があります。さらに、休憩室やカフェスペースでは、BGMによって社員同士の会話の機会が増えたという事例もあります。

オフィスBGMの導入方法ごとのメリット・デメリット

オフィスBGMにはメリットはもちろん、デメリットがあるのも事実です。しっかりと利点やネガティブな点を理解した上で導入を検討しましょう。

オフィスBGMの導入メリットは?

職場内で音楽を流すことで社員同士のコミュニケーションが取りやすくなります。無音の空間だと、会話をするのにも少しハードルを感じてしまうでしょう。

たとえば、図書館をイメージしてください。図書館は読書を楽しむ場所なので基本的には静かにしておかなければなりません。しかし、音が一切ないので無意識に会話が小声になってしまいますよね。

まったくの無音の場合は会話にハードルを感じてしまうのです。ただ、音楽を流せば、無音状態ではなくなるので会話しやすくなり、社員同士のコミュニケーションの機会が増えるでしょう。

そのほか、マスキング効果で仕事に集中できるというメリットがあります。実際、キーボードの音やマウスのクリックの音、さらに電話応対の声など、無意識にストレスに感じていることも少なくありません。また、音が気になって自分の仕事に集中できないという人も多いでしょう。

そこで、社内で音楽を流すことでキーボードの音やマウスのクリック音をかき消すことができ、仕事に集中できるのです。そのほか、リラックス効果も期待できるので、カフェスペースや休憩室などではリラクゼーション効果の高い音楽を選ぶことがポイントです。

オフィスBGMの導入デメリットは?

一方、仕事スペースで音楽を流すデメリットとして挙げられるのが選曲です。会社にはさまざまな人が在籍しているので、年齢はもちろん、趣味や好みの曲などもさまざまでしょう。したがって、曲選びに不満が出る可能性があります。

たとえば、ゆったりとしたテンポの曲を流した場合、一部からは「もっとテンポの速い曲がよい」「ゆったりしすぎていて眠くなりそう」などの声が上がることも珍しくありません。その一方でテンポが速い曲が苦手な人もいるでしょう。そのため、選曲が難しいというのがデメリットといえます。

そのほか、TPOに合わせた曲を選ばなければ会社のイメージダウンにつながる可能性があります。たとえば、会議室や資料室、カフェや休憩室、そして受付など、その場に合った曲選びが必要になります。カフェスペースや休憩室ではテンポのよい曲を流すことはできますが、会議室や資料室で同じ音楽を流していると、あまりイメージがよいとはいえませんよね。

また、受付は自社の社員だけでなく取引先など外部の人が利用する空間でもあるので、曲選びを慎重に行わなければなりません。とくに受付ロビーは会社の第一印象となるので、しっかりと曲選びを行わなければ企業のイメージダウンにつながりかねません。

ただ、どのような曲を選べばよいかわからないという方も多いでしょう。その場合はBGMコンシェルジュや専門の選曲スタッフに相談することをおすすめします。また、カフェスペースや休憩室などは社員からアンケートを取ってみるのもよいかもしれません。

オフィスBGMの導入前に知っておくべき注意点

職場で音楽を流す際はいくつかの注意点に気を付けなければなりません。

著作権に注意

社員や来客者など不特定多数の人がいる場所で音楽を流す際は著作権に注意しなければなりません。たとえば、著作権の関係で社員がもってきたCDDVDを流せない場合もあるのです。CDやDVDには著作権があるので、不特定多数の人がいる空間などでは基本的に流してはいけないとなっています。

中には公共の場で流しても問題ないものもあるでしょう。しかし、曲が絞られてしまうので選べる曲が非常に少なくなってしまいます。

音楽配信サービスは利用できない場合がある

昨今、YouTubeSpotifyなどさまざまな音楽配信サービスがありますが、社内では使用できないのがほとんどです。というのも、あくまでも個人利用を目的としたサービスとして展開されているので、企業などの公の場で流すことはできないのです。また、LINEMUSICAppleMUSICについても規約で個人利用と定められているので、職場では使用できません。

専用の配信サービスを利用

オフィスで音楽を流す場合は専用サービスを利用しましょう。最近はオフィスBGM専用の音楽配信サービスがあり、毎月定額で利用できます。もちろん、著作権などの問題も心配いりません。

また、契約プランによっては音楽のプロが選曲したプレイリストがあり、TPOに合わせて音楽を流すことも可能です。プランによって費用に幅があるので、予算や希望に合わせて最適なプランを選びましょう。

音量に注意

音量に注意する必要があります。あくまでも「背景音楽」であり、メインの音楽ではないので、音量が大きすぎると逆効果になってしまいます。音量の目安としては40~50dBです。

4050dBは静かな職場と同程度の音量であり、マスキング効果の発揮を期待できるからです。もちろん、音楽を流す場所によって調整は必要になりますが、目安の4050dBに設定しておくのがおすすめです。

定期的に選曲を変える

選曲を定期的に変えるのもポイントです。毎日、同じ音楽を流し続けるとマンネリ化してしまう可能性があります。もちろん、毎日違う音楽を流すのは現実的ではありません。そのため、月ごとにプレイリストを変えるか、少なくとも23か月のペースで見直したほうがよいでしょう。

 

社内で音楽を流すことで社員の仕事効率を高められるでしょう。音楽を流すことでリラックス効果が期待できるだけでなく、キーボードやマウスのクリックの音など、職場のさまざまな音をかき消してくれる効果もあります。さらに、カフェスペースや休憩室などで音楽を流すことで、社員同士の会話が増えたという事例もあります。ただ、音楽の著作権の問題や選曲など、注意しなければならない点もあります。今回紹介した利点や注意点、さらにポイントを参考にしてください。

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