ストレス軽減に役立つ?コールセンターやコワーキングスペースで活躍するBGMの力とは

公開日:2023/05/15  最終更新日:2023/09/15


音楽を聴くと、楽しい気分になったりリラックスしたりできます。それでは、心理的なストレスが多い職場でBGMを流すと、ストレス軽減に役立つのでしょうか。また、集中して仕事をしたい環境では、BGMを流すとどんな効果があるのでしょうか。今回の記事では、コールセンターやコワーキングスペースで流れるBGMの力について解説します。

コールセンターはストレスが溜まりやすい?

コールセンターに電話した経験がある人は多いことでしょう。実際のコールセンターの職場は、どんな環境なのでしょうか。ここでは、コールセンターの特徴や、コールセンターにBGMを導入するメリットについて説明します。

コールセンターの特徴

まずは、コールセンターとはどんな職場なのか説明しましょう。コールセンターの仕事では、スタッフたちはパソコンに向かって座り、ヘッドセットを着けて顧客と電話で応対します。

コールセンターで電話業務を担当する職種は、オペレーターと呼ばれています。オペレーターは、製品やサービスに関する質問を受け付けたり、電話注文や契約を受け付けたりしています。また、顧客からの意見やクレームを受ける機会も多々あります。さまざまな問い合わせに、丁寧に対応するスキルが求められる仕事です。顧客からの電話を受ける仕事はインバウンドと呼ばれています。

一方で、コールセンターの方から顧客に電話をかける仕事もあります。このような架電業務はアウトバウンドと呼ばれます。アウトバウンドは、商品やサービスの宣伝をする営業活動として電話をかけます。アウトバウンドは、売上目標の達成を目指して、商品やサービスを顧客に売り込むことになります。オペレーターは一般的に、派遣社員が多い傾向があります。

コールセンターの仕事はストレスが溜まりやすい原因

コールセンターで働くオペレーターは、さまざまな顧客と電話で応対します。相手の顔を見えない状態で、相手の要望や疑問を聞き出して対応しなければならないので、高度な対人スキルが求められます。オペレーターとして働く中で、ときには顧客からのクレームに対応する場面もあるものです。理不尽なことを言われて精神的に消耗してしまう人もいます。また、問い合わせを受ける内容が多岐に渡るため、取り扱う商品やサービスについて細かく理解しておく必要があります。

さらに、丁寧な言葉遣いで電話しながら、キーボードを操作して入力作業する場合も多いものです。オペレーターは、常に神経を遣う仕事といえます。このような要因から、コールセンターの仕事はストレスが溜まりやすいといわれているのです。電話が頻繁にかかってくるので忙しく、疲れがたまって仕事を辞めてしまう場合も少なくありません。同僚や上司も忙しく、業務中に困ったことがあってもサポートを受けられない場合もあります。

また、アウトバウンドの場合は、ノルマ達成のプレッシャーを感じる場合もあります。数字を追わなければいけないので、毎日緊張している状態となります。ただし、コールセンターで働いている人の全員が、強いストレスを感じているわけではありません。顧客の困りごとを解決できる場面も多く、やりがいのある仕事です。

また、さまざまな顧客と話せることを楽しんでいるスタッフもいるでしょう。ただ、ストレスがかかりやすい職場であるので、なにかしらの対策は必要といえます。ストレスが多すぎると、不安な気持ちやうつ状態になってしまうリスクがあります。オペレーターが感じるストレスを減らす環境づくりが大切です。オペレーターの離職率は高い傾向にあり、職場環境の改善が必要な会社もあります。

オフィスで使用されるBGMの効果

近年では、オフィスで音楽を流すと職場環境が改善されることがわかっています。実際にオフィスにBGMを導入した会社で、環境がよくなったという感想が多く上がっています。職場の雰囲気が明るくなったケースや、業務効率が上がったケースもあります。

また、仕事中の気持ちが癒されたり、スタッフ同士のコミュニケーションが増えたりするケースもあります。仕事の合間に音楽を聴くことで、手の甲の温度が上昇したという実験結果もあります。つまり音楽を聴くことで副交感神経が刺激されて、リラックスできるのです。

スタッフのストレス対策として、オフィスでBGMを流す方法は有効といえます。

コールセンターにBGMを導入した方が良い理由

コールセンターはストレスが溜まりやすいことを説明しました。オペレーターなどのスタッフのメンタルヘルスを守るためには、職場の環境を整備することが大切です。悩みがあれば相談できる体制を整えたり、教育を充実させたりといったサポート体制が欠かせません。

近年では多くの会社でメンタルヘルス対策が重要視されています。コールセンターの職場も例外ではないでしょう。そこで注目されているのが、BGMの導入です。BGMは飲食業や小売店などのサービス業界では、昔から親しまれてきました。そんなBGMが、ストレスが多いといわれるコールセンターでも力を発揮してくれます。コールセンターで働く人にBGMがどのような影響を与えるか、実は研究者たちによって研究されています。

BGMを流している状態で勤務したときと、BGMがない状態で勤務したときの、オペレーターの心理状態を調査したのです。調査の結果、BGMを流していた方が、オペレーターに抑うつや怒りなどのネガティブな気分に対して、よい影響をもたらす可能性があると考えられています。また、多様なBGMを流した方が、生産性が高まる可能性も指摘されています。

近年ではさまざまな業種で、職場環境を改善しようとする動きが活発になっています。コールセンターにおいても、よりスタッフが安心して働けるように工夫することが重要です。コールセンターで働く場合は、人によって向き不向きがあるといえます。しかし、オペレーターは顧客からの問い合わせに対応する非常に大切な仕事です。ストレス軽減のために、BGMを流すことをおすすめします。

コールセンターにおすすめのBGM

コールセンターでは、どんなBGMを流すのがよいのでしょうか。BGMのジャンルは、リラックスできる音楽が最適です。歌詞がなく、楽器のみの音楽がよいでしょう。ピアノ、バイオリン、ギターといったアコースティックな楽器が奏でる音楽なら、スタッフがリラックスできます。ヒーリング音楽やクラシック音楽ならば清潔感も感じられます。オペレーターとして働く人の心を癒してくれる、優しい音楽を選びましょう。

コールセンターでBGMを流すときの注意点

ここでは、実際にコールセンターでBGMを流すときは、どんなことに注意したらよいか説明します。テンポが速いBGMや、気持ちが覚醒するようなBGMは避けた方がよいでしょう。ゆったりとしたテンポの落ち着いた曲は、気持ちを落ち着かせてくれます。

仕事の邪魔にならず、ほどよい癒しをもたらしてくれるはずです。BGMがもつリラックス効果を利用すれば、オペレーターのネガティブな感情が軽減されることがわかっています。オペレーターの定着率向上にも効果があるのではないでしょうか。職場のストレスを改善するためにも、心地よいBGMを流すことをおすすめします。

コワーキングスペースにはBGMを流すべき?

コワーキングスペースは、特にここ数年で注目されています。ここでは、コワーキングスペースの特徴と、BGMを導入するメリットを説明しましょう。

コワーキングスペースの特徴

2020年の新型コロナウイルスの流行以降、出社回数が減ってリモートワークが増えた職場も多いはずです。場所にしばられずに働く時代を実感した人も多いことでしょう。しかし、自宅が仕事に集中できない環境の人もいます。小さい子どもがいたり、ほかの家族が家事や仕事をしていたりすることも多々あります。

また、オンライン会議に出席するための個室がないなど、リモートワークに集中できない人も少なくありません。そんなときにおすすめなのが、コワーキングスペースです。コワーキングスペースは、個人がそれぞれの仕事に集中できるように工夫された空間です。仕切りを設けてブース状になっているため、集中できる環境が用意されています。多くのコワーキングスペースは、スマホやパソコンの充電に利用できる電源や、Wi-Fiや有線LANが整っています。

また、コピー機なども利用できるので、オフィスと同じような設備がそろっていると考えていいでしょう。軽食を注文できるカフェスペースや、少人数で打ち合わせできる会議室があるコワーキングスペースもあります。利用者が月会費を支払って継続利用する場合もあれば、時間制で1時間あたり数百円という手ごろな料金で利用できる場合もあります。

コワーキングスペースの利用者

自宅にいると気がゆるんでしまい、リモートワークに集中できない人もいるでしょう。また、カフェで仕事する方法もありますが、ほかの顧客たちの話し声や、スタッフが調理する音が気になる人もいるはずです。

さらに、同じカフェで仕事を続けることに、抵抗を感じる人もいるかもしれません。長時間の利用は、カフェのスタッフから退店を促される可能性もあります。しかし、コワーキングスペースなら、基本的には勉強や仕事をする人だけが集まるので、静かで自分の仕事や勉強に集中できる環境が整っています。カフェと違い、長時間に渡って滞在しても、人目を気にする必要がありません。コワーキングスペースを利用する人は、会社員やフリーランスなど職業はさまざまです。

ほかにも集中して作業している人がいるので、自分も集中して作業しようという気分になるはずです。ノートパソコンで仕事する人や、資格取得のためにテキストを開いて勉強している人もいます。周囲の様子に刺激を受けるので、効率的に作業を進められるでしょう。利用者が訪れやすいように、コワーキングスペースは駅の近くに多い傾向があります。

コワーキングスペースにBGMを導入した方が良い理由

これまで多くの人が、飲食店や美容室などでBGMを耳にしてきたことでしょう。訪れた空間にBGMが流れていると、おしゃれな印象を受けます。BGMは空間の雰囲気を変える良い方法のひとつです。洗練された特別感を演出できたり、親近感を感じられたり、訪れる人の気持ちを動かす効果があります。それでは、さまざまな人が集まるコワーキングスペースでBGMを流すと、どんなメリットが期待できるでしょうか。

コワーキングスペースは、基本的にそれぞれの作業に集中するための空間です。音楽には集中力を高める効果があるのです。音楽を聴くことで、無意識の中に眠っていた集中力が発揮されます。コワーキングスペースでBGMを流すことで集中力が高まり、効率的に作業を進められるでしょう。いつもよりも短い時間で、より効率的に仕事や勉強がはかどるはずです。

また、仕事で忙しかったり問題が起きたりしたときは、どうしてもストレスが溜まるものです。そんなときにBGMを耳にすると、自分を見つめる時間ができ、穏やかな気持ちになれるものです。このように、コワーキングスペースでBGMを流すのは利用者にとってメリットが大きいといえます。心地よいBGMを聴くことで、少し気持ちに余裕が出たり、集中力が高まったりするでしょう。

音楽がストレスを和らげる

BGMが流れていると、気になって仕事の邪魔になるのではないかと感じる人もいるかもしれません。しかし、コワーキングスペースにふさわしい音楽であれば、心身や脳に良い影響を与えます。実は周囲があまりに静かすぎる環境では、なぜか集中できない人も多いものです。

また、静かすぎると、周囲の目が気になってしまう場合もあります。自分がパソコンを打つ音が部屋のなかで、響いている場合は、緊張してしまうでしょう。反対に、ほかの人がパソコンのキーボードをたたく音や歩き回る音が気になってしまい、仕事に集中できないという人もいます。少し雑音がある方が作業しやすいという場合もあるでしょう。

また、単調な作業を続けていると、飽きてしまうこともあります。そんなときに音楽を耳にすると、気持ちが紛れて効率が上がる場合もあります。BGMを流すと適度な活気を感じられて、緊張感がほぐれるでしょう。

近年では、オフィス専用にセレクトされた音楽もあります。企業の受付、会議室、ラウンジなどのさまざまなシーンでBGMが活用されています。現代社会はストレスが多く、多くの社会人が忙しい生活を送っています。心身や脳に刺激を与えるものが多いので、交感神経優位の生活といえます。しかし、音楽を聴いてリラックスすることで、次に取りかかる仕事への集中力が高まります。結果的に仕事の生産性を上げることにつながるはずです。

コワーキングスペースにおすすめのBGM

それでは、コワーキングスペースでは、どんなBGMを流すのがよいのでしょうか。オフィス向けに選曲された音楽配信サービスも提供されています。オフィス向けなので、集中力向上、リラックス、リフレッシュなどのテーマで選曲されており、働く環境にぴったりでしょう。

音楽の力を借りることで、より快適な空間となり、利用者の満足度が上がると期待できます。洋楽のポップ系の音楽など、カフェで流れているBGMに近い曲を流しているケースもあります。

また、落ち着いたボサノバ系の音楽や、歌がなく楽器のみのジャズ音楽を流しているケースもあります。近年では、コワーキングスペース向けの音楽をダウンロードできるサービスなども登場しています。

コワーキングスペースでBGMを流すときの注意点

実際にコワーキングスペースでBGMを流すときに、気をつけてほしい点を説明しましょう。BGMに歌が入っていると、無意識に歌詞を聞き取ろうとして集中力が下がってしまいます。ですから、BGMには歌詞がない曲を選ぶのがよいでしょう。また、BGMの音量が大きすぎると、利用者は不快に感じてしまいます。

仕事をする場所でのBGMの音量は、40~50デシベル程度がよいとされています。地下鉄の音の半分くらいの音量です。BGMの音量が大きいと、うるさいと感じてストレスになってしまうものです。心地よい音量になっているか利用者目線で確認することをおすすめします。また、同じ曲ばかり流れていると、聴く人が飽きてしまう可能性があります。定期的にプレイリストを見直すと、より効果的でしょう。

まとめ

今回の記事では、コールセンターやコワーキングスペースで活用できるBGMの力について解説しました。音楽は癒しの効果があり、働く人のストレスを軽減する力をもっています。コールセンターのようにストレスが多い職場であっても、BGMが流れていると心が落ち着く時間をもてるでしょう。

また、コワーキングスペースのように静かに仕事や勉強する環境でBGMを流すと、集中力が高まります。より効率的に作業が進み、利用者の満足度も上がる可能性があります。コールセンターやコワーキングスペースで、BGMの導入を検討してはいかがでしょうか。

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