店舗BGMと購買意欲の関係性とは?事例や研究結果をもとに解説!

公開日:2023/12/15  

店舗BGM

店舗BGM(背景音楽)と購買意欲の関係性には、興味深い洞察が存在します。この記事では、実際の事例と最新の研究結果をもとに、BGMが購買行動に与える影響を探ります。心理学やマーケティングの視点から、音楽がお客さんの感情や行動に及ぼす効果について解説します。購買意欲を高めるためにはどのような要素が重要なのか見ていきましょう。

店舗BGMがもたらす心理効果とは?

店舗BGMは、お客さんの心理において複数の効果をもたらすことが研究によって明らかにされています。以下では、マスキング効果、感情誘導効果、イメージ誘導効果に焦点を当ててそれぞれの内容について解説します。

■マスキング効果

まず、BGMは「マスキング効果」を持ちます。これは、店内の騒音や不快な音を遮断し、お客さんのリラックスや集中を促す役割を果たすことです。

BGMによって周囲の雑音や不快な音が掩蓋(マスキング)されるため、快適なショッピング環境を提供することができます。マスキング効果によって、お客さんはストレスを軽減し、心地よい雰囲気の中で買い物や滞在を楽しむことができます。

■感情誘導効果

次に、BGMは「感情誘導効果」を持ちます。音楽は感情に直接的に作用するため、適切に選ばれたBGMはお客さんの感情を喚起し、購買行動に影響を与えることができます。

心地よいメロディやリラックスできる音楽は、お客さんのストレスを軽減し、穏やかな心地よさやリラックス感を引き起こします。

逆に、活気のあるリズムやアップテンポの音楽は、お客さんのエネルギーを高め、購買意欲を刺激する効果があります。感情誘導効果によって、BGMはお客さんの心地よいショッピング体験を促進し、購買意欲を高める役割を果たします。

■イメージ誘導効果

さらに、BGMは「イメージ誘導効果」も持っています。特定の音楽スタイルや曲を使用することで、店舗はお客さんに特定のイメージを連想させることができます。たとえば、高級感のある音楽は、ブランドの高品質さやラグジュアリーなイメージを醸成する効果があります。

また、店舗が特定のテーマコンセプトを持っている場合、それに合ったBGMを選ぶことでお客さんに一貫性のあるイメージを与えられます。イメージ誘導効果によって、BGMはお客さんのブランド認知度を高め、商品やサービスの印象を強化する効果が期待できます。

■音楽コングエンシー効果

音楽コングルエンシーとは、音楽と価格が一致することで、お客さんは商品やサービスをより価値あるものとして認識する傾向があることを指します。具体的には、安価な商品やセール品には軽快な音楽や明るいメロディが組み合わせられることがあります。

一方で、高価格帯の商品にはクラシック音楽や上品なメロディが使われることがあります。これにより、価格と音楽の一致が、商品の品質や価値を強調し、お得感や割引の効果をお客さんに伝えることができます。

以上のように、店舗BGMはマスキング効果により快適な環境を提供し、感情誘導効果によってお客さんの感情や購買意欲を誘発し、イメージ誘導効果や音楽コングエンシー効果によってブランドや商品のイメージを形成します。

また店舗はこれらの効果を活用して、お客さんの心理に寄り添ったBGMを選定し、購買意欲の向上やお客さん満足度の向上につなげることが重要です。

「偶数次倍音」が多い音楽は好意・安心感を与える

最近の研究によると、音楽に含まれる「偶数次倍音」が、聴衆に対して好意や安心感を与える効果があることが示されています。偶数次倍音とは、音楽の周波数スペクトルにおいて、基本周波数の整数倍の周波数成分を指します。

具体的には、基本周波数が100 Hzの場合、偶数次倍音には200 Hz、400 Hz、600 Hzなどが含まれます。偶数次倍音は音の豊かさや響きを増強させ、音楽に温かさや豊かさをもたらすとされています。

偶数次倍音が多く含まれる音楽は、一般的に豊かで心地よい音響特性を持つとされています。これは、偶数次倍音が音楽に温かさや豊かさをもたらすことに起因しています。

例えば、ギターやピアノの音色は、偶数次倍音が豊富に含まれるため、響きが広がり感情的な共感を引き起こすことがあります。

西井(2016)の研究では、偶数次倍音が多く含まれる音楽が聴衆の感情に与える影響を評価しました。その結果、偶数次倍音が多い音楽は、聴衆に対して穏やかな心地よさやリラックス感を与え、好意や安心感を引き起こすことが明らかになりました。

この効果は、音楽が人々の感情や情緒に直接的に作用するため、購買意欲やお客さん満足度の向上にも寄与する可能性があります。

こうした研究結果は、店舗BGMの選曲においても重要な示唆を与えています。お客さんの好意や安心感を高めるためには、偶数次倍音が豊富に含まれる音楽を選択することが有益です。

とくに、リラックスや心地よさが求められる環境や商品においては、この効果が顕著に現れることが期待されます。

店舗BGMは購買意欲を高める?呼び込み君の事例

呼び込み君」と呼ばれる小型機器から流れる音楽は、スーパーマーケットやドン・キホーテなどの店舗で広く使用されています。「ポポポポポー…」という音楽、おそらく多くの方は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

呼び込み君は先ほど解説した、音楽コングルエンシー効果の代表的な事例です。

呼び込み困苦の音源を分析した音楽配信業界の最大手USEN-NEXT GROUP株式会社 USEN社長室 「USEN SOUND Lab.」の北澤伸二所長によれば、呼び込み君には商品をお得に感じさせる効果があると言います。

呼び込み君の音源は構成音が少なく、MIDI音源に近いため、これがチープな印象やお得感に繋がっているとのことです。

MIDI音源は電子楽器に用いられる電子音のことで、昔のカラオケやゲーム音楽に用いられており、どこか古めかしいレトロな音楽がチープな印象に結びついてると分析しています。

冒頭でも少し触れましたが、このような効果はスーパーマーケットなどの小売業界でとくに活用されています。例えば、週末のセールや特別価格のアイテムを宣伝する際に、明るく軽快な音楽が使用されることがあります。

また、お買い得商品の棚やディスプレイの近くには、お得感を演出する音楽が流されることがあります。これらの音楽は、お客さんの興味や関心を引き付け、購買意欲を高める効果が期待されます。

ただし、音楽と価格の相互作用には個人差や文化的な要素が存在するため、一概に効果があるとは言えません。

お客さんの好みや価値観によって反応が異なる場合があります。そのため、店舗はターゲットお客さんを考慮し、マーケティングリサーチやお客さんのフィードバックを活用して最適な音楽を選び出す必要があります。

まとめ

店舗BGMはお客さんの心理に与える効果が注目されています。特に、「偶数次倍音」が多い音楽は好意や安心感を引き起こすことが研究で示されています。また、店舗BGMは購買意欲を高める役割も果たしており、呼び込み君の事例からその効果が示唆されています。適切なBGMの選択や音楽コングルエンシーの考慮により、店舗はお客さんの心理に寄り添い、売上向上やお客さん満足度の向上を図ることができます。店舗BGMは心理効果を利用した有力なツールであり、お客さんの感情や購買意欲を積極的に誘発することができるのです。店舗はお客さんの好みや目的に合わせてBGMを選定し、お客さんの心理に寄り添ったショッピング体験を提供することが重要です。

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