場合によっては騒音に?オフィスBGMを導入する際は音量調節に気を使おう!

公開日:2022/08/01  


近年では、時代の変化に伴い、就労環境を充実させようとする企業が増えています。職場を充実化させるのにはさまざまな方法がありますが、音楽を流すのも選択肢の一つです。ただし、うまく活用できていないと騒音になる可能性があります。そこで本記事では、職場に音楽を流す際の注意点やコツについて紹介します。

オフィスBGMで社内コミュニケーションを円滑に!

従来、職場は仕事ができればよいと考えられている傾向にありました。そのため、職場と聞くと簡素なデザインで、狭いスペースにデスクがきっちりと並べられている様子をイメージする方も多いのではないでしょうか。しかし、時代の変化に伴い、職場環境への価値観が変わりつつあります。働く環境を充実化させることによって、社員のモチベーションをアップさせたり、生産性を向上させたりする効果があると考えられるようになっているのです。たとえば、最近はでデザイン性の高い設計にしたり、休憩室を設置したりする企業が増えています。

また、フリーデスク制度を採用している企業も珍しくありません。フリーデスクとは、社員一人ひとりの固定のデスクを設けず、好きな場所で作業ができるスタイルの職場です。フリーデスクを採用すると、一人で作業に集中したいとき、社員同士で相談しながら企画を考案したいときといったように仕事場を使い分けられます。従来の定番スタイルにとらわれず、職場環境の充実化によっていかに従業員のモチベーションを上がられるかにこだわっている企業が増えているといえるでしょう。

また、音楽を流すのも環境改善の選択肢の一つです。従来、職場は静かである方が作業に集中できると考えられていました。しかし、あまりに静かすぎる職場は、かえって集中力を低下させてしまう可能性があるのです。たとえば、エレベーターの中や緊張感のある会議では、空気が静まりかえって少しの物音でも気になってしまうものです。

また、静かすぎる空間は会話しづらく感じてしまうでしょう。静かすぎると、他人に会話が聞かれているのではないか、迷惑になっているのではないかと感じてしまうからです。職場でも同様に、静かすぎる空間は物音に対して繊細になってしまう上に、コミュニケーションが取りにくい空間になってしまいます。そこで、あえて音楽を流すことで、社員同士のコミュニケーションが活発になり、作業効率の向上につながるのです。また、社員同士のコミュニケーションが活発な職場は、職場内全体のイメージが明るくなる効果もあります。

オフィスBGMは音量によってはただの騒音に!

音楽を流すことは、さまざまなメリットがあります。ただし、やみくもに音楽を流すと集中力を低下させてしまう可能性があるのです。そこで、まずは音量について注意するようにしましょう。一般的に、職場に流す曲は聞き入ることがないものを選定する必要があります。たとえば、誰もが知っているJポップやヒットソングは、その気がなくてもついつい聞き入ってしまうものです。そこで、職場には歌詞のないインストゥルメンタルやジャズ、ボサノバなど、心地よさがあって聞き流せる曲が最適だといわれています。ただし、どんなに選曲にこだわっても、音量を間違えると騒音に感じられてしまうのです。

そこで、音楽を流す際はマスキング効果を充分に発揮できるかどうかを考慮しておくようにしましょう。マスキング効果とは騒音に対して周波数の近い音楽を流すことで、騒音を感じ取りにくくする現象のことです。職場で考えると、キーボードを打つ音やコピー機が稼働する音、電話の音などが騒音に感じられがちです。そこで、職場の騒音に対し、近い周波数の音量で曲を流すことで集中しやすい空間づくりができます。騒音をかき消そうとして大きすぎる音量に設定してしまうと、騒音に曲の音量がプラスされてしまうだけとなります。そのため、かえってうるさく感じられてしまうのです。

一般的に職場に流す音楽の音量は、40~50デシベルが推奨されています。40~50デシベルは静かなオフィスと同程度の音量となっているため、充分にマスキング効果を発揮できるでしょう。ただし、オフィスの大きさや人数、設置されている機器によっても環境音の大きさは変わります。

そこで、まずは入念に音量を調整するようにしましょう。また、ほとんどの音楽には著作権が存在しています。著作権のある音楽を流す場合、基本的に許諾申請をする必要があります。ただし、利用方法によっては申請が不要な場合もあるのです。たとえば企業の場合、従業員が主に利用するのか、来客が多い場所で利用するのかによっても申請の要不要が変わります。

また、著作権侵害になってしまうと、法人の場合は3億円以下の罰金を支払わなければなりません。せっかく生産性を向上させようと導入した仕組みが、後悔につながることにならないよう、充分にルールを理解して導入するようにしましょう。したがって、音楽を流す際は音量調整や著作権などのポイントを理解して採用するのが大切です。

オフィスBGMは曲ごとに音量をしっかり調節しよう

音楽を流す際、音量調整は入念に実施することがポイントです。また、ジャンルによっても音量を調整するのがおすすめ。たとえば、脳を刺激して集中力を高める効果のあるクラシックは知っている曲が流れがちです。歌詞がなくても知っている曲調の音楽が流れてしまうと、聞き流すことができなくなってしまうでしょう。

そこで、クラシックを流す場合は少し小さめの音量に設定しておくのがおすすめです。また職場といっても、仕事をするスペースだけが存在しているわけではありません。社員食堂や休憩室、トイレなどのスペースは、場所ごとに音量や選曲を変更するとよいでしょう。たとえば、社員食堂では明るい空気づくりをするために、少し大きめの音量でミドルテンポのインストゥルメンタルを流している企業もあります。

一方、休憩室では小さめの音量で、川のせせらぎや波の音、鳥のさえずりなどの自然音を流している企業も珍しくありません。つまり、音楽を通じて与えたい効果や目的に応じて選曲や音量を調整することで、より効果を引き出せるのです。また、仕事場とそのほかの空間で音楽が分かれていると、気分の切り替えにも役立ちます。さらに、時間帯ごとに選曲と音量を設定しているケースもあります。

たとえば就業前の朝の時間帯は、誰もが知っているアップテンポの曲を大きめの音量で流して気分を向上させたり、昼食前に決まった曲を流したりしている企業があるようです。時間ごとに曲と音量を調整することで、タイムマネジメント効果を発揮できます。

タイムマネジメント効果とは時間に対する意識を持ち、時間の使い方を効率化して生産性を高めることです。時計を見て判断することもできますが、曲によって常に時間に対する意識が持てるようになるのです。つまり、どのような音楽を流すかによって適切な音量を調整することで、さらに効果を向上させられるでしょう。

オフィスBGMの効果を最大限に引き出すコツ

せっかく音楽を流すのであれば、効果を最大限に引き出して生産性を向上させたいと考えるものです。選曲や音量にこだわることで、一定の効果が狙えますが、さらに細かなことにこだわることで効果を最大限に引き出せます。

遮音性を上げる

最近では、オープンスタイルの職場が増えつつあります。オープンスペースの職場は、あえて壁を減らして開放感のある設計にしているのが特徴です。

しかし、オープンスタイルの職場で音楽を流す場合、入念に遮音性の対策をする必要があります。たとえば、開放感のある職場であっても、静かな空間で会議をしたいと考えるケースがあるでしょう。その場合、会議室には音楽が聞こえないよう調整する必要があります。しかし、オープンスペースは音を遮るものが少ない分、対策が難しい傾向にあるのです。

そこで、場所ごとに音量を調整できるシステムを導入したり、場所によってはパネルを設置したりするなどの対策があります。つまり、職場に音楽を流すには職場そのもののデザインを考慮し、適切な遮音性対策をすることが大切です。

吸音対策を実施する

職場に音楽を流す際、遮音性に関する対策を実施することに加え、吸音対策も行う必要があります。たとえば、オープンスタイルのオフィスの場合、遮るものが少なすぎて音が反響してしまう可能性があります。音楽を流しても、常に音が反響する空間は不快感が生じてしまうことになるでしょう。

さらに、開放感のある設計では見た目の清潔感や開放感がある分、他人の声が聞こえやすい点がデメリットです。そして、他人の声が聞こえやすい分、BGMの音量も大きくなりがちです。しかし、音量が大きくなりすぎると、マスキング効果を狙っているとはいえ騒音に感じられてしまうケースがあります。そこで、吸音対策が大切になるのです。吸音対策とは、音漏れを防止したり、反響する音を防止したりする対策を実施することを指します。

そのため、他人の会話を適度に遮り、開放的な設計でも小さい音量で充分に効果を発揮できるようになるのです。また、吸音対策をすると音が反響してしまうのも防げます。具体的には、吸音効果のあるガラスのパーテーションやパネルを設置するのが一般的です。とくにガラスのパーテーションであれば、開放感を維持できるためおすすめの素材です。

まとめ

社員が働きやすい環境を実現するために、近年ではさまざまな工夫が考えられています。たとえば、音楽を導入することで、作業効率の向上や社員同士のコミュニケーションが活発になる効果が期待できます。ただし、何を流すかが重要なことはもちろん、音量調整を丁寧に行う必要があるのです。たとえば大きすぎる音量は、さらに騒音が大きくなったように感じられてストレスになってしまう可能性があるからです。また、ジャンルごとに適切な音量は変わります。そこで、求める効果を充分に発揮できるよう、選曲や音量の調整は慎重に行いましょう。また、職場のデザインによっては吸音対策や騒音対策を実施するのがおすすめです。

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