オフィスBGMを導入するメリット・デメリットについて解説!

公開日:2022/04/01  最終更新日:2022/04/21

従来、職場は仕事ができればよいと考えられていましたが、最近ではデザイン性や設計を工夫し、業務効率を向上させる空間にしたいと考える企業が増えています。そして、変わりつつある就労環境では、音楽の導入を検討する企業も増加しています。そこで本記事では、企業が職場に音楽を導入するメリット・デメリットについて解説します。

オフィスBGMを導入するメリット

近年、職場のイメージが変化しつつあります。従来の職場は、仕事をする場所として認識されていることが大半でした。そのため、シンプルなデザインで仕事に必要な最低限のスペースが確保されているのが多かったのではないでしょうか。また、スペースを効率よく使うために、デスクが無駄なく配置されているのも特徴だといえます。

一方、近年では職場のあり方が変化しつつあります。昔は仕事ができるスペースがあれば充分と考えられていいたものが、最近では業務効率を上げるためのスペースとして認識されつつあるのです。そのため、デザインを工夫しておしゃれな空間にしたり、フリーデスクを導入したりする企業が増えています。

フリーデスクとは、社員の固定席を設けず、好きな場所で自由に業務できるスタイルのことです。その日の気分によってどこで仕事をするか選ぶことができ、場合によっては他の社員と一緒に仕事をすることもできるのです。さらに、休憩スペースが確保されていたり、無料でドリンクが飲める仕組みを導入していたりする企業もあります。

つまり、近年では就労環境の快適性やデザイン性にこだわることで、従業員のモチベーションアップと業務効率の向上、雰囲気改善などを重要視する企業が増えているのです。そして、就労環境に対する考え方が変化しつつある流れ伴い、職場に音楽を流したいと検討している企業が増えています。

たとえば、落ち着いた音が流れる空間の中で仕事をすると、普段より集中できるという方も多いのではないでしょうか。反対に、何の音も聞こえない空間では仕事に集中できないことがあるでしょう。つまり、音楽の発揮するメリットを上手く活用することで、作業効率の向上や新しいアイデアの発掘、モチベーション維持、雰囲気づくりなどに役立つのです。

ただし、ただただ音を流せばよいというものではありません。そこで、目的に対する効果を発揮できるよう、まずはメリットやデメリットを理解するようにしましょう。

まず、最大のメリットは、雰囲気がよくなり、従業員のモチベーションアップにつながることです。一般的な企業では、パソコンやコピー機の機械音が流れ、どんよりとした空気の中で従業員が仕事をしているケースも多いのではないでしょうか。

従業員同士が話をしようとしても、活気のない空間では、自由に話ができなくなってしまう可能性があります。一方、音が流れていると、雰囲気が和らいで全体の雰囲気改善になるのです。

また、マスキング効果を発揮することもメリットの一つです。マスキング効果とは、同じ周波数の音同士が流れる空間では、音が相殺されてノイズを感じにくくなるというものです。そのため、キーボードやマウスの操作音、コピー機の音など雑音に感じやすいノイズが感じにくくなるのです。

さらに、従業員同士が話しやすい空間、雑音を感じにくい空間ができれば、従業員が就労環境にストレスを感じることも少なくなるでしょう。

オフィスBGMを導入するデメリット

就労環境を充実させる手段に音楽が挙げられ、導入を考えている企業も多いでしょう。ただし、デメリットも存在します。導入後に従業員の作業効率が下がってしまった、理想とするイメージの空間ではなくなってしまったということにならないよう、デメリットについても確認しておくことが重要です。

たとえば、導入することでかえって集中力低下につながる可能性があるのがデメリットです。なぜなら、音量が合っていないと、かえって雑音に感じてしまうケースがあるからです。

曲を導入するメリットとして雑音を感じにくくなることが挙げられますが、マスキング効果は流している音と周囲の音の周波数がおおむね同じ場合にのみ効果を発揮します。そのため、周囲の音と周波数が大きく異なる場合、雑音が大きくなっただけに感じてしまうのです。

たとえば、カフェで仕事をすると集中できるという方の多いのではないでしょうか。カフェではマスキング効果を充分に発揮できるよう、音量が工夫されていることが多いです。実際に、中程度の音量である70デシベル前後で曲を流した場合と、大きめの音量である85デシベル前後で曲を流した場合では、中程度の音量の場合のみ作業効率が向上したというデータがあります。

また、音量だけでなく、何を流すかによっても作業効率を低下させてしまうことがあります。たとえば、誰もが知っているヒットソングが流れていると、ついつい聞いてしまう方も多いでしょう。一方、歌詞のないボサノバやジャズは流れていても気になることが少ない傾向にあります。つまり、企業が音楽を導入する際は、Jポップやロックなどではなく、ジャズやボサノバを流し、音量に気を付けておくのが大切です。

オフィスに流すBGMはどう選ぶ?

職場に曲を流すことで、どのような効果を求めるのか、流すタイミングや場所なども考慮し、最適な曲を選択するようにしましょう。一般的に企業に適しているのは聞き入ってしまう可能性の少ないものです。

たとえば、ジャズやボサノバ、歌詞がなく楽器だけで演奏されているインストゥルメンタルなどが定番です。その場合、曲に集中してしまうことがなく、音量を調整すればマスキング効果も発揮します。つまり、従業員が仕事をする空間では、聞き流しやすい曲がぴったりだといえるでしょう。

しかし、一概に職場といっても仕事場以外の場所も存在します。そこで、空間ごとに選曲する企業も一定数あります。たとえば、社員食堂ではミドルテンポのインストゥルメンタルやクラシックを流しているケースも珍しくありません。

休憩室ではリラックスできる空間を演出するために、川のせせらぎや森林音を流している企業もあります。仕事をする空間とその他の空間で内容を分けることで、従業員の気分の切り替えにも効果を発揮するでしょう。

一方、ついつい聞き入ってしまいがちなJポップやロックをあえて流している場合もあります。たとえば、ランチの時間帯を知らせる、始業前に全体の雰囲気を明るくするという目的で、誰もが知っている曲を流しているのです。

つまり、どのような効果を発揮したいのかを考慮して選択するのがよいでしょう。また、場所や時間帯によって選曲するのも選択肢の一つです。

オフィスBGMを導入する方法

就労環境を整えるために音楽を導入したいと思っていても、そもそも導入方法が分からない方も多いのではないでしょうか。導入方法にはいくつか選択肢があるため、企業に合う方法を選択するようにしましょう。

また、ほとんどの音楽には著作権が存在しています。著作権のある音楽を流す場合は基本的に許諾申請をする必要があります。ただし、利用方法によっては申請が不要な場合もあります。

たとえば、企業の場合、従業員だけが聞くのか、来客が多い場所で流すのかによって申請の要不要が変わります。万が一、著作権侵害だと判断されてしまうと、法人は3億円以下の罰金という重い刑罰を受けることになってしまいます。

そして、どのような仕組みでシステムを導入するのかによって、著作権対策の方法が異なります。つまり導入するシステムは、著作権対策の方法も考慮した上で採用するシステムを検討するとよいでしょう。

企業を専門に音楽を提供している企業と契約する

企業を専門に音楽を提供している業者と契約すると、プロに最適な音源を選んでもらえます。たとえば、落ち着く雰囲気やマスキング効果を発揮したいなどとオーダーすると、ぴったりの曲を選んでもらえるでしょう。何を流せばいいのか分からない方は、業者に相談してみるのがおすすめです。

また、業者に依頼することは著作権対策に手間がかからないことも大きなメリットです。ただし、業者に依頼すると費用がかかる点はデメリットでしょう。

配信サービスを利用する

配信サービスを利用するのも選択肢の一つです。企業だけに限らず、日常的に音楽を聞く方法として、個人でも利用している方が多いでしょう。大手の音楽会社がサービスを運営しているケースが多く、月額費用を支払うとサービスが利用できます。また、企業向けの曲を中心に配信しているサービスもあります。

ラジオ放送を流す

企業の中にはラジオ放送を流す企業もあります。どのようなチャンネルを設定するかによって流れるラジオの内容が異なりますが、ニュースや広告が流れてしまうこともあるでしょう。ただし、社員食堂や休憩室など流す場所を選べばラジオ放送も活用できます。

無料のサービスを利用する

インターネットにアップロードされている無料の音楽を活用する方法もあります。ただし、途中で広告が流れたり、プレイリストの内容が終了すると曲が止まってしまったりすることがあります。費用をかけたくない場合は無料のサービスがおすすめですが、利便性とのバランスを考慮するのが重要です。

 

社員の集中力を向上させたり、職場のイメージを改善したりする目的で職場に曲を流そうとする企業が増えつつあります。また、音楽を上手く活用すると、環境音を軽減できる効果もあります。ただし、音量や選曲によってはかえって状況を悪化させてしまう可能性があります。たとえば、誰もが知っている曲を流したり、音量が大きすぎたりすると仕事に集中できなくなるでしょう。

さらに、音楽には基本的に著作権が存在しています。どのようなシステムで導入するかによって、必要な著作権対策が異なります。著作権侵害にならないよう、きちんと調べた上で導入を進めるのが大切です。

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