店舗BGMの選び方のポイントを業種別に詳しく解説!

公開日:2022/08/15  


BGMは内装や設備、商品、スタッフなどと同様、店舗環境そのものといえます。店舗の雰囲気やお客さんの気分に大きな影響を与える大切な要素なので、ジャンル選びや流し方については事前にポイントを押さえておきましょう。ここでは店舗にBGMを導入するメリットや注意点とともに、業種ごとの選び方のポイントについてご説明します。

店舗BGMを導入するメリット

店舗にBGMを導入することで、どんなメリットが得られるのでしょうか。BGMには店舗の雰囲気を作る直接的な効果があり、快適で居心地のよい空間づくりに役立ちますが、その効果は大きく3つに分類されます。まずはこの3つの効果を確認しておきましょう。

マスキング効果

BGMがほかの音を隠す効果のことをマスキング効果といいます。耳あたりのよい音楽が流れていることで周りの人の話し声や雑音が気になりにくく、居心地がよく感じられます。カフェなどを想像するとイメージしやすいですね。

イメージ誘導効果

BGMは空間のイメージに大きな影響を与えます。言いかえると、選曲次第で理想の店舗イメージに近づけることができます。クラシックを流せば格式高い重厚感やラグジュアリーさを演出できるうえ、ポップミュージックであれば軽やかで親近感のあるイメージに、ジャズだとおしゃれな雰囲気や落ち着いてリラックスしたイメージを演出できるでしょう。

感情誘導効果

BGMにより空間のイメージが変わることは、滞在する人の気分を変えることにもつながります。リズミカルな曲やアップテンポな曲は気分を軽くしたり、高揚させたりする効果があり、ゆったりスローテンポで落ち着いた曲はリラックスした気分へと導いてくれます。このような効果を理解したうえで、シーンに合わせて適切なBGMを流すことで店舗にとって大きなメリットが得られるのです。

そのひとつがお客さんの滞在時間を長くするというメリットです。商品を販売する店舗であれば、店内をゆっくりと回遊して1点でも多く購入していただきたいところですが、BGMで気分が高揚またはリラックスすると滞在時間が長くなる傾向があります。

さらには、購買意欲を上げたり、また来店したいという動機にもつながったりします。別の視点からは、商品の付加価値を高めるというメリットもあるのです。ハイブランドのショップやミュージアムなどで重厚で落ち着いたイメージのBGMが流れていると、そこにあるものの価値まで高まります。

また、医院やサロンの待合室のBGMのようにお客さんの気持ちを落ち着かせることで、安心感につながり、サービスに付加価値を与えることもできます。いずれも再来店の動機となりうるので、大きなメリットといえるでしょう。

店舗BGMを流す際の注意点

BGMにいろいろなメリットがあることが分かったところで、次は流す際の注意点について見ていきましょう。BGMで店舗の雰囲気をよくしようと思うとつい自分の好みに頼ってしましがちですが、趣味を反映することがベストな選択とはいえません。BGMを流す目的や、客層、店舗や施設の雰囲気をよく考えて、理想のイメージとマッチする選曲を心掛けましょう。自分の趣味に合う音楽がそのイメージとの間にずれがあった場合は、逆効果ということもあり得るので要注意です。店舗イメージにBGMを流す時間帯や季節感も加味すると、イメージ誘導効果や感情誘導効果はさらに高まるでしょう。

また、選曲だけではなく、流し方にも充分配慮が必要です。店舗によってはアップテンポの曲を大音量でかけることが理想のイメージとマッチするということもありますが、一般的には心地よいと思える程度の音量にします。BGMの効果を最大限に発揮するには、スピーカー選びと設置方法も大切です。スピーカーの種類や配置で、音の広がりなど音の感じ方が変わってくるので、基本的なことは知っておきたいですね。

できるだけ目立たせたくない場合は、天井埋め込みタイプや小型で内装の邪魔をしないタイプを、またスピーカーも内装の一部として存在感を出したい場合は、インテリア性の高い大型のタイプを選ぶとよいでしょう。また、医療施設など静かさや安心感の提供に配慮すべき場所では、できるだけ高音質のタイプで、呼び出しなどのアナウンスにも適したタイプがおすすめです。

最後に忘れてはいけないのが著作権についてです。楽曲には著作権があり、それぞれの曲に作詞者、作曲者、アーティスト、レーベルなど複数の著作権者がいます。営利目的で運営している店舗や施設で楽曲を使用する場合には、著作権者の許可が必要となり費用も発生しますが、この問題は後で説明する店舗BGMサービスを利用することで解消できます。

店舗BGMは業種ごとにおすすめなものが違う?

業種ごとの最適なBGMを選ぶ際のポイントとして、まずはその店舗や施設を利用する人の性別や年齢といった属性に合わせた音楽を選ぶ必要があるのです。同じポップミュージックというジャンルでも、若年層向けと中高年向けでは耳にしてきた音楽は違います。メインの客層が共感できる音楽か、客層が幅広い場合はどの世代にも受け入れられやすい音楽を選ぶとよいでしょう。

もう一つ大事なポイントは、その店舗や施設を利用する目的です。リラックスする、わいわい楽しく過ごす、集中する、静かに過ごすなど、利用者がその空間でどのように過ごしたいと思っているかを想像し、よく考えたうえでBGMを選定します。これらを踏まえたうえで業種別のおすすめBGMをいくつかご紹介します。

美容室

スタッフとお客さんが話さなくても心地よいと感じられる空間づくりにもなる、癒し系がおすすめです。美容室のゆったりした時間の流れの中で、美容師さんとの会話を楽しむにも、カフェのような雰囲気がマッチします。

エステサロン

ゆったりとリッチな気分を味わえるエステサロンは、アロマの香りとともにリラックスできる落ち着いた雰囲気の音楽がおすすめです。お客さんの心身を音楽でも解きほぐしていくようなイメージです。

ホテル

日常から切り離された解放感と安心や格式を感じさせる重厚感が特徴のホテルは、高級感とくつろぎを演出できるクラシックのような音楽がおすすめ。広い施設のため、場所の用途に応じてBGMを変えるのもおすすめです。

カフェ

おしゃれな空間でほっと一息つけるカフェでは、ファストフードよりも落ち着いた雰囲気が求められます。一人の時間も友人とのおしゃべりも邪魔しない、ソフトでリラックス感のある音楽がおすすめですが、おしゃれさも重要なポイントです。

ミュージアム

ミュージアムで展示品と静かに向き合い深く観察する際には、BGMに気を取られたくないものです。そんなシチュエーションでは、静かに浸透し五感を刺激するようなアンビエントなどのヒーリングミュージックがおすすめ。

アパレルショップ

洋服や靴、バッグなどと同様、音楽もファッションそのものです。ショップで扱う商品の世界観と同じテイストの音楽を選ぶことで、お客さんのテンションや商品の魅力アップにつながるでしょう。

医療施設

病院などの医療施設では、不安を和らげる効果のある音楽がおすすめです。クラシックのような格式ある雰囲気のヒーリングミュージックなら、安心感とともに信頼感を醸成できるでしょう。

店舗BGMを導入する方法

営業目的で運営している店舗や施設でBGMを流す際は、楽曲の著作権者の許可を得る必要がありますが、自分で申請するのは手続きが大変です。また手持ちの音源ではバリエーションが少なく、イメージにぴったりのBGMが見つからないということもあるでしょう。そこでおすすめなのが、店舗向けの音楽配信サービスです。煩わしい著作権の問題、面倒な事務手続きから解放され、膨大なリストから選曲が可能。

いろいろなシーンに合うプレイリストはあらゆる業種のBGMに対応ができ、スタッフのセンスに頼らなくても、理想の空間演出が可能となります。提供している会社はたくさんあり、いろいろなサービスから選べますが、ここではサービスを選ぶ際に押さえておきたい12のポイントを導入面、使用面、サポート面に分類してご説明します。

導入面

①料金
初期費用、定額料金だけで合計料金が決まるわけではないので、工事費用や最低利用期間などを総合的に検討しましょう。

②著作権
どのサービスでも著作権の処理は不要です。

③再生端末
ほとんどのサービスがアプリからの利用が可能で、スマートフォンやタブレットとスピーカーをBluetoothで接続して再生しますが、中には専用の機器が必要なサービスもあります。

④利用開始までの期間
ほとんどのサービスが契約した当日から利用できますが、中には翌日や最短5営業日のところもあります。

⑤最短利用期間
サービスによっていろいろで、最短期間なしや、当月末、翌月末、6か月、2年、3年などがあるので、コストに関わるため慎重に検討しましょう。

⑥楽曲の種類
メジャー曲を含む全ジャンルのものと、インディー楽曲のものがありますが、インディー楽曲でも店舗の雰囲気づくりにマッチしたBGM曲は選択できます。

⑦工事
専用端末を必要とする一部のサービスや埋め込み式のスピーカーを採用する場合は、工事が必要となります。

使用面

⑧プレイリスト数
テーマで編集されたプレイリストはBGMとして最適です。サービスによって10以上~1,000以上とばらつきがありますが、似たようなリストや曲がかぶっていることもあるので、気になる場合は細かくチェックしましょう。

⑨タイマー機能
指定時間に指定した楽曲を流せる便利な機能で、時間帯によってBGMの雰囲気を変えたい場合などは重宝します。

⑩クロスフェード機能
曲の終わりと次の曲の始まりのボリュームを調整して重ねることで、曲間の切れ目をなくす機能です。好みに応じて検討しましょう。

サポート面

⑪無料トライアル
実際に店舗で使ってみて、使い心地やBGMの雰囲気を試してから導入を決められるので失敗がありません。

⑫コールセンター
ほとんどのサービスにはコールセンターがあります。いざというときの保険としてあると安心です。

まとめ

今回はBGMを流すメリットや注意点と、業種別のおすすめBGMについてご説明しました。店舗や施設で、お客さんに快適に過ごしていただくためにBGMは不可欠な要素だということが確認いただけたでしょう。居心地のよい空間でお客さんをおもてなしすることはお店の評価や評判につながるので、売上アップも期待できますね。

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