店内BGMとしてラジオを流すメリットは?インターネットラジオも流していいの?

公開日:2024/09/15  

店内BGM ラジオ

店舗を経営する場合、BGMを流すことでさまざまな効果を期待できます。BGMの選択肢として、ラジオを流すのもひとつの手です。近年では、AM局、FM局だけではなく、インターネットラジオも人気を集めつつあります。本記事では、店内でラジオを流すメリットなどを詳しく解説するので、参考にしてみてください。

ラジオの種類

店舗のBGMとして利用できるラジオには、主に二つの種類があります。ひとつは、私たちにとって馴染み深いAM・FM局が流すラジオであり、もうひとつは近年利用が増えているインターネットラジオです。

これら二つのラジオには、それぞれ異なる特徴や利点が存在します。こちらでは、それらの違いや特徴について詳しく説明しましょう。

AM・FM局

まず、AM・FM局が流すラジオについて説明します。このタイプのラジオは、電波を通じて放送されます。多くの人々が子どもの頃から親しんできたもので、とくに車のなかや家庭内での利用が一般的です。

AM(Amplitude Modulation)ラジオは遠距離にまで電波が届くため、田舎や都市の郊外でも受信可能であり、ニュースやスポーツ、音楽など幅広いコンテンツが提供されています。一方、FM(Frequency Modulation)ラジオは、音質がよく、主に音楽番組が中心です。FM局の電波は比較的短距離に限られますが、クリアな音質を楽しめます。

インターネットラジオ

一方、インターネットラジオはまったく異なる技術にもとづいています。インターネットラジオは、その名のとおりインターネットを介して配信されるラジオ放送です。これには、既存のAM・FM局がインターネットでも同時に配信しているものと、完全にインターネット上で独自に運営されている放送局があります。

インターネットラジオの最大の特徴は、電波ではなくインターネット接続を利用するため、ノイズの影響を受けにくい点です。これにより、室内や地下など電波が届きにくい場所でも、安定した受信が可能となります。

さらに、インターネットラジオはスマートフォンやパソコン、タブレットなどのデバイスで簡単に聴けるため、これらのデバイスとスピーカーを接続すれば、店舗内に高品質なBGMを流せます。インターネット接続さえあれば、世界中のラジオ局にアクセスできるため、多様なジャンルや言語の放送を楽しむことが可能です。たとえば、日本のラジオ局だけでなく、アメリカやヨーロッパなど海外の放送もリアルタイムで聴けるのです。

店内BGMとしてラジオを流すメリット

店舗でBGMとしてラジオを流すことには、多くのメリットがあります。

お客さんに安心感を与える

まず、ラジオから流れる人の声が、店内に訪れるお客さんに安心感を与えることができます。人の声を聞くことは、心理的にリラックスさせる作用があり、落ち着いた雰囲気を作り出す助けとなるのです。

このため、とくに初めて訪れるお客さんにとっては、店内の雰囲気に早く馴染めます。

導入が比較的簡単

ラジオの導入は比較的容易であり、特別な機器や設定が必要ない点も大きな利点です。多くの店舗では既にラジオをBGMとして利用しており、設置もシンプルで手間がかかりません。

これは、小規模な店舗や予算をあまりかけたくない店舗にとって最適でしょう。ラジオ受信機ひとつで、すぐに多様な番組を楽しめるため、コストパフォーマンスも良好です。

インターネットラジオで選択肢が広げられる

一方で、インターネットラジオの利用も近年増えてきています。インターネットラジオには、多種多様なチャンネルが存在し、そのなかには音楽のみを流しているものも多数あります。人の声が不要という店舗のニーズにも対応できるため、選択肢の幅が広がるでしょう。

とくに、高級レストランやスパ、静かな雰囲気を求める場所では、人の声がBGMとして適さない場合があります。そのような場合には、音楽のみを流すインターネットラジオのチャンネルを選ぶことが理想的です。

スタッフの業務効率向上を期待できる

さらに、ラジオをBGMとして利用することで、スタッフの業務効率も向上する可能性があります。音楽は集中力を高める効果があるとされており、適切なBGMを流すことでスタッフの作業環境を改善し、作業効率をアップさせられるのです。

とくに、繰り返しの多い単純作業を行う場合には、適度な音楽が作業のリズムを生み出し、業務の円滑な遂行をサポートします。

店内BGMとしてラジオを流すデメリット

店舗のBGMとしてラジオを使用する際には、メリットに加えて、注意すべきデメリットも存在します。AM・FMラジオとインターネットラジオそれぞれのデメリットを解説しましょう。

AM・FMラジオのデメリット

従来のAM・FMラジオは、電波状況に左右されるため、ノイズが発生するリスクもともないます。とくに建物の構造や地理的条件によっては、受信状況が悪化し、クリアな音質を保つことが難しい場合もあるのです。

店舗BGMとしてラジオを流す前に、ラジオがつながりにくい時間帯がないか、ひどいノイズが発生しないかといったポイントをチェックしましょう。

インターネットラジオのデメリット

インターネットラジオでは、一部の番組や音楽が流せない場合があります。たとえば、プロ野球中継の一部やクラシック音楽などは、その典型的な例です。

プロ野球中継はリーグや放映局が、音楽はレコード会社などが権利をもっている場合があるためです。また、インターネットの接続状況が安定していないと、インターネットラジオを導入するのは難しくなります。

インターネットラジオの場合は手続きが必要

店舗のBGMとしてインターネットラジオを流す際には、特定の手続きが必要となる場合があるのです。これは、著作権に関連する法的な手続きや料金の支払いに関する問題が関係しています。AM・FM局が流すラジオ放送とは異なるため、注意が必要です。

インターネットラジオなどの独自コンテンツを店舗のBGMとして流す場合は、AM・FM局を流す場合とは状況が異なります。インターネットラジオには、特定のWEBサイトやアプリを通じて配信される放送が含まれます。

これらのコンテンツは、放送局が既存のラジオ局ではなく、インターネット専用に制作されるものが多く、独自のコンテンツとして扱われているのです。そのため、これらのコンテンツを商業目的で利用する場合には、著作権管理団体であるJASRAC(日本音楽著作権協会)への利用承諾手続きが必要となります。

具体的には、店舗でインターネットラジオをBGMとして流す場合、JASRACに対して使用料を支払う必要があります。使用料は、著作権を保有する音楽作品の利用に対して支払うものであり、店舗での音楽利用に対する正式な許諾を得るためのものです。

JASRACは、音楽著作権の管理団体として、多くの音楽作品の権利を一括して管理しており、使用料の支払いを通じてアーティストや作曲家に報酬が分配される仕組みとなっています。しかし、インターネットラジオ業者のなかには、すでにJASRACに使用料を支払っている場合もあるのです。

これらの業者は、自社のサービス内で提供する音楽コンテンツに対して、包括的な著作権使用料を支払うことで、利用者が個別に手続きを行う必要がないようにしているのです。この場合、店舗の運営者は個別にJASRACに手続きを行わずに済むため、手間が省ける利点があります。

ただし、業者に支払う料金には、著作権使用料が含まれているため、通常よりも高い料金設定となることが一般的です。つまり、利用者はインターネットラジオ業者に対して支払う料金が、著作権使用料も含めた総額であることを理解しておきましょう。

そのため、利用するインターネットラジオサービスの料金体系を確認し、どの程度の費用がかかるのかを事前に把握しておくことが重要です。

まとめ

店舗のBGMとしてラジオを流すことには、安心感を与え、導入が簡単というメリットがあります。AM・FMラジオはノイズのリスクがある一方、インターネットラジオはノイズが少なく、スマホやPCで多様なチャンネルを楽しめるのです。とくに音楽のみのチャンネルも選べるため、店舗の雰囲気に合わせやすいでしょう。

ただし、インターネットラジオの利用にはJASRACへの使用料支払いなどの手続きが必要です。既に手続きを行っている業者を利用することで、手間を省けますが、料金が高くなる場合もあります。

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