店舗BGMにおける「コントロール効果」とは?

公開日:2025/03/01   最終更新日:2025/03/13

コントロール効果

BGMの「コントロール効果」をご存じでしょうか。アパレルショップや飲食店で適切なBGMを流すことで、お客さんの心理にアプローチができます。さらに、コントロール効果を活用して売上をアップさせた例も少なくありません。本記事では、店舗BGMにおけるコントロール効果について深掘りして紹介するので、ぜひ参考にしてください。

BGMのコントロール効果とは

店舗BGM(バックグラウンドミュージック)には、単なる空間の雰囲気を作る以上の効果があり、とくに「コントロール効果」や「感情誘導効果」として知られる心理的な影響力を持っています。

このコントロール効果とは、音楽のジャンルやテンポ、リズムを変更することによって、顧客の心理や行動に働きかける手法です。店舗で流れる音楽が顧客の購買意欲を高めたり、特定の商品の購入を促進したりすることができるため、商業施設において非常に有効なツールとなります。

コントロール効果の実例

コントロール効果は、イギリスのあるワインショップで行われた実験が証明しています。この店舗では、日ごとに流す音楽のジャンルを変更し、その影響を測定しました。

1日目にはフランスの音楽を、2日目にはドイツの音楽を流したところ、フランス音楽が流れた日はフランス産ワインの売上が増加し、ドイツ音楽が流れた日はドイツ産ワインの売上が増加するという結果が得られました。

この実験からもわかるように、音楽の選定が顧客の購買行動に強い影響を与えることが確認されたのです。

BGMの選定時はお店の雰囲気なども考慮する

このようなコントロール効果を活用することで、店舗のオーナーやマーケティング担当者は、音楽を使って顧客の心理に働きかけ、購買行動を誘導することが可能となります。しかし、重要なのは音楽の選定が単に感情や購買意欲を引き起こすだけでなく、店舗の全体的なイメージや顧客層に合ったものであることです。

音楽を選ぶ際には、店のコンセプトやターゲットとする顧客層(年齢層や性別など)を十分に考慮することが必要です。例えば、カジュアルなカフェではリラックスできる軽快な音楽を流し、高級感を求めるレストランでは落ち着いたクラシック音楽を選ぶことで、顧客に適切な印象を与えることができます。

売上アップに有効なBGMの活用方法

店舗BGMは、単なる空間の演出だけでなく、売上アップに大きく貢献できる重要な要素です。BGMの選定や音楽のテンポ、流すタイミングなどを工夫することで、顧客の心理や行動に働きかけ、店舗の収益を向上させることが可能です。

とくに、時間帯に合わせた音楽の調整や、トイレなどの意外な場所での音楽利用など、細部にわたる工夫が売上向上につながります。ここからは、売上アップを狙った店舗BGMの活用方法について、具体的な事例を交えながら詳述します。

時間帯に合わせたBGMで売上アップを狙う

売上アップを狙う際に最も効果的な方法の一つが、時間帯に応じて店舗BGMを変更することです。とくに飲食店では、ランチタイムのBGMにアップテンポの音楽を取り入れることで、顧客の食事のペースを加速させることができます。

アップテンポの音楽は、心拍数を高め、身体的な活動を促進する効果があります。これにより、顧客は自然と食事のスピードが早くなり、回転率が向上するでしょう。例えば、ランチタイムにアップテンポな音楽を流すことで、短時間で食事を終えた顧客が次々と入店し、店舗の売上を増加させることができます。

ただし、注意すべき点もあります。それは、常にアップテンポの音楽を流し続けると、顧客がリラックスして食事を楽しむことができなくなる可能性がある点です。そのため、ランチタイムの終了後やディナータイムには、落ち着いたテンポの音楽に切り替えることで、メリハリのある雰囲気作りが重要となります。

一方、アパレルショップや商品を販売する店舗では、顧客の滞在時間を長くするためにスローテンポの音楽が効果的です。スローテンポな音楽は、顧客の歩く速度を遅くし、店内をゆっくりと回遊させることができます。

その結果、顧客はより多くの商品に触れる時間が増え、購入意欲が高まります。とくに商品をじっくり選びたい顧客層をターゲットにする場合、スローテンポな音楽を流すことで、店舗での滞在時間を自然に延ばし売上を向上させることが可能です。

ただし、セールなど回転率が求められる時期や状況では、アップテンポの音楽を流すことが有効です。これにより顧客は店内を効率よく回り、混雑を防ぎつつ、スムーズに商品を購入することができます。

トイレにもBGMを設置して空間を途切れさせない

店舗の空間作りには、あらゆる場所での雰囲気作りが重要です。とくに、トイレの空間においてもBGMを流すことをおすすめします。多くの高級レストランやカフェなどでは、トイレにもスピーカーを設置し、音楽を流すことで店舗の雰囲気を途切れさせません。

たとえ店舗のメインの空間が音楽で素晴らしいムードを作り出していたとしても、トイレに音楽が流れていないと顧客は一気に現実に引き戻され、非現実的な感覚を失ってしまうことがあります。

たとえば、高級感を演出するためにクラシック音楽やジャズを流しているレストランにおいてトイレが無音だと、その瞬間にレストランの雰囲気が途絶えてしまいます。これにより、顧客はさらにオーダーを追加することなく、すぐに会計に進んでしまう可能性があるのです。

また、トイレで音楽が流れないと顧客が店舗の印象をリセットしてしまい、再来店の意欲が薄れてしまうことも考えられます。したがって、トイレにも音楽を流すことで顧客が店舗全体に対して良い印象を持たせることはとても大切です。

リピーター獲得のためのBGM活用法

店舗BGMは、単に売上をアップさせるためだけではなく、リピーター獲得にも大きな役割を果たします。顧客が再来店したいと感じる要素は、店舗のサービスや商品そのもののクオリティに加え、店舗での体験全体が大きく影響するのです。

音楽をうまく活用することで、顧客との距離感を縮め、再来店を促進することができます。リピーターを獲得するためには、顧客のリクエストに応じた音楽を流すサービスを提供することも効果的です。

顧客が好きな音楽や気に入った曲をリクエストできるようにすれば、顧客はよりリラックスした状態で過ごすことができ、店舗との距離が縮まります。また、リクエストされた音楽を覚えておき、次回の来店時に再度流すことができれば、顧客は「自分の好みに合わせてくれる店」としてより親近感を持つでしょう。

さらに、バースデーソングや特別なリクエストに応じるサービスもあります。顧客が誕生日など特別な日を店舗で過ごす際にリクエストされた音楽を流すことで、顧客に特別感を与えつつ満足度を高めることができます。

こうしたサービスは口コミで広まり、新たな顧客を引き寄せる効果も期待できることでしょう。そして、リピーターを増やすためには、顧客が再来店したいと感じる環境を作ることが重要です。

音楽を使ったおもてなしを通じて顧客の満足度を高め、その結果として口コミによる集客効果が期待できます。例えば「この店の音楽が心地よくて、また来たくなる」といった印象を顧客に与えることができれば、その口コミが新たな顧客を引き寄せ、店舗の認知度向上にもつながるでしょう。

まとめ

店舗BGMの「コントロール効果」は、音楽が顧客の心理や行動に与える強力な影響を活用し、売上や顧客満足度を向上させる手法です。音楽のジャンルやテンポを工夫することで、顧客の購買意欲を引き出したり、店舗の雰囲気を強化したりすることが可能です。例えば、ランチタイムにはアップテンポな音楽で回転率を高め、アパレルショップではスローテンポで顧客の滞在時間を延ばすなど、時間帯や店舗の目的に合わせた音楽選定が効果的です。また、トイレやリクエストに応じた音楽の活用も、顧客の印象を良くし、リピーター獲得に繋がります。音楽を上手にコントロールすることで、店舗全体の魅力を最大化し、収益向上を狙えます。

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