健康経営とは?健康経営のメリット・デメリットや始め方を解説!

公開日:2023/04/15   最終更新日:2023/09/15


近年、健康経営に取り組む企業が増えていることをご存知でしょうか。この記事では、健康経営の具体的な内容や、注目されている理由について紹介していきます。また、健康経営に取り組むメリットやデメリット、健康経営の始め方についても詳しく解説します。健康経営に興味がある方や取り組むことを検討している方は、参考にしてください。

なぜ今注目されている?健康経営とは

健康経営とは、企業が従業員の健康を管理し、業務効率の改善・向上させることで、業績や企業のイメージをアップさせることをいいます。従業員の健康が増進すると、生産性が上がり企業の活性化も期待でいるのです。今までは、従業員の健康管理は個人で行うものでした。

しかし、従業員の健康が企業全体のパフォーマンスに大きな影響を与えることが明らかになったため、健康経営を実施することが企業を成長させる投資であるという考えに至ったのです。そうしたことから、健康経営に取り組む企業が増えています。ここからは、健康経営が注目されている理由を見ていきましょう。

労働人口の不足が深刻化

注目されている最大の理由は、少子高齢化による労働人口の不足です。労働人口の不足が原因で労働環境が悪化し、従業員の負担が増えているのです。

また、従業員が高齢化していることにより、社会保険料の負担が増加し、経営にも影響が出ていることも理由のひとつといえるでしょう。従業員が体調を崩してしまうと、生産性が低下し、優秀な人材を失ってしまったり人材の確保ができなくなってしまったりする恐れもあります。労働人口の不足は今度も続くことが予想されています。

企業を持続的に発展させるためには、従業員が健康であり、長く働き続けてもらうための取り組みが必要なのです。今後の労働人口の不足に備え、健康経営に取り組む企業が増えています。健康経営に取り組むことで、従業員の負担が軽減され企業にとって多くのメリットが得られるのです。

ワーク・ライフ・バランスの推進

近年では、働き方改革という言葉が広く認知されています。従業員の休みが少なく、長時間労働が常態化していては、職場の士気も下がってしまうでしょう。日本の労働者のほとんどが、家庭やプライベートに費やす時間が残らない状態では、未婚化や少子化の原因にもなると考えられています。これらの理由から、働き方改革を推進し、ワーク・ライフ・バランスの実現を掲げているのです。

ワーク・ライフ・バランスとは、仕事とプライベートをバランスよく充実させる働き方および生き方のことをいいます。ワーク・ライフ・バランスは、働き方改革においても重要ですが、健康経営の分野においても重要とポイントになるのです。健康経営に取り組んでいる法人を顕彰する健康経営優良法人では、ワーク・ライフ・バランスを実現させることも認定基準に設定されています。

健康経営に取り組むべき企業

健康経営を重点的に取り組むべきなのは、どのような企業なのでしょうか。健康経営に取り組むメリットが大きい企業の特徴を紹介します。

まずは、従業員のストレスチェックの結果が悪い企業、体調不良で長期休職している従業員がいる企業では、健康経営に取り組む必要があるでしょう。従業員のストレスを緩和させる対策をとることで、モチベーションの向上や生産性を高めることにつながります。

他にも、長時間労働や休日出勤している従業員が多い企業なども健康経営を検討するとよいかもしれません。十分な睡眠や休息がとれていない場合は仕事のクオリティにも差が出るでしょう。従業員の健康は企業の生産性に関わる問題なので、健康経営に取り組むメリットが大きいのです。

さらに、ケアレスミスやヒューマンエラーが多発している状況が続いているのであれば、重大な事故が発生する前に、健康経営に取り組まなくてはいけません。健康経営では、自社を知ること、従業員の健康状態を把握することが重要です。現在の状況を明確にして共有することで、健康経営の取り組みの第一歩となるのです。

健康経営に取り組むメリット・デメリット

企業が健康経営に取り組むと、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。メリットとデメリットを紹介します。

メリット 生産性の向上

従業員の心身の健康が増進されると、労働意欲が高まるため積極的に業務を行えます。結果的に、生産性の向上につながるのです。心身が健康な状態と、不調な状態を比べると、時間当たりの成果には大きな差が生まれるでしょう。

また、心身が健康な状態の方が、活発にコミュニケーションが行われます。健康上の理由で欠勤する人も減ることから、企業全体の生産性を上げることが可能になるのです。

メリット 企業イメージの向上

健康経営に取り組み、健康経営優良法人の認定を受けると証明を得られるため、企業の信頼度が高まります。企業イメージが向上すると、売上アップや求人応募数のアップにもつながるでしょう。

近年では、企業が従業員の心身の健康に対して、取り組みをしているのかどうかに関心が高まっています。健康経営への取り組みは、企業イメージの向上のための手段として非常に有効といえます。

メリット 人材確保

近年では少子高齢化の問題により、働き手不足が深刻となっています。採用した人材に長期的に働いてもらうためには、健康に配慮した職場環境を整備することが重要です。従業員は高いパフォーマンスを発揮できるようになり、長く働きたいと考える従業員が増えることで人材の定着につながります。

また、健康経営に積極的に取り組んでいることをアピールすることで求職者を集めやすくなるでしょう。現在働いている従業員の定着率を上げることに加え、新たな人材を確保したい企業にとっても大きなメリットとなります。

メリット 離職率の低下

従業員の心身の健康状態がよければ、結果的に離職率は低下します。心身の不調が原因で離職するまで至ってしまうケースを防ぐためには、健康経営の取り組みが重要です。

また、健康経営に取り組む姿勢が従業員に伝われば、従業員からのよい評価にもつながります。企業と従業員が良好な関係性であることで、離職率を低減させられるのです。

メリット テレワークによるストレス対策

近年では、テレワークを導入する企業も増えています。テレワークでは、出社したときと同じように業務が進められないことも多く、ストレスが溜まりやすい傾向にあります。健康経営に取り組んでいると、運動による健康増進を図ることが可能になり、従業員のストレス対策にも繋がります。

ストレス対策は、従業員の意見を取り入れながら、改善するための取り組みを進めることが大切です。オフィスでできる健康経営の取り組みをしていた場合は、新たに在宅でもできる取り組みを導入するようにしましょう。

中小企業が取り組むメリット

健康経営は、大企業が取り組むものなので、中小企業で取り組んでも意味がないのではないかと考える方も多いようです。ですが、実際のところ、中小企業の方が健康経営に取り組んだ方がよいといわれています。

中小企業の方が従業員の数が少ないため、従業員ひとりひとりの健康状態が企業全体のパフォーマンスに直結します。単純に数字だけで考えると、1,000人の企業で1人が休職するのと、10人の企業で1人が休職するのでは影響度が全く異なります。

また、中小企業の方が人材を確保することが難しいため、簡単に従業員を増やせないのです。従業員1人あたりに任せられている業務の範囲が広いと、その1人が休職してしまうと業務が回らなくなってしまいます。従業員の数が少なければ少ないほど、ひとりひとりの健康状態が企業全体の生産性に影響します。

よって、中小企業ほど健康経営に取り組むメリットが大きく、いち早く取り組むべきだと言えるのです。

デメリット 手間と時間がかかる

健康経営に取り組むには、従業員の健康状態を把握する必要があります。そのためには、定期的な健康診断や、産業医との面談、メンタルチェックなどをしなくてはいけません。業務時間を調整したり、場合によっては業務時間外にも時間を要したりするかもしれません。従業員が不満を感じてしまう可能性もあるため、健康経営に取り組む理由は背景などを事前に説明しておくと、不満を解消できるでしょう。

デメリット 効果が見えにくい

健康経営の取り組むは、数値化することが難しいため、効果や成果が見えにくい点をデメリットと感じる人もいるでしょう。離職率や欠勤率を表そうとしても、増減した理由が健康経営の効果なのか、従業員の個人的な事情によるものなのか特定できません。

また、健康経営の取り組みは短期間で効果が出るものではなく、年単位での長期にわたる評価をする必要があります。

デメリット コストがかかる

健康診断やメンタルチェックは医師などの専門家の協力が必要になります。また、収集したデータを分析する作業は、社外の専門家に依頼する企業も多いでしょう。その場合、外部委託や専門性のある人材を採用するためのコストがかかります。

デメリット 従業員の不満につながる可能性がある

健康経営に取り組むには、さまざまな施策があります。その中でも、禁煙やダイエットに成功した従業員にはインセンティブを設けています。禁煙やダイエットを強制されると、不満に感じる人も多いでしょう。

また、もともと健康的な体型の方や、たばこを吸っていない従業員には施策を活用できないため、不公平ともいえます。特定の従業員のみメリットがある施策を取り入れる際には、注意しなくてはいけません。施策を行う理由はやメリットを事前に伝え、いくつかの施策を提示し従業員が自由に選択できるようにするなど、従業員の不満につながらないように工夫する必要があります。

健康経営の始め方

健康経営に取り組む際には、企業全体で協力し合い、計画的に進める必要があります。ここからは、健康経営の始め方を紹介します。

加入している保険者に相談する

まずは自社が加入している保険者に相談します。協会けんぽや健康保険組合の相談窓口へ連絡し、健康経営を始めたいと伝えましょう。インターネットなどで情報収集する方法もありますが、専門知識が豊富な協会けんぽや健康保険組合に相談した方が確実です。

そのような計画や施策が必要か、具体的になにから始めるべきかなど、丁寧に説明してくれるでしょう。また、健康経営優良法人へ参加するには、加入している保険者の健康宣言事業への参加が必須です。健康経営優良法人への参加を希望する場合は、事前に保険者に伝えておきましょう。

社外内に健康宣言

健康経営に取り組むことが決まった際には、社内外に健康宣言をします。健康宣言とは、従業員やその家族に、健康管理を経営の課題として認識し対策に取り組んでいくことを意思表示することをいいます。社内と社外の両方に発信するためには、企業のホームページに健康宣言のページを作成することが効率的です。

組織体制の構築

次に、健康経営を実践するための組織体制を構築します。健康の保持・増進に向けて担当チームを作ったり担当部署を設けたりすると効果的です。担当者は幹部や従業員の中から任命しましょう。担当者は、健康診断などに携わっている従業員や、リーダーシップのある幹部を任命することをおすすめします。担当チームが健康経営について理解を深めることで、より効果的に健康経営に取り組めるでしょう。

また、健康経営を経営理念や戦略として位置づけるということは、経営幹部が集まる場で健康経営の議論を行い、組織全体で取り組む環境を構築しなくてはいけません。今までの社内のルールや業務の進め方などを変更する場合もあるため、経営幹部が集まる場で意思決定を行う必要があるのです。

自社の健康課題を把握する

健康経営に取り組むには、まずは自社の健康課題を把握することが重要です。従業員の健康状態を把握し、企業全体としてどのような傾向にあるのか調べなくてはいけません。

具体的にチェックするべき内容は、定期健康診断・再検査などの受診率の確認、従業員のストレスチェック、残業時間・有給休暇の取得状況の確認、従業員の食生活や運動状況の確認、喫煙率の確認などがあります。従業員の健康状態を定期的に確認し、部署や業務ごとに問題点を明確にすると具体的な課題を把握できるでしょう。

また、長期的な労働が続いている場合は、肉体的な疲労はもちろんのこと、精神的ストレスを抱えている可能性も高いのです。健康診断データやストレスチェックのデータをもとに従業員の健康状態を把握しましょう。

具体的な施策を決める

健康課題を把握できましたら、課題を改善する計画および施策を決めます。法令で義務づけられている健康診断受診率100%や屋内での禁煙を達成できていない場合は、最優先で取り組む必要があります。

現状を分析し、従業員の健康管理に関する課題が見えましたら、課題を改善させるための目標を立てます。長時間労働による体調不良を訴えている従業員がいる場合には、残業時間の見直しや有給休暇の取得率を上げる、生活習慣病を患っている従業員がいる場合は、食事サポートを取り入れるなど、具体的な施策を決めましょう。

施策の実行

課題と具体的な施策から、なにをどのように達成するのか計画を立て、従業員に向けて周知を促しましょう。残業時間や有給休暇の取得率などの目標を達成するためには、従業員や担当者だけで実現するのは難しいかもしれません。

これらの課題には、業務量の調整や、新たな人材の確保などの対策を検討する必要があります。実現が難しい目標には、部署のリーダーや経営幹部からの協力を得るとよいでしょう。また、業務の効率化を図るためには、休憩時間の見直しや休憩スペースの拡充なども有効な施策です。

評価と見直し

取り組みを始めてから一定期間が経ちましたら、健康経営への参加状況を確認しましょう。生活習慣の改善や、参加者の満足度、仕事へのモチベーションがアップしたのかなど、効果や従業員の反応をチェックし、さらなる施策につなげることが大切です。

設定した目標の中には、目標設定がずれていたり施策が間違えていたりするケースも少なくありません。思うように結果が出なかった際には、改善するべきポイントを見定めて結果につながるように検討し直すことが大切です。健康経営の取り組みは、常にPDCAを回し続けていくことが重要なポイントといえるでしょう。

まとめ

健康経営が注目されている理由や、健康経営に取り組むメリット・デメリットについて紹介しました。健康経営に取り組むことで、生産性の向上や企業イメージの向上、人材の確保などを実現できます。特に、従業員の数が少ない中小企業では、大きなメリットが得られるため、積極的に取り組むとよいでしょう。

ただし、いくつかのデメリットも存在します。手間や時間がかかり、従業員からの不満につながる恐れもありますので、取り入れるかどうかは慎重に決めなくてはいけません。健康経営に取り組む際は、健康経営の進め方を参考にしながら、企業全体で計画的に取り組んでいきましょう。

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