オフィスBGMが集中力アップにつながる理由を解説

公開日:2024/10/01  

オフィスBGM 集中力アップ

適切なBGMを選ぶことで、従業員の集中力アップにつながります。BGMによる集中力アップは、オフィスワーカーを対象にした実験結果による裏付けがなされているのです。しかし、なぜBGMが集中力に関係するのでしょうか?本記事では、オフィスBGMと交感神経の関係性や集中しているときに出る脳波について解説をします。

音楽と交感神経・副交感神経の関係性

音楽にはさまざまな効果があります。その中でもとくに知られているのは、コミュニケーションの促進、リラックス効果、副交感神経への直接的な作用の三つです。

音楽がもたらす効果

まず、音楽を通じて人々が親しくなれる効果があります。音楽は、知らない人同士の掛け橋となり、コミュニケーションの手助けをする役割を果たしてくれるのです。

次に、音楽を聴くことで和やかな気分になり、安心感を得られます。これは日常生活でのストレス軽減に役立ちます。そして、音楽が副交感神経に直接作用して、血圧や心拍数に影響を与えたり、唾液の分泌をうながしたりするといった身体的な効果もあるのです。

こうした効果の組み合わせにより、体調を整えたり、未病の改善を促進する音楽療法が広く研究されています。

現代社会では自律神経のバランスがくずれがち

自律神経は、交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで健康が保たれますが、現代社会では交感神経が優位になりやすい状況が続いています。生活習慣やストレス、加齢などが原因で交感神経が優位になると、血圧の上昇や冷えが目立ち、リンパ球の機能低下を引き起こし、生活習慣病のリスクを高める場合があるのです。

音楽には交感神経を抑制する効果がある

しかし、音楽には交感神経の過剰な優位を抑制する効果があります。音楽を聴くことで交感神経から副交感神経へのスイッチが入り、自律神経のバランスが整いやすくなるのです。

集中しているときには脳波のβ波が多く出ますが、集中力には限界があり、90分程度が限界です。このタイミングで休憩を取ると、副交感神経への切り替えがスムーズに行われます。

意識的に90分ごとの休憩を習慣づけると、集中タイムと休憩タイムを効果的に使い分けられるのです。

オフィスBGMにはモーツァルトの音楽がおすすめ

オフィスでのBGMは、集中タイムから休憩タイムへの切り替えに役立ちます。とくに、モーツァルトの音楽には脳神経系に影響を与える効果があるとされているのです。

米国の大学の研究では、モーツァルトを聴くと社会性が高まり、脈拍が安定する効果が示されています。モーツァルトを聴くことにより免疫力が高まる可能性も研究されているのです。

音楽は第二の薬としての役割が期待されている

このように、音楽は医薬品に匹敵するかもしれない効果をもつと考えられています。オフィスBGMは環境音楽のように流れるだけでなく、作業の合間に10~20分程度耳を傾けることで、生産性の向上にも期待がもてるのです。音楽の力を利用して、ストレスを軽減し、健康を維持できるでしょう。

集中しているときに出る脳波とは

集中しているときには、脳波のβ波が活発になります。これは、作業に集中することで脳が高い活動状態に入り、生産性が向上すると同時に、疲労も蓄積されるからです。疲れが溜まった状態でβ波を持続させると、過度なストレスを引き起こす可能性があります。

一般的に、人が集中できる時間は約90分程度であり、この周期で作業と休憩を交互に行うことが効果的です。β波の後には、リラックスした状態で発生するα波が現れます。

α波は10~15分程度で効果が現れるため、疲れた脳を休めるのに適しているのです。オフィスBGMを利用することで、β波とα波を交互にうながせます。

集中力を高めるための音楽とリラックスをうながす音楽を交互に流すと、従業員が自然に集中とリラックスを繰り返すサイクルを作り出せます。脳波と心拍数は密接に関連しており、心拍数が上昇するとβ波が増加し、心拍数が低下するとα波が増加するのです。つまり、オフィスBGMを聞くことで心拍数と脳波のパターンが変化し、集中とリラックスの状態が調整されます。

ただし、β波が発生する音楽のメカニズムはまだ完全に解明されていません。一方で、α波は特定のリズムや音によって誘発されやすいことが知られているのです。

リズミカルな音楽や整ったリズムの音は、脳波をリラックスさせる効果があります。このような音楽を活用することで、自律神経のバランスを整え、効率的な作業環境の構築が可能です。

自律神経は環境にも左右される

自律神経のバランスは、交感神経と副交感神経の相互作用によって調整されます。自律神経のバランスが保たれていることは、健康な状態を維持する上で重要です。

しかし、環境や生活習慣によって自律神経のバランスは大きく左右されます。ストレスや生活環境の変化が、交感神経や副交感神経の活動に影響を与えるのです。音楽は、その環境の一部として自律神経に影響をおよぼします。

たとえば、落ち込んでいるときに好きな音楽を聴くことで気分が明るくなるでしょう。これは、音楽が副交感神経を刺激し、リラックスや安心感をうながすことがあるからです。音楽は感情や心理状態に直接訴える力をもち、自律神経のバランスを調整する手段として有効といえます。

しかし、一般的に癒やしの音楽とされるジャンルが、必ずしも副交感神経を刺激するとは限りません。個々人の感受性や好みによって異なるのです。

たとえば、ゆったりとした曲でも高揚感を感じる人もいます。これは、その人の美意識や感受性が関係しているのです。好きな曲や音楽によって、個々人の感情や身体反応が異なることはよく知られています。

そのため、意識的に好きな音楽を選び、自分の心や体によい影響を与えることが重要です。環境や音楽が自律神経に与える影響は複雑であり、個々人の感性や状況によって異なります。

しかし、音楽を通じて心身のバランスを整えることは可能であり、ストレスや疲労の軽減に役立ちます。自分に合った音楽を選んで、日常生活に取り入れることで、心地よい環境を作り出し、健康な生活を送る手助けとなるでしょう。

集中力の上がるBGM選びのコツ

集中力を最大限に発揮させるためには、オフィスBGMの選曲やプログラムの編成に工夫が必要です。集中力を効果的に引き出すためには、単に交感神経を刺激する音楽を流すのではなく、効率的な集中タイムを作らなくてはなりません。

なぜなら、個々人の感受性や反応は異なるため、どの音楽が集中力を高めるかは人によって異なるからです。そのため、β波を発生させる音楽やα波をうながす音楽を単独ではなく、幅広く取り入れながら90分と10分の間隔で繰り返し流しましょう。

自律神経は無意識に働いており、環境に影響を受けやすい特性があります。オフィスBGMは、環境を調整することで効率的な働きをうながす役割を果たすのです。

よいオフィスBGMとは、程よい緊張感を保ちながらも、集中力を長時間維持できるような音楽です。選曲においては、一般的に好まれるものや集中力を高める効果のある音楽を中心に取り入れることがポイントですが、個々人の好みや反応に合わせたて試行錯誤しましょう。

また、オフィスBGMを導入する際には、実績のあるナビゲーターの助言を得ることもおすすめです。オフィスBGMの効果的な活用方法や選曲のポイントを理解し、生産性を向上させるためにナビゲーターのアドバイスを活用することで、迅速に効果を実感できます。自分やチームの集中力や効率を最大限に引き出すために、オフィスBGMの導入は有益な選択肢のひとつといえるでしょう。

まとめ

オフィスBGMの効果は科学的に裏付けられ、集中力や生産性の向上に寄与します。音楽は自律神経を整え、交感神経と副交感神経のバランスを調整し、ストレスを軽減するのです。

適切なBGM選びは個々の感受性や状況に合わせて行い、効果的な集中タイムと休憩タイムの交互に作業を行うことがポイント。オフィスBGMの導入は、生産性の向上と従業員の健康増進に貢献します。この記事を参考に、効果的なオフィスBGMを取り入れてください。

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