健康優良法人の「ホワイト500」って何?

公開日:2023/10/15  最終更新日:2023/09/14

昨今では、従業員の健康管理及び企業の経営管理の両立を目指す「健康経営」に注目が集まっています。優良な健康経営を実践している法人は「ホワイト500」と呼ばれ、外部から高い評価を受けています。本記事ではホワイト500について詳しく解説し、健康経営に対する知見の向上に寄与します。気になる方はぜひ最後まで読み、参考にしてください。

ホワイト500の意味と認定のメリット

健康経営をおこなっている優良法人と判断されると「ホワイト500」として認定されます。ここでは、ホワイト500の意味と認定されるメリットについて解説します。

ホワイト500の意味

ホワイト500とは、経済産業省が制度設計し、日本健康会議が認定する、健康経営優良法人に与えられる称号のことを指します。ホワイト500は、健康経営に対し優良な取り組んでいる企業の価値を、社内外に周知することを目的としています。

ホワイト500は大規模法人部門のなかで、健康経営度調査の結果において上位500法人のみを認定した表彰制度です。ホワイト500に認定された企業は、健康経営優良法人のロゴマークを使用でき、高い社会的評価が受けられます。

ホワイト500に認定されるメリット

ホワイト500に認定されるメリットは社内、社外それぞれに対してさまざまなメリットがあります。以下はそのメリットの一例です。

・従業員のヘルスケアに貢献する

ホワイト500の認定を受けるには、従業員の健康に寄与する取り組みをおこなう必要があります。一例として、定期健康診断の受診率100%・ワークライフバランスの推進・メンタルヘルス対策・残業の削減、スポーツジム割引などがあります。こうした取り組みが過重労働を防止し、従業員それぞれの健康維持につながります。

・従業員の生産性が向上する

従業員の心身が充実すると、それにともない仕事に対するモチベーションが向上し、従業員の生産性向上が期待できます。また、体調不良による求職や退職に対するリスクも軽減できます。

・人材採用のコスト削減ができる

健康経営にともない労働環境が改善すれば、離職率が減少し、新たな人材を採用するコストを抑えられます。人材採用の時間と費用を削減できることは、人事や総務担当者にとって大きなメリットとなります。

・優秀な人材を獲得しやすくなる

従業員の健康を重視している企業とイメージされると、快適に働ける環境に配慮した企業だと認識され、安定性や将来性を重視した長期視点を持った優秀な人材が応募してくる可能性が高まります。

・販売促進効果が期待できる

消費者は、商品やサービスの質や価格だけでなく、提供する企業の理念や取り組みに共感して購買活動をおこないます。そのため、ホワイト500の認定企業であれば、企業価値が上がり、商品やサービスの販売促進につながる効果が期待できます。

・投資家からの評価が高まる

ESG(環境・社会・企業統治)を企業の長期的価値と関連づけて考える投資家から見て、ホワイト500の認定は、優良な投資対象だと判断されやすくなります。ホワイト500の認定は、人的資本に投資して長期的な成長を目指す企業であることを可視化する材料となり、投資家からの高評価につながります。

ホワイト500に認定されるための要件

ホワイト500に認定されるためには、経済産業省が定める要件を満たす必要があります。ここでは、ホワイト500に認定されるための5大項目について解説します。

経営理念(経営者の自覚)

経営トップが率先して健康経営に取り組んでいるか、社内外に健康経営の情報を開示しているかといった経営者の姿勢が問われます。

組織体制

健康経営のために、経営者層や管理者層が従業員の健康維持に取り組んでいるか、産業医や保健師、健康保険組合との連携が構築されているかが問われます。

制度・施策実行

健康経営の制度や仕組みを作り、適切に実行されているかが問われます。

評価・改善

実施された制度や仕組みは整っているか、検証し必要に応じて修正できる体制があるかどうかが問われます。

法令遵守・リスクマネジメント

労働基準法や労働安全衛生法などの法令を遵守しているか、定期健康診断やストレスチェックを継続的に実施する体制が整っているかが問われます。

健康経営度調査で高い評価を得るコツ

健康経営度調査とは「健康経営銘柄」の選定および「健康経営優良法人」を認定するための基礎情報を得るためにおこなわれる調査のことをいいます。

ホワイト500に認定されるためには、まず健康経営度調査で高い評価を受けなければいけません。ここでは、健康経営度調査で高評価を受けるコツについて解説します。

健康経営度調査票に事前に対策しておく

ホワイト500に認定されるためには、健康経営度調査で上位500社に入る必要があります。そのため、健康経営が正しくおこなわれているか事前のチェック体制が重要となります。以下は健康経営度調査票に対する対策のポイントです。

・情報開示先を証明できるようにしておく

ホワイト500に認定される要件の1つに「経営トップが社内外に健康経営の情報を開示しているか」があります。情報開示に関しては、情報発信の事実を述べるだけではなく、具体的な情報開示先を提示し、証明できるよう準備しておく必要があります。

・健康づくりの責任者は誰なのかを明確にしておく

健康経営度調査では、健康づくりの責任者は誰が担当しているのかが問われます。高い評価を得るためには、経営者層や管理者層が健康経営に積極的に取り組み、率先して牽引しているかが重要です。

・従業員の健康データを集計できる環境を用意しておく

健康経営度調査には、健康データの集計結果を記入する項目があります。そのため、定期健康診断で所見があった従業員の割合や、ストレスチェックの分析結果・従業員の有給取得率・休職や退職を選択した従業員の人数など、健康データを速やかに集計できる体制が必要です。

健康経営度調査を受けるメリット

健康経営度調査に参加することは義務ではありませんが、調査を受けることでさまざまなメリットを享受できます。

1点目として、健康経営度調査は後日、回答やフィードバックがチェックできる仕組みになっています。フィードバックをチェックすることで、自社における健康経営の現状や分析結果を知ることが可能です。フィードバックにより、改善点を把握することで今後の取り組みに活かせます。

2点目は、健康経営度調査に参加した企業の回答やフィードバックの一部については、経済産業省のホームページに公開されるため、他社の健康経営に対する取り組みを知ることが可能なことです。同業他社の取り組みと自社の取り組みを比較したり、他社の参考になる点を取り入れたりすることが可能になります。

3点目は、社会的責任を再認識できることです。健康経営度調査には、ESG投資やSDGsなどにおける企業の社会的責任が問われる項目があります。調査に参加することで、自社単体の問題だけでなく、企業として社会全体の問題に目を向けるきっかけとなり得ます。

まとめ

今回は健康優良法人の「ホワイト500」について解説しました。ホワイト500とは、健康経営優良法人に与えられる称号のことを指します。ホワイト500に認定されるメリットには、従業員のヘルスケア・生産性が向上・優秀な人材の確保・販売促進効果・投資家からの高評価など、さまざまなものがあります。

また、ホワイト500に認定されるためには、経営者の自覚・組織体制・制度や施策の実行・評価や改善・法令遵守やリスクマネジメントなどの要件があります。さらに、健康経営度調査で高い評価を得るためには、事前健康経営度調査票に対する対策が必要です。

「健康経営」に注目が集まっている昨今、ホワイト500の認定を受けて、健康経営に取り組む姿勢を社会に証明してみませんか。

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