休憩室でBGMを流したい!適した音楽とは?

公開日:2025/06/15  

休憩室 音楽オフィスにおける休憩室は、スタッフの業務効率アップのためにも欠かせない空間です。そして、休憩室の効果をより高めるためにBGMを導入したいと考える事業者もいるでしょう。しかし、休憩室に適したBGMの選定を行わないと、逆効果になってしまうおそれがあります。そこで今回は、休憩室で流すのに適したBGMについて解説します。

休憩室に適したBGMの条件とは

休憩室に流すオフィスBGMの選び方には、いくつかのポイントがあります。順番に、その内容を見ていきましょう。

歌詞付きの楽曲を避ける

休憩室で流すBGMには、歌詞が含まれている楽曲は避けるべきです。人間の脳には、言語や論理的な思考を担当する左脳と、直感的な認識やイメージを担当する右脳があります。

通常、仕事中には左脳がフル稼働しており、脳が言語的な情報を処理し続けている状態です。右脳の役割を活かしてリラックスするためには、左脳を休ませる必要があり、歌詞付きの音楽はその妨げになる場合が多いです。

歌詞がある音楽を聴くと、人間は無意識のうちに歌詞を追いかけてしまいます。これにより、脳が言語的な処理を続け、リラックスしたい休憩時間にも関わらず左脳を過剰に働かせてしまうのです。したがって、歌詞なしのインストゥルメンタルや環境音、または自然音を中心に選ぶことが休憩室にふさわしいBGMを選ぶコツです。

α波を誘発する音楽を選ぶ

脳波には、さまざまな周波数帯があります。そのなかでも、α波は精神的にリラックスし、落ち着いた状態を維持するために重要な役割を果たしています。

α波は、周波数が8〜13Hzの範囲に収まる脳波であり、リラックスしているときや安らいだ状態において脳が発する波です。α波が誘発されることで、リラックスした精神状態が保たれ、仕事から解放された時間を有意義に過ごせます。

1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)という音の特徴が、α波を促進することが分かっています。この音は、自然界のリズムに近いものであり、聴くことで脳を落ち着かせ、リラックスさせる効果があるとされています。1/fゆらぎの音は、たとえば風や水の流れる音、雨の音、または鳥のさえずりなどの自然音に近いものが多いです。

実際、東京理科大学の武者俊光教授の研究によると、1/fゆらぎが含まれた音は、脳波をα波に導くことが確認されています。さらに、男子大学生を対象に行われた実験でも、1/fゆらぎを聴くことが「穏やか」「安心する」「落ち着く」といった感情を引き起こし、リラックス効果があると証明されています。

したがって、休憩室に流す音楽としては、このようにα波を誘発する音楽が最適です。脳がリラックス状態に入りやすくなり、休憩時間を有意義に過ごせます。

休憩室のBGMとしておすすめな音楽を紹介

ここからは、休憩室に流したいおすすめのオフィスBGMをリラックスとリフレッシュの要素を重視して選び、3つの音楽ジャンルを紹介します。具体的な選曲で悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

ヒーリングミュージック

ヒーリングミュージックとは、リラクゼーションや癒しを目的に制作された音楽のことです。とくに、1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)という音波の特徴をもつヒーリングミュージックは、心と身体をリラックスさせるために最適です。1/fゆらぎは、自然界のリズムに近い音の揺らぎのことで、風や水の流れ、鳥のさえずり、波の音などがこの特徴をもっています。

自然音は、人間の脳をα波の状態に導き、精神的な安定とリラックスを促進します。α波は、脳波のうち8~13Hzの周波数帯を指し、リラックスした状態や深い集中状態で発生します。α波を引き出すことで、日々の仕事で感じるストレスや疲れを軽減する効果が期待できるのです。

また、ヒーリングミュージックの特徴として、音楽が静かで穏やかなメロディーラインをもつことが挙げられます。繰り返しの多いパターンや和音が、安定感を与えるのです。

そのため、休憩室で流す音楽としては、心身ともにリラックスできる理想的な選択肢です。とくに、洋楽のヒーリングミュージックも適しています。洋楽では、歌詞が含まれていても理解しにくいため左脳への影響を最小限に抑えることができ、リラックスした状態を維持できます。

クラシック音楽

クラシック音楽は、休憩室で流すBGMとして非常に人気のあるジャンルです。クラシック音楽は、長い歴史のなかで多くの人々に愛され、リラックスやリフレッシュ効果が高いとされています。クラシック音楽の多くには1/fゆらぎが含まれているので、脳をα波状態に導きやすく、精神的な落ち着きを促します。

クラシック音楽のなかでも、モーツァルトやバッハ、グリーグ、ラフマニノフなどの作曲家の作品は、精神的な安定やリラックスに非常に効果的です。とくにモーツァルトの音楽は、周波数が3,500Hz〜4,000Hzの範囲に収束しており、右脳を刺激して副交感神経を優位にする効果があるとされています。これにより、精神的な緊張がほぐれ、心身ともにリラックスできるのです。

また、クラシック音楽は構造が非常に豊かで、テンポや和音の変化が心地よく、聴き手を飽きさせることがありません。休憩室で流れるクラシック音楽は、仕事の疲れを癒し、リフレッシュ感を与えてくれます。実際の実験でも、クラシック音楽がリラックス効果を高めることが確認されています。

18〜64歳の女性227名を対象にした研究では、クラシック音楽を聴くことで「楽しくなった」「元気になった」「落ち着いた」という感情が多くの被験者に見られました。とくに、グリーグの楽曲は不安を軽減し、バッハの楽曲は抑うつ症状を和らげる効果が高いと分かっています。このような実験結果は、クラシック音楽が休憩室で流すBGMとして非常に有効であることを示しています。

ジャズミュージック

ジャズは、休憩室で流す音楽としても適しています。カフェやバーでよく耳にするジャズミュージックですが、独特のリズムやテンポが、オフィスの休憩室にもぴったりです。

ジャズは、リズムや音量の変化が豊富で、単調になりにくい特長があります。これにより、長時間聴いていても飽きることがありません。心地よくリラックスしながらも、眠気を感じることなく過ごせます

ジャズの特徴的なリズムのひとつに、スウィングやシンコペーションがあります。これらのリズムは、単調さを避け、適度な刺激を与えてくれるでしょう。

また、ジャズの音楽はテンポが比較的ゆっくりで、4ビートを基本としています。落ち着いた雰囲気のなかにもリズム感があり、覚醒感を保ちながらリラックスできる効果があります。

ジャズには、ブルーノートと呼ばれる音階が使われることが多いです。この音階は、一般的な音階とは異なり、しっとりとしたセンチメンタルな雰囲気を醸し出すため、速いテンポでもせわしない印象を与えず、心地よくリラックスできます。とくに、食事やお茶を楽しむときにぴったりの音楽です。

まとめ

オフィスの休憩室で流すBGMは、スタッフのリラックスやリフレッシュに欠かせない要素です。歌詞なしのインストゥルメンタルや自然音を中心に選ぶことが重要で、α波を誘発する音楽が理想的です。おすすめの音楽には、1/fゆらぎを取り入れたヒーリングミュージック、精神的な安定を促すクラシック音楽、そしてリズムの変化でリラックスしつつ眠気を防ぐジャズミュージックがあります。これらは心身のリラックス効果を高め、業務後のリフレッシュにぴったりな選択肢です。

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