YouTubeで配信されている楽曲をBGMとして利用するのは違法?

公開日:2022/09/01   最終更新日:2024/07/25


YouTubeでは多くの楽曲が配信されており、気軽に音楽を楽しめる手段の1つとしてなじみ深いものになっています。オフィスや店舗のBGMの導入を検討している場合、YouTubeの配信楽曲をBGMに使えないか、と考える方も少なくないでしょう。ここでは、BGMにYouTubeで配信されている楽曲を利用できるかを徹底解説します。

著作権とは

著作権は創作物を保護する法的権利です。音楽、文学、美術、映像など、人間の知的創造活動によって生み出された作品に対して与えられます。

著作権法により、作者は自身の作品を複製、公開、変更する独占的な権利をもちます。この権利は作品が創作された瞬間から自動的に発生し、一般的に作者の死後70年間続きます。

著作権は創作者の権利を守るだけでなく、文化の発展を促進する上で重要です。他人の作品を利用する際は著作権者の承諾を得るか、著作権の制限規定に該当するかを確認しましょう

利用承諾が必要になる場合

著作物を利用する際は著作権者の承諾が必要になる場合がほとんどです。たとえば、音楽をBGMとして使用する場合、楽曲を複製したり公衆に聴かせたりする権利は著作権者に帰属するため、許可を得なければなりません。

また、一部を引用する場合や原作を改変して使用する場合も許可が必要です。著作権者の承諾なしに著作物を使用すると著作権侵害となり、法的責任を問われる可能性があります。

利用承諾が必要ない場合

著作権法には一定の条件のもと、著作権者の許可なく著作物を利用できる例外規定があります。たとえば、私的な使用を目的とした複製や教育機関での授業での利用、図書館での複製などが該当します。

また、引用の範囲内での利用も可能です。ただし、引用する場合は出典を明記し、引用部分を明確にする必要があります。

YouTubeで配信されている楽曲はBGMとして使えない

YouTubeではさまざまな音楽が配信されています。YouTubeは音楽を気軽に聞けるメディアのように思われがちですが、YouTubeで配信された楽曲をオフィス・店舗のBGMとして使うことはできません。ここでは、YouTubeでよく配信されている曲を例にとり、BGMとして使用できない理由を解説します。

YouTubeの楽曲使用は著作権法違反の恐れあり

近年、アーティスト公式のチャンネルでMVなどがアップロードされることも増えてきました。YouTubeでは誰もが気軽に公式の楽曲に触れられますが、配信された楽曲を著作権者に無断でBGMとして流すと、使い方によっては著作権法に違反するケースがあります。たとえばオフィスや店舗でBGMに使う場合、従業員だけが聴く場所であれば、とくに問題はありません。

ただし、外部の取引先の方やお客さんが聴く可能性のある場所では、著作権侵害となる恐れがあるので要注意です。また、YouTube上で聞ける有名アーティストの楽曲の中には、著作権者に無断でアップロードされた「違法アップロード」の動画も多く混じっています。違法とされるのは、アップロード行為だけではありません。違法アップロードと知りながら、動画などのコンテンツをダウンロードした場合や、リアルタイムで再生した場合も罰則の対象となります。

著作権侵害の可能性がある具体例

YouTubeで著作権侵害とみなされるケースとは

YouTubeは誰でも気軽に閲覧・投稿できる動画共有サービスですが、利用にあたっては著作権を侵害しないように注意しなければなりません。YouTubeにおいて著作権侵害に該当する行為には、どんなものがあるのでしょうか。著作権侵害の可能性がある具体例を紹介します。

カラオケで歌っている映像の配信

自分がカラオケで歌っている様子をYouTubeなどで配信する場合、使用する音源が著作権をクリアしていないと違法になります。一般に公開されている楽曲には作曲者の著作権があり、無断でカラオケ動画配信に使うと著作権の侵害とみなされます。

一方で、YouTubeはJASRACと許諾契約を締結していて、JASRACが管理している楽曲なら許可なくカラオケ動画に使用しても基本的に問題ありません。ただし、CDやDVDなどの音源には著作隣接権が付与されているため、著作隣接権をもつ実演家・レコード製作者・放送事業者などの許可を得る必要があります。

著作権を侵害せずにカラオケ動画を投稿するには、自作の曲を使用するか、カラオケ用のフリー音源を提供しているサービスを利用するのがおすすめです。

投稿動画にCDの曲やダウンロード配信用の音源を使用

店舗BGMやオフィスBGMに楽曲を無断使用してはいけないのと同様に、YouTubeに投稿する動画でも、CDやダウンロード配信用の音源を著作者の許諾なしに使用してはいけません。これらの音源を無断で動画に使った場合、著作権の侵害となります。

CDに収録された曲や配信用の音楽を動画に使用したいときは、レコード会社など著作隣接権をもつ楽曲制作者に、個別に許諾を得なければなりません。JASRACに登録されている楽曲であれば、利用条件によって個別の許可を得ずに使用できることがあります。

JASRACが管理している楽曲でも、替え歌にしてアレンジする場合は、著作物の改変にあたるため楽曲の制作者の許諾が必要です。

テレビ番組・映画の映像や画像を無断投稿

テレビ番組や映画にも著作権があり、録画したテレビ番組や映画の映像・静止画を無断で投稿することは、著作権の侵害にあたります。YouTubeでは「まとめ動画」といった形でテレビ番組や映画の映像を編集したコンテンツが出回っていますが、これらの動画が発見された場合は利用規約違反として削除されます。

多くのテレビ番組や映画は著作物と認められていて、映画に関して著作権をもつのは監督や演出家、撮影者など制作にかかわった人たちです。テレビ番組や映画には著作者人格権も付与されていて、映像や画像を無断で改変した場合は著作者人格権に含まれる「同一性保持権」を侵害する可能性があります。

録画したテレビ番組を許可なくYouTubeなどの動画配信サービスに投稿することは、もちろん違法ですが、違法動画をダウンロードする行為も違法とみなされる可能性があるため注意してください。

他社が作成した動画の無断転載

自分が配信する動画に、他社が制作または配信した動画を無断で転載することは、著作権の侵害です。楽曲や映画だけでなく、他者が制作した動画にも著作物は認められ、ほかの人が許可なく複製することは無断転載にあたります。

まるごとコピーして自分の動画に転載する以外に、他社が制作したコンテンツの内容を勝手に編集して投稿した場合にも、同一性保持権の侵害とみなされる可能性があります。ただし、決められたルールに沿って「引用」するのであれば、著作者の許諾を得ずに利用しても違法とはなりません

アーティスト本人以外の演奏動画も権利侵害にあたる

アーティストの楽曲を第三者が演奏・歌唱している動画も、YouTubeではよく見受けられる動画の1つです。アーティスト本人の演奏でなければ問題ないと考える方もいるかもしれませんが、第三者による演奏の場合「著作隣接権」に抵触します。

著作隣接権とは、著作物を世の中に広める役割を果たす人々に認められる権利です。著作隣接権をレコード会社・放送事業者などにくわえ、実演家にも認められています。アーティスト本人以外の演奏であっても、無断でBGMに使用すると、実演者の権利の侵害となるので注意しましょう。

クラシック音楽の著作権にも要注意

クラシック音楽は、著作権の侵害にあたらない音楽の代表としてイメージされがちなジャンルです。著作権は、著作権者の死後、亡くなった翌年の1月1日から起算して70年間保護され、約71年目には著作権が消滅します。そのため、古い時代に作られたクラシックには、著作権で保護されていない楽曲が多く見られます。ただし、すべてのクラシックに著作権がないわけではありません。

一部のクラシックは、いまだに著作権の保護下にあるので、BGMとして使用する際には注意が必要です。また、クラシック音楽には必ず指揮者を含めた演奏者がいます。楽曲に対する著作権が消滅していても、第三者による演奏と同様に、実演者に対する著作隣接権侵害となる恐れもあります。クラシックなら著作権は関係ないという思い込みのもと、安易に使用しないようにしましょう。

YouTubeの動画は商用利用不可

そもそもYouTubeの規約上、動画の商用利用は禁じられています。規約では、動画などのコンテンツは個人的・非営利的な用途で利用するよう定められています。たとえば、不特定多数をターゲットにしてYouTubeの動画上映や音楽のストリーミングは禁止です。オフィスや店舗のBGMとして楽曲を流す行為は商用利用となる可能性が高いうえ、YouTubeの規約違反にあたります。そのため、YouTube上の動画をそのままBGMとして利用することはできない、と考えたほうがよいでしょう。

BGMとして使用できるYouTubeの楽曲

YouTubeに配信された動画をそのまま店舗BGMとして流すことはできません。ただし、YouTubeで聞いて気に入った楽曲があれば、動画そのものではなく、CDなどの別媒体で入手してBGMに使用することは可能です。ここでは、YouTubeで聞ける、BGMに使用可能な楽曲について解説します。

使用許可を得られた楽曲

著作権者や著作隣接権の所有者から使用許可を得ることで、著作権などを侵害せずに楽曲をBGMに利用できます。しかし、楽曲に関する利権は非常に複雑で、個人や小規模の企業が独自に楽曲の使用許可を取るのは簡単ではありません。著作権の場合、作詞・作曲家などの著作権者に申請が必要です。

また、レコード会社や実演家などの著作隣接権の保有者に対して許可が必要なケースもあります。著作権の管理をJASRACなどの著作権管理団体に委任している楽曲の場合、個別の著作権者ではなく、団体に申し入れることで許諾を得ることが可能です。JASRACの管理下にある楽曲を店舗などで使用する場合、店舗の面積に応じた料金を支払う必要があります。

著作権フリー・商用利用可能の楽曲

YouTubeの動画には、著作権フリーの楽曲を動画で配信しているケースもあります。YouTubeの動画そのものをBGMには利用できないものの、動画とあわせて配布元のサイトを紹介していることもあるので、著作権フリーの楽曲を探す手掛かりとして活用可能です。

ただし、店舗BGMとしての利用は商用利用にあたります。著作権がフリーであっても、商用利用ができるかどうかは、配布元のWebサイトなどで確認しましょう。また、配布方法によっては、1曲ずつダウンロードしなければならない場合もあります。楽曲の頭数を揃えようと考えると、手間がかかる方法かもしれません。

YouTubeオーディオライブラリは使える?

YouTubeの「YouTubeオーディオライブラリ」というコンテンツについて耳にしたことがある方もいるでしょう。YouTubeオーディオライブラリとは、YouTubeが提供している著作権フリーの楽曲・効果音素材です。ライブラリには楽曲・効果音が豊富に収録されており、BGMのジャンルも幅広く、さまざまな雰囲気に合った楽曲を探しやすくなっています。

さらに特徴的なのは、商用利用も認められていること。YouTubeオーディオライブラリがBGMに利用できるのでは、と考える方も少なくないでしょう。しかし、オーディオライブラリの規約には、ライブラリの音楽ファイルを単独で配信してはいけない旨が記載されています。

オーディオライブラリの楽曲の使用がはっきりと認められているのは、YouTubeの動画に使用する場合のみです。オフィス・店舗のBGMとして使うことは認められていない可能性が高く、使用するとYouTubeから訴えられる恐れもあります。YouTubeオーディオライブラリは、BGMの選択肢として一見魅力的ですが、使用は避けましょう。

YouTubeで著作権違反が発覚するとどうなる?

YouTubeに限らず、著作権違反に対しては罰則があります。YouTubeで著作権違反が公然とまかり通ると、屋台骨である動画配信に悪影響を及ぼしかねません。著作権を守るためにYouTubeでは独自の規約を設け、著作権・規約違反がないか、厳しく監視を行っています。

ここでは、YouTubeで著作権違反が発覚した場合に起きうるYouTube内での罰則と、法律上の罰則について説明します。

YouTube内での罰則

YouTubeの運営では、配信された動画の内容などをチェックしています。そのため、主にYouTubeで科されるのは、著作権違反の動画をアップロードした人に対するペナルティです。BGMの無断使用や違法アップロードなどの著作権違反を見つけると、最初に動画の削除要請を行い、要請に応じない場合は、アカウントの停止処分を科すのが一般的です。ただし、近年YouTubeにおける著作権違反への対処は厳しくなっています。削除要請の段階を飛ばして、突然アカウントが停止されるケースも散見されており、削除要請がないからといって安心はできません。

利用許諾が必要なケース

音楽作品を利用する際は著作権者の許可が必要となるケースが多く存在します。これは著作権法によって創作者の権利が保護されているためです。

利用許諾が必要な代表的なシーンとしては、結婚式での使用、店舗BGMとしての使用、そしてインターネット上での公開が挙げられます。これらのケースでは音楽の公開や複製が行われるため、著作権者の許可なしに利用できません。

とくに注意が必要なのは、商業目的での使用や不特定多数の人が聴取可能な状況での利用です。著作権者の権利を尊重し、適切な手続きを踏む必要があります。

ここでは、3つの利用許諾が必要なケースについて詳しく解説します。

結婚式での利用

結婚式で音楽を使用する場合、著作権者の許可が必要になります。理由としては結婚式が公衆に開かれた場で行われ、多くの人が音楽を聴ける状況にあるためです。

たとえば、挙式中のBGMや入場曲、披露宴でのダンスの伴奏曲などが対象となります。結婚式場や司会者が音楽を再生する場合も許諾が必要です。

ただし、多くの結婚式場ではあらかじめJASRACなどの著作権管理団体と包括契約を結んでいるため、一般的な楽曲であれば追加の手続きは不要です。しかし、海外の楽曲や特殊な曲を使用する場合は個別に許諾を得る必要があるかもしれません。

新郎新婦は結婚式場と相談しながら、使用する音楽の著作権について確認しましょう。

店舗BGMとしての利用

店舗でBGMとして音楽を流す場合、著作権者の許可が必要になります。理由は店舗が公衆に開かれた場所であり、不特定多数の人が音楽を聴ける状態にあるためです。

レストラン、カフェ、ショッピングモール、美容室など、あらゆる商業施設が対象になります。

BGMは店舗の雰囲気を演出し、顧客の購買意欲を高める効果があるため、多くの店舗で利用されています。しかし、個人で購入したCDやストリーミングサービスの楽曲を無断で店舗BGMとして使用する行為は著作権法違反です。

利用するためにはJASRACなどの著作権管理団体と契約を結ぶか、著作権フリーの楽曲を使用する必要があります。店舗の経営者はBGM利用の際に適切な手続きを踏みましょう。

動画投稿サイトやブログでの利用

動画投稿サイトやブログで音楽を使用する場合、著作権者の許可が必要となります。理由はインターネット上での公開が不特定多数の人に向けた「公衆送信」に該当するためです。

YouTubeやTikTokなどの動画共有プラットフォーム、個人のブログやWebサイトでの音楽利用が対象となります。

たとえば、動画のBGMとして市販の楽曲を使用したり、ブログ記事に歌詞を引用したりする場合は著作権者の許諾が必要です。無断で使用すると著作権侵害となり、動画の削除やアカウントの停止などのペナルティを受ける可能性があります。

利用するためには著作権フリーの楽曲を使用するか、著作権管理団体と契約を結ばなければなりません。

利用許諾が不要なケース

音楽の利用は常に著作権者の許可が必要というわけではありません。著作権法には一定の条件下で許諾なしに著作物を利用できる規定が設けられています。

これらは「権利制限規定」と呼ばれ、文化の発展や個人の表現の自由を保障する目的で定められています。具体的には営利を目的としない上演や演奏、私的使用のための複製などです。

ただし、これらの例外規定にも細かな条件があり、無制限に利用できるわけではありません。著作権保護期間が終了した楽曲に関しては自由に利用可能です。

ここでは、2つの利用許諾が不要なケースについて解説します。

営利目的でない上演など

著作権法では営利を目的としない上演や演奏について、一定の条件下で著作権者の許可なく実施できると定めています。具体的には入場料を徴収せず、出演者にも報酬を支払わない場合が該当します。

たとえば、学校の文化祭や地域の祭りでの演奏、慈善目的のコンサートなどです。ただし、この規定は上演や演奏に限定されており、録音や録画には適用されません。

また、公衆に直接聞かせることを目的としない場合、たとえば街頭演説のBGMとして音楽を流すような利用方法は該当しないので注意が必要です。

営利目的でない上演や演奏であっても、著作権法の細かな規定を遵守しましょう。

私的使用のための複製

個人的もしくは家庭内などの限られた範囲内での使用を目的とする場合、著作権法では著作物の複製が認められています。これは「私的使用のための複製」と呼ばれるものです。

たとえば、購入したCDを自分用にMP3形式に変換したり、テレビ番組を録画して後で視聴したりする行為が該当します。ただし、この規定には重要な制限があります。

複製を行う本人が使用するためのものであり、家族や親しい友人との共有に限られます。また、技術的保護手段を回避して複製を行う行為はNGです。さらに違法アップロードされた音楽や動画のダウンロードも違法となります。

規定を正しく理解し、適切に利用する意識を持ちましょう。

違反した場合の罰則規定

著作権法に違反した場合、民事上の責任と刑事上の責任が問われる可能性があります。民事上では、損害賠償請求や差止請求の対象となり、違法に利用された著作物の使用料相当額やそれ以上の賠償金を支払わなければならない場合があります。

刑事上では最大で10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があるので注意が必要です。とくに悪質な場合や組織的な違反の場合は、より重い罰則が適用される場合もあります。

また、著作権侵害は親告罪ですが、一定の要件を満たす場合は非親告罪として扱われ、著作権者の告訴がなくても起訴される可能性があるので注意してください。

これらの罰則は著作権者の権利を保護し、創作活動を奨励するために設けられています。音楽を利用する際は常に著作権に配慮し、必要な手続きを怠らないようにしましょう

著作権侵害の訴訟事例

YouTubeでは、実際に著作権違反をめぐって訴訟が起きた実例もあります。著作権違反の疑いがある動画はYouTube側でも厳しく監視されてはいるものの、サービス上に未だたくさん出回っていることも事実です。

そうした状況のなかで、著作権を守るために著作権所有者が実際に行動を起こすことも珍しくはありません。代表的な訴訟事例をいくつか紹介します。

カラオケ動画の公開

カラオケで歌っている映像、いわゆる「カラオケ動画」はYouTube上にも多数公開されていますが、DAMなどの機種を手掛けるカラオケ会社の第一興商が、YouTubeにカラオケ動画を後悔した個人に対して動画の取り下げを求めた訴訟事例があります。

第一興商側は動画の公開禁止等の請求を行い、結果的に動画の公開が禁止されました。

YouTubeで曲名の検索をかけると、歌ってみたというタイトルで多くのカラオケ動画が見られます。しかし、これらの動画は今回の訴訟事例のようにカラオケ会社が訴えを起こしていないだけで、請求がなされた場合には同様に公開禁止となるケースも多いです。

自分が好きな歌を皆に広めたい、上手に歌えたから聴いてほしいといった純粋な気持ちで投稿した動画であっても、そこに著作権の問題が残っていれば立派な処罰対象となってしまう点には注意が必要です。

「ファスト映画」のアップロード

YouTubeにはアニメやドラマの一部を切り抜いた著作権侵害の動画が多く見られますが、なかでも訴訟問題にまで発展したのがこの「ファスト映画」のアップロードです。

ファスト映画とは、通常2時間程度ある映画を編集で10分程度に短くまとめて、ナレーションや字幕とともにその映画の内容を説明する動画です。

映画内の一部映像を無断使用していることはもちろん、そこに字幕やナレーションといった独自的な編集を加えるのも著作権侵害とみなされます。このファスト映画は1回の再生で200円を下らない損害額があると認められ、ファスト映画の投稿を行っていた2名に対して5億円の損害賠償命令が下されています。

ファスト映画はこの訴訟された個人やチャンネルのみに限らず、数十もの国内外のチャンネルで投稿されていました。今回の訴訟をきっかけにチャンネルの削除が相次ぎましたが、海外映画のファスト映画を投稿しているチャンネルなどは未だに存在しており、YouTube側の早急な対応が望まれています。

ゲームやアニメのネタバレ動画投稿

ファスト映画と同様、ゲームやアニメの映像を無断で編集して公開する、いわゆる「ネタバレ動画」を公開したことで訴訟になった事例もあります。著作権法違反に問われた男性には懲役2年、執行猶予5年、罰金100万円の判決が下されました。

このようなゲームやアニメの一部を切り抜いて配信する行為も、制作会社への利益を大きく損ねる重大な問題につながります。メーカーによっては配信についてガイドラインを定めており、一部については配信を認めているケースもあります

もしゲームやアニメを公開する場合は、必ずメーカーや制作会社が公開しているガイドラインに則る形で、法に抵触しないように実施しなければなりません。面白いゲームやアニメを紹介したいからといって、ガイドラインを確認せず自由に公開する行為はやめておきましょう。

YouTubeでBGM・音楽を使用する際の注意点

YouTubeでBGM・音楽を使用する場合、どのような点に注意すべきなのでしょうか。なにも考えずにBGMや音楽を使用してしまうと、気づかないうちに著作権を侵害していたというケースは多いです。

使用しても問題がないBGMや音楽もあるため、以下の項目を意識したうえで慎重に動画は公開してください。

権利についてよく確認する

使用したい音源がある場合、その音源の権利についてよく確認しましょう。音源のなかには制作者が著作権を行使せず誰でも自由に利用してよいもの、いわゆる著作権フリーとして配信されているものもあります。

また、商用利用は不可で非商用利用での使用は認められている音源などもあるため、事前に各音源の正しい取り扱いについて権利を確認してみましょう。

公式が提供するオーディオライブラリを使用する

YouTubeは公式でオーディオライブラリという、動画で自由に利用可能な音源をダウンロードできるサービスを提供しています。BGMはもちろん、ちょっとしたシーンで使える効果音も多数配布されているため、こだわりがなければオーディオライブラリ経由で音源をダウンロードして利用するのが著作権的にも安全です。

オーディオライブラリはYouTubeにログインしていれば誰でも利用可能です。著作権に考慮してトラブルが起こらない動画を確実に作りたい場合は、こちらで配布されている音源を有効活用してみましょう。

著作権の所有者に連絡する

どうしても使いたい音源がある場合、その音源の著作権所有者に連絡して使用許可をもらいましょう。他人が制作した音源には基本的に著作権があるため、配布サイト等で明記されていない限りは自身で利用許可の連絡が必要です。

この方法には手間やコストもかかるため、なるべく著作権フリーと明記されている音源や、公式のオーディオライブラリで配布されている音源の利用をおすすめします。

法律上の罰則

著作権法に違反する行為には、YouTube内だけでなく、当然法的な罰則も避けられません。違法アップロードや楽曲の無断使用など、著作権の侵害が発覚した場合、著作権者個人や関連企業などから訴えられる可能性があります。懲役・罰金などの刑罰が科される恐れもあり、処分の重さはYouTubeのアカウント停止の比ではありません。個人での利用ももちろんのこと、BGMなどの著作物をオフィスや店舗などに導入する場合は、十分に注意を払いましょう。

安心してBGMを導入したいならオフィスBGM業者がおすすめ

BGMの導入には、著作権の問題が大きく関わります。軽い気持ちでYouTubeの配信楽曲などをBGMにしていると訴訟を起こされるなどのリスクがともないます。安心してオフィスや店舗にBGMを導入したい場合は、オフィスBGM業者を利用するのがおすすめです。オフィスBGM業者であれば、著作権への対応を一手に引き受けてもらえる点が、大きなメリットの1つです。サービスの契約と同時に、ワンストップで権利関係についても安心して任せられます。

また、業者では取り扱っている楽曲のバリエーションが豊富で、BGMの再生に必要な機材などについても、相談に乗ってもらえることもあります。自力でBGMを導入する際には手間がかかり、メインの業務を圧迫する可能性もありますが、業者のサービスを利用するとプロのノウハウで様々な問題を一挙に解決することも可能です。それぞれの業者には異なるバックグラウンドがあり、得意分野も異なります。自社オフィスや店舗の悩みを解決してくれる業者を探してみましょう。

なかには、資料請求などにくわえて、無料のトライアルを受け付けている業者もあります。サービス内容が自社・店舗に合っているかどうかを見極めてから、契約することも可能です。

まとめ

YouTubeで配信されている楽曲はオフィスや店舗のBGMとして利用できません。YouTubeの規約違反を問われるうえに、楽曲の使用そのものが著作権法違反となる恐れがあります。著作権法違反が発覚すると著作権者から訴えを起こされ、場合によっては刑罰が科せられます。トラブルを起こさずにBGMを使用するには、楽曲の著作権者や関連法人などの承諾を取りつけることが必要です。そこでおすすめなのが、オフィスBGM業者の利用です。業者に依頼すると著作権への対応も引き受けてもらえるので、安心してBGMを導入できます。資料請求や無料トライアル期間などを駆使し、オフィス・店舗に合ったサービスを探してみましょう。

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