ラウンジミュージックを店舗BGMとして使用する際の注意点とは?
店舗BGMとして、ラウンジミュージックを使用されていますか?店舗BGMに使用する音楽ジャンルは、店舗のコンセプトを決める上でも重要であり、慎重に決定する必要があります。この記事では、ラウンジミュージックとは何かをはじめ、適したシーンや使用する上での注意点を解説しているため参考にしてみてみてください。
そもそも「ラウンジミュージック」とは?
カフェやホテルで流れることが多いラウンジミュージックですが、具体的にどのような音楽なのでしょうか。詳しく確認しましょう。
起源
ラウンジミュージックとは、耳になじみやすく、落ち着いた雰囲気の曲を指すことが一般的であり、1950年代から70年代にかけてのイージーリスニングミュージックを起源とする音楽ジャンルです。イージーリスニングは小編成のオーケストラやインストルメンタルが多く、気軽に聞くことができる曲である特徴があります。
イージーリスニングはホテルのラウンジ、空港のロビーなどで流されていました。1990年代になってラウンジミュージックに名称が変わりましたが、ラウンジやロビーなどで流しやすいという性質は変わりませんでした。そして、現代に至るまで、ラウンジで流されるジャンルとして広く受け入れられています。
音楽的特徴
曲調はゆったりとしていて起伏が少なく、楽器が小編成であるという特徴があります。ピアノのみの編成であることも多く、楽器の主張を抑えた曲調です。各楽器がソロをとり、楽曲をリードしていく印象は薄い楽曲で、曲に聞き入るというよりは雰囲気を味わうジャンルです。ラウンジミュージックの対極にあるジャンルとして、ロックやクラブミュージックが挙げられます。
ロックやクラブミュージックは、各楽器から奏でられる複雑なリズムや、主張の強いメロディ、楽器によるソロなどにより、攻撃的で高揚感のあるジャンルです。ロックやクラブミュージックは、音楽にフォーカスする聴き方をとります。言い換えれば、音楽による自身の感情変化を楽しむジャンルといえます。楽曲が好みだと自身によい変化が生まれますが、好みでなければ不快感を覚えるなど、好みが分かれやすい傾向があります。
加えて、気分や体調によってはうるさく感じたり、聞き疲れする場合があったりするジャンルです。一方、ラウンジミュージックのゆったりとした曲調や、主張しない音楽的特徴を持っているため、好き嫌いが生まれにくいです。好みに左右されにくい特徴から、誰しもが不快に思わず、その空間でくつろぐことができます。また、音楽が主張しないため、同席者との会話の邪魔をしづらいという性質もあります。ラウンジミュージックは誰しもに受け入れられ、音楽自体が主張しないという音楽的特徴から、店舗BGMとして頻繁に流されているのです。
ラウンジミュージックに適したシーン
ラウンジミュージックは、人によって好き嫌いが発生しづらいという音楽的特徴から、店舗BGMとして使用するのに理想的なBGMです。では、どのようなシーンでラウンジミュージックを使用するべきなのでしょうか。
落ち着いた雰囲気を演出する
ラウンジミュージックは、落ち着いた雰囲気を狙って流すことが多いです。スローテンポで起伏が少ない曲調から、聞いたお客さんは気分が落ち着く傾向にあります。上品なラウンジミュージックを流すことによって、店舗の雰囲気を上質なものに感じさせることができます。ホテルやカフェなどのくつろぐことを目的とした店舗で流すことによって、また訪れたいと感じさせ、リピーターの獲得が期待できるのです。
滞在時間の延長を狙う
ラウンジミュージックは、滞在時間の延長を目的に流すことがあります。スローテンポな曲調を流している場所は、滞在時間と消費金額が増加するという実験結果が報告されているため、非常に効果的です。ラウンジミュージックの落ち着いた曲調が、居心地のよい空間演出に寄与していると考えられます。また、楽曲が過度な主張をしないというラウンジミュージックの性質から、同席者との会話を阻害することがありません。
よって、会話が盛り上がり「この店舗は楽しい」という感情が生まれ、再び店舗を訪れることが期待できるのです。飲食店などでは滞在時間の延長が期待できるため、ラウンジミュージックが適しているといえるでしょう。また、長期の滞在が商談につながるため、会社のラウンジや商談スペースなどにもマッチします。
ラウンジミュージックを店舗BGMとして使用する際の注意点
落ち着いた雰囲気や、長期滞在を狙う際にラウンジミュージックを流すと効果的であることが分かりました。ラウンジミュージックを流す際には注意点があり、適切に守ることで効果を最大限に発揮できます。次から注意点をご紹介します。
著作権
ラウンジミュージックを流す際に注意したいのが、音楽の著作権についてです。著作権法に基づいて音楽は管理されています。店舗でBGMを流す場合は商用利用となり、使用料支払いの対象です。店舗で流す音楽がJASRACなど権利管理団体で管理されているのか、個人で権利を所有しているのかを確認し、適切に使用料を支払いましょう。インターネット上の音楽配信サイトで購入した場合でも、無断使用は違法行為となるので注意が必要です。しかし、個人で権利者の確認を行い、使用料を支払うのは店舗の作業負担が増え、面倒に感じるかもしれません。
そこで、店舗BGMの配信業者に依頼するという方法があります。配信業者の配信使用料を支払う必要がありますが、配信業者が著作権への対応を行うため、店舗側の面倒な手続きをカットしてBGMを流すことができるのです。必要に応じて利用を検討しましょう。
設備の用意
店舗でBGMを流す場合は、さまざまな設備が必要です。インターネットによる配信が可能となった現在はハードルが低くなったとはいえ、設備の確認は必要です。インターネットを介する配信業者であれば、インターネット回線、再生端末、スピーカーが必要です。
Bluetoothを使用しての楽曲送信が可能な場合は、スピーカーや再生端末が対応機種か、確認をする必要があります。スピーカーの設置場所が適切ではない場合、BGMを効果的に流せないばかりか、不快と感じる原因となるので、設置場所には注意しましょう。
ジャンル
ラウンジミュージックの中にもジャンルは複数あるため、用途に合わせて選択しましょう。都会の洗練された雰囲気に合ったブラックミュージックや、年配のお客さんにマッチした落ち着いたジャズなど、店舗の場所や客層に合わせた選択を行うことで、より効果は高まります。配信業者を利用する場合、どのようなジャンルが用意されているのか、よく確認することが重要です。
音量
気をつけなければならないのが音量です。客席から聞こえる音量が大きすぎる場合、お客さんが不快に感じ、落ち着いた雰囲気を作り出したり、滞在時間を延長したりするというラウンジミュージックの効果を活かすことができません。結果、売上が上がらず、リピートが期待できなくなります。多くのお客さんが来店している状態と、開店時の誰もいない状態では聞こえ方が違うため、随時チェックし、不快な音量になっていないか確認することが求められます。
まとめ
ラウンジミュージックとその効果、注意点について解説しました。ラウンジミュージックは、スローで起伏の少ない音楽的特徴を持っているため、人々に落ち着いた印象を与えます。また、会話を阻害することがないため、店舗への長期滞在、リピートが期待できるのです。効果を最大限に発揮するため、著作権や設備対応などを充分に検討しましょう。著作権への対応は個人では難しいため、配信業者に依頼するのが確実です。店舗BGMを検討している方の参考になれば幸いです。