自然音をオフィスBGMにするメリットについて解説!

公開日:2023/01/15  


オフィスBGMにジャズやクラシックなどを利用する企業は多いですが、自然音もオフィスBGMに有効です。本記事では、オフィスBGMに自然音を使うことのメリットと、おすすめの自然音を解説します。またオフィスでBGMを利用する場合の注意点についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

自然音をオフィスBGMにするメリット

自然音をオフィスBGMにするメリットはどのようなものがあるのでしょうか?ここではメリットを解説する前に、自然音の効果と1/fゆらぎについて解説します。

自然音の効果とは

自然が多い場所に行くと、気持ちが落ち着き心地よくなりますよね。小鳥のさえずりや葉っぱ同士が擦れる音、川のせせらぎなど自然音の多くには1/fゆらぎという特有の周期があります(詳しくは後述します)。

1/fゆらぎが含まれている音を聞くと、人間の脳にはα波が発せられ脳がリラックス状態になります。そのため自然音を聞くと気持ちが落ち着いたり、イライラが解消されたりするわけです。ほかにもα波は疲労回復や安眠効果、老化防止や記憶力向上、集中力UPなどの効果が期待できます。

1/fゆらぎ

自然界の音に心地よさを感じるのは、1/fゆらぎが含まれているからだといわれています。1/fゆらぎは波の音や雨の音にも含まれますが、音を言語化すると「ザー」という音でしかありません。しかし機械から異音がしたときの「ザー」と波と雨の音は似ても似つかないですよね。

これはゆらぎがあるかないかの違いです。ゆらぎの視覚的な例としてはロウソクの火、聴覚的な例は波の音です。人間はゆらぎが大きすぎると不安になり、ゆらぎが小さすぎると単調で飽きてきます。自然音に含まれる1/fゆらぎはゆらぎの大きさが程よく、規則的な周期の中の意外性と予測できそうでできない不安定さが人に心地よさを与えます。

・なぜ人は1/fゆらぎが心地よいのか

人が1/fゆらぎに対し心地よさを感じるのは、心臓の鼓動のリズムが1/fゆらぎだからといわれています。一般的に健康な心臓はまったく同じ周期で脈を打たず、1/fゆらぎを含んだリズムで脈を打ちます。規則的な部分と意外性な部分の両方を持ち合わせているわけです。また先ほどお伝えしたα波や、人間の細胞が発する電気パルスの間隔も1/fゆらぎだとされています。要は人間が1/fゆらぎで心地よさを感じるのは必然といえるのかもしれません。

しかし、自然音が1/fゆらぎだからといって、必ず人間の感情や作業効率によい影響を与えるとは限りません。その場所の気温や湿度、直前にあった出来事などに起因して、1/fゆらぎは人によい影響を与えます。そのため「心地よいな」と感じた音楽にたまたま1/fゆらぎが含まれていることはあっても、1/fゆらぎが含まれているから心地よいにはならないということです。そのため、オフィスBGMに自然音を使用する場合には社員の意見も取り入れて、流すタイミングや流す場所を定期的に更新していく必要があるでしょう。

あらためて自然音のメリットを紹介

自然音のメリットは「副交感神経を優位にする」ことです。副交感神経が優位になることで、ストレスの軽減と集中力の向上が期待できます。

ストレスの軽減が期待できる

自然音には1/fゆらぎが含まれているため、脳内にα波が分泌されます。α波が発せられると、リラックス効果とストレスの抑制効果が期待できます。また疲労回復や認知能力向上、集中力UP、免疫力向上などにも効果があります。

集中力の向上

集中力をUPするには交感神経が優位な戦闘状態と、副交感神経を優位にしてリラックスする状態をうまく行き来することが大切です。人間の最高時の集中力は長くて15分程度しか持たないといわれており、適度な集中力であっても90分が限界だといわれています。実際「60分勉強グループ」と「15分×3セット(間2回休憩)勉強グループ」を比較した研究では「15分×3セット勉強グループ」のほうがテストの結果がよかったことが示されています。

そのため、15分間も勉強時間が少ない15分×3セットのほうが成績がよかったのには、集中力が関係しているといえるでしょう。オフィスでは画面に常に向き合い、仕事に打ち込む方が多い傾向にあります。交感神経が優位の状態で何時間も作業してしまうと、リラックスするタイミングがなく疲弊してしまいます。そんなときに副交感神経を優位にできる自然音を流し、定期的にリラックスタイムを設けることで、よい集中力を継続させることができるでしょう。

オフィスに流すのがおすすめの自然音

自然音であれば何でもよいというわけではなく、研究的に示されたよい自然音があります。ここからはオフィスで流すとよい自然音について解説します。

鳥のさえずりが含まれた自然音

自然音が人間に与える影響を調べるため、カナダのカールトン大学とアメリカ合衆国国立公園局が協力し、複数の研究を分析しました。その結果自然音を聞くことにより、認知能力の改善、ネガティブ思考の改善、痛みの軽減などの効果があると証明されました。

その中でもとくに効果が高いといわれているのが鳥のさえずりで、ストレス軽減に効果的だと説明しています。この研究では実際の公園を使用し、生音での効果をまとめていますが、機械から流すBGMでもある程度の効果があるといわれているため、鳥のさえずりが含まれたBGMを使用してみるとよいでしょう。

波の音

波の音は自然音であるため1/fゆらぎが含まれており、集中力の向上やストレスの軽減に役立ちます。さらに、波の音は子宮の中の音に似ているといわれ、潜在的なリラックス効果が期待できます。

雨音

大雨の時は、建物内にいても「ザー」という音が聞こえ、生活音が小さくなります。これをマスキング効果と呼び、集中力向上に効果があります。とくにインプット作業をするときなどは周りの音がしないほうが記憶に定着しやすいといわれているため、自習室などで利用するとよいでしょう。

しかし、晴れの日に比べて雨の日は気分が落ちやすいという方もいます。社内全体で雨の音を流してしまうと、モチベーションが下がってしまい仕事の効率にも影響するかもしれないため、一度お試し期間を設け、アンケートを取るなど工夫は必要です。

オフィスに流すのがおすすめの自然音以外のBGM

オフィスで自然音を流すメリットは理解できましたか?しかし、自然音だけでは味気ないと感じる方もいるでしょう。そこでここからは、オフィスで流す自然音以外のBGMを紹介します。

おすすめはクラシック

クラシックの中でもとくにモーツァルトの楽曲は1/fゆらぎを含んでいるため、α波の発生を促進してくれます。自然音に似た特性を持っているので自然音とクラシックを交互に流すと気分転換になるでしょう。

ヒーリングミュージック

1/fゆらぎを持つ音楽として、ヒーリングミュージックもおすすめです。ヒーリングミュージックにはストレスの軽減や、リラクゼーション効果があると科学的に証明されており、実際、駅構内や病院の待合室、オフィスの休憩室などで利用されています。

音楽を流す際に気を付けること

オフィスBGMに自然音を利用するのはよいですが、注意すべき点もあります。ここからはオフィスで音楽を流す際に気を付けることについて解説します。

繰り返し再生はしない

繰り返し同じ音楽をかけるのは、だんだんストレスがたまっていくため避けるようにしましょう。またクラシックやヒーリングミュージックなどは人の好みがあるため、毎日好きではない音楽を聞いていると1/fゆらぎが含まれていたとしても、効果を得ることは難しいでしょう。より音楽の効果を体感できるようにするには、毎日違うタイプの自然音やクラシックを使用することが大切です。

著作権に気を付ける

オフィスで自然音を流す場合に、YouTubeから流すのは避けましょう。個人的に聞く分にはよいですが、商用利用が不可である場合があったり、著作権侵害に値したりする可能性があります。また購入したCDなども店舗使用の著作権申請を行わないと法律違反となります。商用利用に関してはいくつかの申請項目があるので、注意しましょう。

まとめ

今回はオフィスBGMを自然音にするメリットについて解説しました。自然音は昔から人間が聞いてきた音であるため、潜在的に心地よいと感じる音になります。自然音をオフィスBGMに取り入れることで、従業員の集中力UPやストレス改善につながるでしょう。またオフィスではなく、トイレや休憩室のみでBGMを利用するのも、仕事場とリラックススペースの使い分けができるためおすすめです。

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