店舗でラジオをBGM代わりに流すメリット・デメリットについて解説!
オフィスBGMをラジオで代用するとどうなるのでしょうか。BGMを流すことにより、オフィスや店舗の雰囲気を印象づける効果があります。一方、ラジオを流した場合には少し感じ方が違います。この記事では、BGMをラジオで代用することのメリット・デメリットについて詳しく解説しているため、参考にしてみてください。
ラジオの種類ごとの特徴
ラジオの種類は大きく分けてふたつあります。ひとつは電波放送としてのラジオです。主にAM、FMに分かれており、ラジオと聞くとこちらを連想する方が多いかもしれません。
もうひとつは新しい形態のラジオであるインターネットラジオです。ラジオのメリット・デメリットをご紹介する前に、電波放送としてのラジオとインターネットラジオの特徴を押さえておきましょう。
電波放送としてのラジオ
ラジオ放送局が電波を送信し、受信機で音声を聞くことができる形態のラジオです。ラジオというと一般的にこの形態を指します。電波放送としてのラジオは電波を受信できない環境では聞くことができないという特徴があります。種類は、AMとFMに大別されます。AMは、遠くまで伝わる性質を持ち、広い範囲に向けて放送できるという長所があります。
一方、電波の混信などによるノイズが入りやすく、音質はよくないという性質を持ちます。そのため、音楽よりもトーク番組などに使用するのが最適です。FMは遠くまで伝わらず、広い範囲での放送はできません。しかし、AMと比較してノイズに強いため音質はよく、音楽番組にも対応できるというメリットがあります。ラジオの電波は、山や鉄筋コンクリートなどの遮蔽物に弱いのが一般的で、ノイズが入ったり、聞くことができなくなったりする場合があります。
インターネットラジオ
電波放送としてのラジオとは異なり、インターネット上で配信されている形態のラジオです。インターネット上で配信されるため、電波放送のデメリットであるノイズや放送範囲の制限を受けず、クリアな音声が安定して受信できるというメリットがあります。放送を聞くためには、インターネット接続のための回線の設置が必須です。
店舗でラジオをBGM代わりに流すメリット・デメリット
ラジオをBGMとして流すメリットとデメリットについて説明します。
メリット
BGMの代わりにラジオを流すことで、費用を抑えることができることが大きなメリットです。店舗など、不特定多数が訪れる場所でBGMを流す場合は、楽曲の著作権使用料を払う必要があります。音楽配信業者と契約すれば著作権を気にせずにBGMを導入できますが、初期費用と月額料金が発生します。BGMを安価で維持費の安いラジオで代用することで、音楽配信業者への初期費用と月額料金の費用を抑えることができるのです。
また、人の声を聞くことにより、安心感が生まれること、暇な時間に情報を得られることもラジオを流すメリットです。災害時の放送や緊急速報などをタイムリーに聞くことができることは、ラジオにしかできないことです。
デメリット
BGMにラジオを使うことでデメリットも生まれます。電波放送としてのラジオは環境に左右されやすいため、不快なノイズが入る場合があります。加えて、電波を受ける適切な向きは環境によって随時変化していくため、将来的にノイズが増える可能性があり安定性に欠けます。インターネットラジオの場合はノイズに強いですが、インターネットの回線やスピーカーを設置する必要があります。
ラジオを流すうえで問題となりやすいのが、番組内容を吟味しなければならないことです。ラジオのトーク番組などは会話が中心です。人の声は耳に入りやすく、注意を取られるため、静かな店舗では雰囲気にマッチしないでしょう。内容によっては気が散ったり、落ち着かない雰囲気を与えたりすることがあります。
お客さんの好みではない番組が流れた場合は「この場に居たくない」という考えが生まれ、店舗を離れてしまいかねません。ラジオは多種多様な番組で構成されています。店舗の求める雰囲気とマッチする番組ばかりではないことから、店舗BGMの代わりにラジオは使用しづらいのです。
より多くのお客さんに好印象を与えたい場合は「音楽」の使用がおすすめ
店舗BGMの代わりにラジオを流すことは、多くのデメリットがあることが分かりました。店舗のイメージは店の売上げにも直結する重要な要素です。より多くのお客さんを店舗に取り込みたい場合は、ラジオではなく「音楽」を使用するのがおすすめです。ラジオではなく、音楽を流すことで生まれるメリットがあるからです。
気が散らない
人の声は耳に残り、現在行っている思考、行動を妨げます。音楽は自然に耳に入ってくるため、気をそがれることがなく買い物を楽しむことができます。
音楽によって店舗のコンセプトを際立たせる
流す音楽のジャンルにより、店舗のコンセプトを強調できます。ゆったりとした音楽は、長く滞在したいと思わせる効果があり、落ち着いた雰囲気を作ります。アップテンポの音楽は、買い物したい、楽しいと感じさせる効果があり、購買意欲が高まります。
ラジオは多くの番組があり、多種多様なジャンルの音楽が流れるため、店舗のコンセプト作りには不適格です。コンセプトを際立たせる効果を狙うことはラジオでは難しく、店舗BGMでしか実現できないのです。作りたい店舗イメージを想定し、対応するBGMを検討するとよいでしょう。
実際に店舗でBGMを流す際の注意点
流れる音楽は、店舗コンセプトを形作る要素のひとつであるため、店舗のイメージどおりの音楽を選択することが重要です。ここでは、BGMを流す場合の注意点をご紹介します。
店に合わないジャンルは避ける
店のイメージに合わないジャンルの音楽は、お客さんが落ち着かないことに加え、店舗を離れてしまい、購買行動などに結びつきません。カフェであればボサノバ、ジャズ、販売店であればポップス、エステであればヒーリングミュージックなど、業態に合うジャンルはある程度決まっています。業態とマッチする、居心地のよい雰囲気を作ることができれば、購買行動が期待できます。
客層を考慮する
客層によって流す音楽を変えましょう。若年層と熟年層では好む音楽が違います。若年層向けのスピードや展開の早い音楽は、熟年層にとっては聞き疲れしてストレスとなるのです。熟年層の集まるデパートなどでは、ゆったりとした曲を選択すべきです。アップテンポの音楽を好む熟年層もいますが、客層の多数が好むであろう音楽を選択するのが無難です。
音量が大きすぎないように
大きすぎる音量はお客さんを不快にさせ、クレームにつながります。ただ、テンポの面積と比べてスピーカーが少ないと、どうしても大音量で流してしまいがちです。店舗全体に均一にスピーカーを配置することが重要です。スピーカーの位置もよく検討しましょう。あまりにも客席に近い場所に設置すると、音を大きく感じてしまいます。理想的なスピーカーの設置場所は天井です。店舗全体に音楽を均一に流すことができ、導線の邪魔にもなりません。また、大勢お客さんがいる場合と少人数では聞こえ方が違うため、開店時などにチェックするとよいでしょう。
時間帯、時期で音楽を変える
朝と夜でBGMを変えるのは効果的です。朝はクラシックを流し、すっきりとしたさわやかな雰囲気を作り、夜はジャズを流し、落ち着いた空間を演出するといった使い方です。また、特定の時期によってBGMを変えることも検討しましょう。クリスマスや年末年始に、店舗で専用BGMが流れているのを聞いたことがあると思います。時期をお客さんに意識付け、クリスマスであればプレゼント、年末年始であればお節や年越しそばなどの購買意欲を高めることにつながるのです。
まとめ
店舗で流す場合、ラジオよりもBGMの方が向いています。ラジオを流すメリットもありますが、人の声で意識を取られがちで、多様な音楽ジャンルを扱う関係から、イメージを大事にする店舗には向かない場合が多いです。適切なジャンルのBGMを選択することで、店舗のイメージを向上させ購買意欲を高めます。さらに、居心地のよい雰囲気を作るために、客層、音量、時間帯、時期を考慮して選択する必要があります。BGMを導入しようと考える方の参考になれば幸いです。