オフィスで流すのに最適なBGMの特徴!適していないBGMもある?
近年では、時代の変化に伴い、就労環境を充実させようと工夫している企業が増えています。職場を充実化させるのにはさまざまな方法がありますが、音楽を流すのも選択肢の一つです。ただし、うまく活用できていないと作業効率を低下させてしまう可能性があります。そこで本記事では、職場に適した音楽の特徴や注意点について紹介します。
オフィスで流すのに適していないBGMの特徴
従来、職場では仕事ができるスペースが確保できていればよいと考えられている傾向にありました、しかし、働き方改革やワークライフバランスの充実という言葉をよく耳にするようになった近年では、職場に対する考え方も変化しつつあります。
具体的には、社員が働きやすい環境とは何かにこだわり、職場環境の充実化を図る企業が増えているのです。たとえば、休憩室を設置したり、フリーデスクを採用したりしている企業も増加傾向にあります。さらに、あえて壁を減らしたオープンスタイルの職場にすることで、開放感のある設計を採用しているケースも珍しくありません。
つまり、就労環境を充実化させることで、社員が働きやすい環境を提供しているのです。働きやすい環境になると、社員のモチベーション向上、作業効率の向上、雰囲気改善などさまざまなメリットを生み出します。そして、就労環境の快適化は企業成長につながるのです。
また、職場改善では、音楽を流すのも選択肢の一つです。音楽の効果を利用することで、社員同士のコミュニケーションが活発になったり、空気が明るくなったりする効果が期待できます。
ただし、やみくもに音楽を流すのはおすすめできません。職場に合わない音楽を流してしまうと、かえって集中力を低下させたり、作業効率を低下させたりしてしまうからです。そこで、音楽の導入を検討する際は、まず職場に合わない音楽とは何かを理解するようにしましょう。
■音量
まず、音量調整を丁寧に行う必要があります。職場で曲を流す場合、マスキング効果を充分に発揮できるかどうかを考慮しておくようにしましょう。マスキング効果とは、騒音に対して周波数の近い音楽を流すことで、騒音を感じ取りにくくする現象のことです。
職場で考えると、キーボードを打つ音やコピー機が稼働する音、電話の音などが騒音に感じられるのではないでしょうか。そこで、職場の騒音に近い周波数で音楽を流すのがポイントになるのです。
また、ありがちな失敗で、騒音をかき消そうとして音楽の音量を大きくしてしまうことです。その場合、マスキング効果が充分に発揮できず、騒音に音楽が加わってしまうだけになります。
一般的に職場に流す音楽の音量は、40~50デシベルが推奨されています。40~50デシベルは静かなオフィスと同程度の音量となっているため、充分にマスキング効果を発揮できるでしょう。ただし、オフィスの大きさや人数、設置されている機器によっても環境音の大きさは変わります。
■ジャンル
どんなに音量調整を丁寧に行っても、選曲を間違えてしまうと充分に効果を薄れてしまいます。たとえば、誰もが知っている有名な曲や歌詞のある曲は、ついつい聞き入ってしまうでしょう。作業に集中したいのに、曲が気になってしまっては音楽を導入する意味がなくなってしまいます。つまり、ジャンルにこだわることも重要なポイントなのです。
■場所
職場といってもさまざまな場所があります。仕事をする場所はもちろん、会議室や休憩室、社員食堂がある会社もあるでしょう。音楽を導入する場所によって、目的に合わない音楽を採用してしまうと効果を充分に発揮できなくなってしまいます。
オフィスで流すのに最適なBGMの特徴
一般的に職場に適していると推奨されている曲は、聞き入ってしまうことのない曲だといわれています。具体的には、歌詞のないインストゥルメンタルやボサノバ、ジャズなどがおすすめです。ボサノバやジャズなどは気分を落ち着かせてリラックスできる効果が期待できるからです。
一方、作業内容によっては、あえてアップテンポの曲を流すのも選択肢の一つです。アップテンポの曲は、脳を刺激し、「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」というホルモンを分泌させる効果があります。
ドーパミンはやる気をアップさせ、ノルアドレナリンはテンションを維持させる効果を発揮します。そのため、仕事の作業効率を向上させることにつながると考えられているのです。具体的には、クラシックやアンビエントを流すと、ホルモンの分泌を促すとされています。
ただし、アップテンポの曲やクラシックは、かえって集中力の妨げになってしまうこともあります。したがって、目的や業務内容によって適切な曲を選択するとよいでしょう。
また、場所ごとに曲を変えるのもおすすめです。たとえば、休憩室は気分をリラックスさせられる音楽、仕事場は集中力を高める音楽といったように、場所と目的に合う音楽を選択する方法があります。また、会議室は会話が漏れたり、騒音が気になったりしないようマスキング効果に注目して音楽を選ぶのがよいでしょう。
オフィスBGMを流す際の注意点
ほとんどの音楽には著作権が存在しています。著作権のある音楽を職場で流す場合、ルールにしたがって申請を行う必要があります。
ただし、法人で音楽を利用する場合、社員だけが聞くか、来客のある場所で流すのかによっても申請の要不要が変わります。さらに、どのようなシステムで音楽を導入するのかでも申請の流れが変わります。
また、万が一、著作権侵害だと判断されてしまうと、法人の場合は3億円以下の重い罰金があります。せっかく環境を改善しようとして導入したシステムが、後悔につながることにないようきちんとルールを理解して導入する必要があるでしょう。
また、著作権に関することはもちろん、音量と選曲にも注意するようにしましょう。まず、音量は大きすぎないように設定するのがポイントです。なぜなら、音量が大きすぎるとマスキング効果を発揮できなくなるからです。マスキング効果を発揮するには、雑音だと感じられる音と周波数がおおむね同じである必要があります。
また、選曲にも注意点があります。一般的に、企業に適しているのは流れていても気にならない曲です。たとえば、誰もが知っているJポップのヒットソングが流れていると、ついつい聞き入ってしまい作業に集中できなくなってしまうでしょう。そのため、ジャズやボサノバ、歌詞がなく楽器だけで演奏されているインストゥルメンタルなどが職場では定番です。ただし、目的によってはクラシックやアンビエントを採用するのがおすすめです。
なお、場所によって曲を変更する方法もあります。社員食堂ではミドルテンポのインストゥルメンタルやクラシックを流し、明るい空気にする、休憩スペースやトイレは、水の流れる音や波の音、鳥の鳴き声などリラックスできる音を流すなどの工夫が挙げられます。職場といってもさまざまな空間があるため、シーンに応じて選曲を分けることも選択肢の一つなのです。
つまり、企業が音楽システムを導入する場合は、著作権対策を実施することはもちろん、音量やジャンル、場所も考慮するようにしましょう。
自分たちのオフィスにぴったりなBGMを選んで仕事効率アップを目指そう!
「働き方改革」が重要視されている近年では、残業時間を減らして効率よく仕事をこなすことが求められています。しかし、残業時間を減らそうとしても、やらなければならない仕事量が減るわけではありません。
社員数を増やすには人件費がかかることもあり、限られた人数で効率よく仕事をこなさなければならないのです。とくに残業が常態化している企業では、システム改革や環境改善が必要不可欠でしょう。
また、高価なシステムを導入すれば簡単に効率化を図れる可能性もありますが、初期投資にお金がかかります。とくに中小企業は資金が潤沢でないケースが多いため、突然システムを変更するのは困難でしょう。
そこで、職場に音楽を流すのがおすすめです。初期投資やランニングコストが安く、簡単に作業効率の向上や雰囲気改善が図れます。ただし、注意点を理解しないまま導入すると、かえって状況を悪化させてしまう可能性があります。
そこで、まずは目的や得たい効果を明確にするようにしましょう。たとえば、仕事に集中できる環境を求める場合、ジャズやボサノバ、インストゥルメンタルを採用するのが一般的です。ただし、作業内容によってはクラシックやアンビエントを選択するのがよいでしょう。
一方、休憩室やトイレなどはリラックスできる曲を採用する方法もあります。つまり、場所や目的に応じてジャンルを選定する必要があるのです。
また、音量調整も重要なポイントです。音量が大きすぎると、気が散ってしまいかえってストレスになってしまうからです。そこで、集中したい場所で音量を検討する際は、マスキング効果に注目するようにしましょう。マスキング効果を充分に発揮できれば、騒音があまり気にならない空間になります。
つまり、システムを導入する目的や音楽を流す場所、得たい効果などの要素を考慮し、企業に合う音楽を選択することで最大限の効果を引き出すことができるのです。
また、何から準備すればよいのか分からないという場合は、専門の業者に相談するのがおすすめです。プロのノウハウを生かし、機器の準備から選曲、音量調整まで任せられます。
就労環境に対する考え方の変化に伴い、職場にBGMを流すケースが増えています。ただし、単純に音楽を流すのではなく、目的に合う選曲や音量を設定することがポイントです。選曲や音量が適していない場合、かえって従業員の集中力や作業効率を低下させてしまう可能性があるからです。
また、ほとんどの音楽には著作権が存在しています。万が一、著作権侵害に該当してしまうと、罰則を受けることになってしまいます。そこで、きちんと著作権に関するルールを理解し、必要に応じて申請をした上で音楽を流すようにしましょう。