オフィス・店舗BGMを導入する前に知っておきたいスピーカー選びのコツ!

公開日:2022/05/15   最終更新日:2022/05/20

スピーカー選び

お店を訪れた際に耳にするBGMには、さまざまな工夫が詰まっています。BGMの選曲だけでなく、オフィスや店舗の内装に適したスピーカーを使用するなど、聞く人の状態や聞こえ方まですべて考えられているといっても過言ではありません。今回、BGMの効果を最大限に活かすための、スピーカー選びのコツを紹介します。

スピーカーの種類ごとの特徴

BGM用として使用されるスピーカーの種類は豊富です。形状だけでなく、聞こえ方などもそれぞれ異なります。オフィスや店舗の内装や広さによって、最適なスピーカーを選択しましょう。代表的なBGM用スピーカーを紹介します。

据え置き型

据え置き型に分類されるスピーカーは実にさまざまです。ボックス型やポールのような細長型やピラミッド型など、形状に個性がありデザイン性に富んでいるといえます。一見するとスピーカーに見えないものまであるため、オフィスや店舗に個性的な雰囲気を持たせたい場合にもおすすめです。

サイズもさまざまで、本棚のような棚に置くことができるブックシェルフ型や、床に直接置くフロア型があります。どんなオフィスや店舗にも使用できますが、注意すべきポイントも多いです。

据え置き型は一般的に、音量に偏りが生じます。スピーカーに近いほど音が大きくなり、離れれば音が小さく感じるでしょう。そのため、使用する場所の広さと、スピーカーの大きさ・数をしっかりと検討する必要があります。

天井埋込型

天井スピーカーとも呼ばれ、天井に埋め込むかたちのスピーカーです。天井に設置するため、狭いスペースでも有効的に活用でき、圧迫感をおぼえることもありません。さらに、オフィスや店舗のデザインに影響を与えにくいともいえるため、比較的設置しやすいスピーカーともいえます。

ただし、天井に設置することで上階に響く恐れがあることや、スピーカーの真下ではハウリングが起きやすいというデメリットもあわせもつようです。広い場所であれば、小さいぶん個数もある程度必要な場合も。また、天井埋込タイプのひとつとして「広指向性スピーカー」というものが販売されています。

天井埋込タイプのデメリットである、スピーカー直下のハウリングを防ぐことができる「音響拡散器」がついたものです。音を拡散させるため、一般的な天井埋込タイプよりも少ない個数でBGMを楽しむことができるでしょう。とはいえ、天井とスピーカーが近ければ音量は大きくなってしまうため、天井が低い場合や、スピーカー直下ではとくに音量に注意することをおすすすめします。

壁掛け型(ペンダント型)

天井や壁から吊るすタイプ、もしくは壁に穴をあけて固定するタイプのスピーカーです。デッドスペースになりやすい壁を有効活用できるとして人気のスピーカーでもあります。さらに吊るすタイプだと、賃貸物件でも気軽に使用することが可能です。オフィスや店舗をすっきりみせることができるだけでなく、インテリアとしての空間づくりにも役に立つといえるでしょう。

また、吊り下げるタイプのスピーカーであれば、床や壁に接しないため劣化しにくいという意見も。とはいえ、音質面ではほかのスピーカーに一歩劣ることが多く、高音質を求めている場合には適さないようです。手軽に設置場所を変更できるため、配置変えをよく行うオフィスや店舗ではおすすめできます。

アンプは一緒に用意するべき?

アンプはアンプリファイやの略で「増幅する」という意味をもちます。音楽を再生するプレーヤーにつなぎ使用する機材であり、スピーカーとともに用意するべきか悩む人も多いようです。続いて、アンプの必要性について開設します。

そもそもアンプとは

アンプは、プレーヤー(CDプレーヤーやiPodなどのデバイス)から出る音を増幅し、増幅した音をスピーカーへと送る役割を担っています。プレーヤーからでる音は一般的に小さいものです。家庭用オーディオにはあらかじめアンプが内蔵されているものが多く、実感できないという人も少なくないでしょう。

オフィスや店舗でBGMを流そうとする場合は、アンプがなければ「小さい」と感じる傾向にあります。そのため、アンプを活用し、オフィスや店舗にBGMを生き渡らせる必要があるのです。一度、使用するオフィスや店舗でプレーヤーの音量を確認すると、アンプの必要性が理解できるかもしれません。

アンプにはほかにも、音質を調整する機能もあります。搭載されている機能によってアンプの名称が変わるため注意しましょう。前者の機能をもつアンプを「プリアンプ/コントロールアンプ」といい、後者の機能をもつアンプを「パワーアンプ/メインアンプ」といいます。

アンプの種類「プリアンプ/コントロールアンプ」

プレーヤーに接続されるアンプです。音域ごとに音量調整や出力バランスを調整することができます。音の質やトーンを整える役割をもつため、同じ曲であっても昼と夜とで曲の雰囲気を変えることも可能です。

アンプの種類「パワーアンプ/メインアンプ」

プレーヤーからでる音を増幅するアンプです。プリアンプに接続されている場合は、プリアンプで調整された音を増幅して、スピーカーへと送ります。場合によってはプリアンプを使用せずに、パワーアンプだけで十分であるケースも。一般的に、プリアンプよりも大きく重いことが多いです。

アンプの種類「プリメインアンプ」

前述した「プリアンプ/コントロールアンプ」と「パワーアンプ/メインアンプ」が一体化したアンプです。2台を1台にまとめているため、低予算・低スペース、そして扱いやすさがアップしています。

しかし、音の質にこだわりたい人にとっては、プリメインアンプよりも、「プリアンプ/コントロールアンプ」「パワーアンプ/メインアンプ」に別れているアンプのほうがよい音がでるという意見もあるようです。音響に詳しくない場合は、まずはプリメインアンプを使用してみるとよいでしょう。

BGMを流す場所ごとのスピーカー選びのポイントと配置テクニック

BGMを流す場所によって適したスピーカーと、スピーカーの配置が異なります。デザイン性を重視した結果、オフィスや店舗に合わず再度購入することになった、といった結果になる恐れも。失敗しないためにも、紹介するスピーカー選びのポイントと配置テクニックを参考にしてください。

オフィス・仕事場におすすめのスピーカーと配置

オフィスや仕事場でBGMを流す目的としては、話し声や作業音といったノイズを聞こえにくくすることや、話しやすい雰囲気をつくることがあげられます。均一に音が広がる必要性は低いものの、席によって音が大きすぎるような配置は避けましょう。

また、あくまで仕事がメインであるオフィスや職場に、大きなスピーカーを設置すると違和感をおぼえる可能性も。内装や動線を邪魔しない小型のスピーカーが適しているといえます。

天井埋込型スピーカーであれば、邪魔にもならずさりげなく配置することが可能です。一方、デザイン系の仕事を行うオフィスであれば、デザインに富んだ据え置き型スピーカーがよいでしょう。

小売店におすすめのスピーカーと配置

小売店であれば、棚に置くことができる据え置きブックシェルフ型スピーカーや、デザイン性のある据え置きフロア型スピーカーがおすすめです。小売店の内装に適したデザインのスピーカーを選ぶとよいでしょう。いずれも配線でお客様が躓くことがないよう、配線にカバーをつけるなどの工夫を行います。

音が均一に広がらなくてもよいとも考えられますが、試着室やその付近、トイレにもスピーカーを設置してBGMが途切れないように注意が必要です。スペースが限られている場合は、壁掛け型の吊るすタイプの活用もよいでしょう。

飲食店におすすめのスピーカーと配置

飲食店では食事を楽しんでもらえるようにBGMを流す必要があります。小売店と同様に、トイレの中にもスピーカーを設置し、無音による気分の低下を防ぐようにしましょう。飲食店では、会話の妨げにならないよう均一に音を広げなければいけません。したがって、据え置き型・天井埋込型・壁掛け型いずれを利用するにしても、スピーカーの複数設置の検討をおすすめします。

とくに天井埋込型であれば、ハウリングに注意しましょう。飲食店は基本的に、移動せず同じ場所に長く滞在します。ハウリングという不快音が常に聞こえる席では、満足に食事することはできません。広指向性スピーカーを使用するなど、お客様に長く快適に食事を楽しんでもらえる工夫を凝らしましょう。

BGMを流す場所ごとに向いている音楽ジャンルは違う?

BGMにはさまざまな効果があるため、オフィスや店舗の目的ごとに適した音楽ジャンルを選ぶ必要があります。BGMを聞く人にどのような状態でいてほしいのかを考えて、音楽ジャンルを選ぶとよいでしょう。

飲食店に向いている音楽ジャンル

お店の雰囲気に適した音楽ジャンルを選ぶとよいでしょう。楽しく明るく食事を楽しんでほしい場合は、適度なアップテンポのある音楽ジャンルや、ヒップホップ・J-POPがおすすめです。会話の妨げにならないよう、場を盛り上げるひとつの要素としてBGMを流すようにします。

落ち着いた雰囲気のお店であれば、クラシックやジャズといった音楽ジャンルを、タイ料理など異国料理を提供するお店であれば、その国をイメージさせる音楽ジャンルが適しています。

また、ランチタイムなどの回転率を上げたい場合は、アップテンポな音楽ジャンルを選ぶとよいでしょう。テンポにつられるように食事スピードがあがり、ひとりあたりの店舗滞在時間が短くなることが期待できます。

病院や医療・福祉施設に向いている音楽ジャンル

ヒーリングミュージックや自然音BGMとして流すことをおすすめします。音楽には心をやすらげる効果があり、病院といった緊張しやすい場における緊張緩和効果を得ることが可能です。明るい音楽ジャンルは、場合によってはよくない影響を与える恐れがあるため注意するようにします。音楽療法に用いられるクラシックなど、万人受けしやすい音楽ジャンルから選ぶとよいでしょう。

 

なにげなく耳にしていたBGMには、さまざまな工夫が凝らされていることを紹介しました。スピーカーと一言でいってもその種類は多く、それぞれにメリットとデメリットがあります。内装に適したBGMとスピーカーを選ぶことで、売り上げアップが期待できるでしょう。聞こえ方や見せ方をしっかりと確認し、効果的なBGM導入を進めてください。

 

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