健康優良法人2022の認定要件とは?昨年度との違いも解説
健康経営優良法人として認定を受けたいけれど、認定要件がいまいち分からないとお悩みではありませんか。そこで本記事ではそんなお悩みを払拭すべく、健康経営優良法人2022の認定要件や昨年度との違いについて解説します。この記事を最後までお読みいただければ、健康経営優良法人に対する疑問が改善するようになります。
健康経営優良法人2022について解説!
近年では、従業員の心身を健康に保つ姿勢のある企業に注目が集まっています。そのため、経済産業省が先導する健康経営優良法人への認定を狙う企業が増加しています。ここでは、健康経営優良法人2022について詳しく解説します。
健康経営優良法人2022とは
健康経営優良法人2022とは、従業員の健康管理や健康促進に対して優れた取り組みを実施していると認定された法人のことをいいます。健康経営優良法人認定制度は、積極的に従業員の健康に投資する取り組みをおこなっている企業を表彰することを目的にしています。
この制度は2016年に経済産業省によって創設されました。健康経営優良法人の骨子は経済産業省が設計し、認定については日本健康会議がおこないます。
健康経営優良法人の認定を受けると、従業員や求職者、取引先企業や金融機関などから高い評価が受けられます。また、認定を受けることにより「健康経営優良法人」のロゴマークを使用できることも大きな魅力となっています。
健康経営優良法人の認定制度は、大規模法人部門と中小規模法人部門の2種類に分類されており、大規模法人部門の上位500社は「ホワイト500」として、中小規模法人部門の上位500社は「ブライト500」として認定されています。
健康経営が重要視される理由
健康経営を推し進める動きは、安倍内閣時代に策定された「日本再興戦略」における「国民の健康寿命の延伸」に対する取り組みの一環です。この取り組みは、関係省庁や医療機関・介護事業者だけではなく、民間事業者も積極的に参画すべきとされています。
労働期間は人生における長い期間を占めており、企業が率先して従業員の健康への投資に取り組めば、健康寿命は延伸され「生涯現役社会」の実現に寄与すると考えられています。企業における健康経営に対する取り組みは、従業員のモチベーション向上に寄与し、結果として企業全体における生産性の向上を実現する効果が期待できます。
2022年度の認定要件
ここまでは健康経営優良法人について触れてきました。では、健康経営優良法人に認定されるためには、具体的にどのような要件を満たす必要があるのでしょうか。ここでは、2022年度における健康経営優良法人の認定要件について解説します。
健康経営優良法人2022の認定要件とは
健康経営優良法人2022の認定要件は、大規模法人部門と中小規模法人部門で共通する部分が多く、評価項目は、「経営理念(経営者の自覚)」「組織体制」「制度・施策実行」「評価・改善」「法令遵守」「リスクマネジメント(自主申告)」の大項目に、それぞれさらに細かく中項目・小項目・評価項目が定められています。評価項目に対する対応に関して「必須」あるいは「所定の数以上の項目を満たすこと」といった要件が求められます。
中小規模法人が健康経営優良法人の認定を受けるためには
健康経営優良法人の認定を受けるためには、従業員の健康維持や促進につながる有効な施策を実施したうえで、申請と審査を経る必要があります。健康経営優良法人認定の有効期間は1年間とされており、企業は年度ごとに計画的に健康経営を実施し続けなければなりません。
とくに、中小企業が健康経営優良法人の認定を受けるためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
・定期健康診断などの結果、再検査や精密検査が必要と判断された従業員に対して、受診をうながすための制度あるいは取り組みが存在していること
・従業員に対するがん検診などの任意健診に対する受診をうながすための制度あるいは取り組みが存在していること
健康経営優良法人の認定手順
健康経営優良法人の一般的な認定手順は、以下のとおりです。
1.加入している協会けんぽや健康保険組合連合会、国民健康保険組合などの保険者が実施する「健康宣言事業」に参加する
2.「健康経営ポータルサイト」より申請する
3.「健康経営優良法人認定申請書」に自社の取り組みを記載して申請する
4.認定審査の実施
5.日本健康会議から認定を受ける
健康経営優良法人の認定に適合するかどうかを判断するために、事前に経済産業省が実施する「従業員の健康に関する取り組みについての調査」に回答する必要があります。回答結果にしたがい、健康経営優良法人の要件に適合するか判定されます。
判定を受け、要件に適合していると申請書が受け取れます。申請書に必要事項を記載し、保険者と連名で申請をおこないます。健康経営優良法人の認定委員会の審査を受け、最終的に日本健康会議から認定を受けます。
健康経営優良法人2022は前年とどう変わったか
健康経営優良法人の認定要件は毎年内容が更新されており、項目が固定されているわけではありません。ここでは、健康経営優良法人2022は前年と比べてどう変わったかについて解説します。
健康経営優良法人2022認定要件の変更箇所
健康経営優良法人2022では以下のような認定要件の変更がおこなわれています。
変更箇所:共通項目
・法令遵守の認定要件として「労働基準法あるいは労働安全衛生法にかかわる違反により送検されていないこと」が追加された
・受動喫煙対策において「受動喫煙対策に関する取り組み」に「従業員の喫煙率低下に向けた取り組み」が追加された
・新型コロナウイルス感染症の流行にともなう対応の救済措置が撤廃された
変更箇所:大規模法人部門
・「産業医・保健師の関与」が必須項目となった
・申請書が電子化され申請フローが効率化された
・申請フローの効率化にともないスケジュールが変更された
・40歳以上に該当する従業員の健診データ提供、特定健診と特定保健指導の実施率を問う設問が追加された
変更箇所:中小規模法人部門
・認定要件項について満たす必要がある項目が追加された
・「ブライト500」において、15項目中13項目以上を満たす必要があると変更された
・各自治体の健康宣言事業への参加でも要件を代替することが可能となった
・「ブライト500」の認定方法が自社からの発信を重視した評価に変更された
まとめ
今回は健康優良法人2022の認定要件について解説しました。健康経営優良法人とは、従業員の健康管理や健康促進に対して優れた取り組みを実施していると認定された法人のことです。認定制度は、従業員の健康に投資する取り組みをおこなっている企業を表彰することを目的にしています。
健康経営優良法人の認定要件は、経営理念、組織体制、制度・施策実行、評価・改善、法令遵守・リスクマネジメントの5つの大項目で判断されます。さらに大項目には、細かく中項目・小項目・評価項目が定められています。
健康経営優良法人の認定要件は毎年内容が更新されており、項目が固定されているわけではありません。年度ごとに時代にそくした健康経営が求められ、自社にとって無理のない従業員ファーストな健康経営が必要だといえるでしょう。