健康優良法人2024の認定要件とは?昨年度との違いも解説

公開日:2024/08/22  

健康有料法人

健康経営優良法人2024の認定要件が発表され、企業の健康経営への取り組みがさらに注目されています。この記事では、大規模法人部門と中小規模法人部門それぞれの認定要件を詳しく解説するとともに、昨年度からの変更点を明確にまとめました。最新情報を把握し、自社の健康経営の取り組みを見直してさらなる発展につなげましょう。

健康優良法人の認定要件

健康優良法人の認定要件は、大規模法人部門と中小規模法人部門で異なります。ここでは、それぞれの認定要件について詳しく解説します。

大規模法人部門の場合

大規模法人部門の認定要件は、より詳細かつ高度な基準が設定されているのでしっかりとチェックしましょう。

経営理念・方針では、健康宣言の社内外への発信や経営者自身の健康づくりへの取り組みが求められます。一方、組織体制では専任組織や担当者の設置、産業医や保健師の関与、保険者との連携などが評価されます

制度・施策実行では定期健診受診率や再検査受診率の把握・向上施策、メンタルヘルス対策、受動喫煙対策など、幅広い取り組みが要求されます。評価・改善では、健康経営の取り組みによる効果の検証や、健康課題の明確化と対策の実施が必要です。

法令遵守・リスクマネジメントでは労働時間の適正管理や長時間労働者への対応、ハラスメント防止対策などが求められます

大規模法人部門ではこれらの項目に加えて、健康経営度調査の回答や健康経営の取り組みに関する情報開示なども評価の対象です。

中小規模法人部門の場合

中小規模法人部門の認定要件は大規模法人部門に比べるとやや簡略化されていますが、基本的な枠組みは同じです

経営理念・方針では健康宣言の社内外への発信が求められます。組織体制では健康づくり担当者の設置や、40歳以上の従業員の健診データの提供などが評価されます。

制度・施策実行では定期健診受診率の把握や受診勧奨、メンタルヘルス対策、受動喫煙対策などが要求され、評価・改善では健康経営の取り組みによる効果の検証が必要です。

法令遵守・リスクマネジメントでは、労働時間の適正管理や長時間労働者への対応、ハラスメント防止対策などが求められます

中小規模法人部門ではこれらの基本的な項目を満たさなければならないほか、健康増進の取り組みなども評価の対象です。

中小企業の実情に配慮しつつ、健康経営の推進を促す内容となっています。

健康優良法人2024と昨年度の違い

健康経営優良法人2024の認定要件は、昨年度から一部変更されました。これらの変更は社会情勢の変化や健康経営の更なる推進を目的としています。

主な変更点は「社会課題への対応」「情報開示の推進」「健康経営の国際展開」の3つです。ここでは、部門別の変更点について解説します。

大規模法人部門・中小規模法人部門共通の変更点

大規模法人部門と中小規模法人部門に共通する主な変更点は「社会課題への対応」です。具体的には、仕事と育児・介護の両立支援、女性特有の健康問題への対応、生産性低下防止の取り組みなどが新たに評価項目に加わりました

仕事と育児・介護の両立支援では、適切な働き方の実現と両立支援の両方に取り組む姿勢が求められます。女性特有の健康問題については、月経症状や更年期症状に関する研修の実施や行動変容の促進が評価される仕組みです。

生産性低下防止の取り組みでは、花粉症対策や眼精疲労対策などプレゼンティーイズムに影響する要因への対応が求められています。新型コロナウイルス感染症対策はインフルエンザ等を含む感染症対策に統合されました。

これらの変更により、企業は従業員のさまざまなライフステージや健康課題に対応し、より包括的な健康経営の実践が期待されています。

大規模法人部門の変更点

大規模法人部門では、より詳細かつ高度な変更が加えられました。

特定健診・保健指導の実施率評価が新たに加わり、保険者との連携(コラボヘルス)の強化が求められています。また、業務パフォーマンス指標の開示が評価対象となり、プレゼンティーイズムやワークエンゲージメントなどの指標の実績値と測定方法の開示が求められます。

労働安全衛生に関する情報開示も新たな評価項目となりました。さらに海外従業員への対応として、海外駐在員や現地法人で雇用されている社員の健康増進や健康課題への対応状況を把握するための設問が追加されています。

これらの変更は健康経営の取り組みをより戦略的かつ包括的なものにし、その効果の可視化が目的です。大規模法人はこれらの新たな要件に対応するため、自社の健康経営施策を見直し、必要に応じて新たな取り組みを導入する必要があるでしょう。

申請から認定までの手順

健康経営優良法人の認定を受けるためには、所定の手順に従って申請を行う必要があります。申請から認定までの流れは大規模法人部門と中小規模法人部門で若干異なりますが、基本的な流れはほぼ同様です。

ここでは、大規模法人部門と中小規模法人部門それぞれの申請から認定までの手順について解説します。

大規模法人部門の場合

まず、健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト「ACTION!健康経営」にアクセスし、申請申し込みページから必要な情報を入力しましょう

次に、健康経営度調査票をダウンロードし、自社の取り組み状況を詳細に記入します。ここで注意すべきは記入した調査票を期限内にアップロードすることです。期限をすぎると無効になるため注意してください。

その後は認定審査を受け、基準を満たしていると判断された場合に日本健康会議から「健康経営優良法人」として認定されます。大規模法人部門の申請料は8万8,000円(税込)です。ただし、認定審査を希望せず、健康経営度調査への回答とフィードバックシートの受領のみを希望する場合は無料になります。

大規模法人は詳細な情報提供と高度な取り組みが求められるため、申請準備には十分な時間と労力が必要です。早めの準備と社内関係部署との連携に努めましょう。

中小規模法人部門の場合

中小規模法人部門の申請手順は大規模法人部門と類似していますが、いくつかの違いがあります。

手順としてはまず加入している保険者(協会けんぽ、健康保険組合連合会、国保組合等)が実施している「健康宣言事業」へ参加しなければなりません

次に健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト「ACTION!健康経営」にアクセスし、申請申し込みページから必要な情報を入力します。その後、健康経営優良法人認定申請書をダウンロードし、自社の取り組み状況を記入してアップロードしましょう。

認定審査を経て基準を満たしていると判断された場合のみ、日本健康会議から「健康経営優良法人」として認定されます。中小規模法人部門の申請料は1万6,500円(税込)です。

中小規模法人は大規模法人に比べて要求される基準がやや緩和されています。しかし、健康経営の本質的な取り組みは同様に求められるのが特徴です

したがって、自社の状況に合わせた効果的な健康経営施策の実施と、成果の適切な記録・報告が重要となります。

まとめ

健康経営優良法人2024の認定要件は、社会課題への対応や情報開示の推進など、より包括的で戦略的な健康経営の実践を求める内容になっています。要件は大規模法人部門と中小規模法人部門で異なりますが、いずれも従業員の健康増進と企業価値の向上を目指す点は共通しているといえます。

申請を検討している場合は、認定までの手順を理解し、計画的に準備を進める必要があるでしょう。健康経営は認定取得が目的ではなく、企業の持続的成長と社会貢献につながる重要な経営戦略です。

健康経営優良法人認定は、目指す過程で従業員の健康意識向上や組織の活性化、生産性の向上など、多くの効果が期待できます。ぜひ、この機会に自社の健康経営の取り組みを見直し、さらなる発展につなげてください。

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